「すまなかった。
赦してほしい、とは言わない。
どれだけ自分がひどいことしたか、自覚があるから。
ずっと一緒に、って。一生をを共に。って誓い合ったのに・・・逃げ出した。
生きるのを諦めてる、生き続けるのを拒否してる。
ニノがそう言ってた。
サトシを助けて、って。
俺にサトシの気持ちを確かめて欲しい、って頼まれた。
ここに連れて帰ってもらったのは・・・
サトシの気持ちを知るために・・・・躰・・つなごう思ったから。
どうして・・・思いつかなかったんだろうね?
サトシの気持ちが見えない、って。
苦しかった・・時に・・・・」
寂しそうに微笑んだ。
「動くこともできないサトシを抱くなんて・・・
むりやりするみたいで・・・抵抗があった。
サトシは・・待っててくれてたのかな?
それすらも・・分からなくなってて。
触れることが・・・怖かった。
いや・・・本当は・・・サトシの本心を知るのが怖かったんだと思う。
憎まれていないか。嫌われていないか、って。
こんなになったのはショウのせいだ、って責められるのが怖かった」
ベッドに伏せたから、顔は見えなくなった。
でも・・・呻くように口からもれる嗚咽が・・・
ショウもツラかった、ってことを教えてくれた。
僕は・・・抱いてもらいたかったよ。
ショウの手が僕に触れるたびに・・・待ってた。
憎んでなんて、嫌ってなんていない。
怖がることはなかったのに。
でも・・・こんな意思表示もできない相手に・・・は・・
できない・・だろうね。
ショウは一人で・・頑張ってくれてたんだもんね。
あの時まで・・・しあわせだったよ。
ショウがいつも側にいてくれて。
指先にショウの髪が触れた。
ちょっとしか動かせないけど。
今は手首から先が動かせる。
髪をいじるように指を動かした。
ショウがそれに気付いた。
「サトシ・・・手・・動くようになったんだね?」
嬉しそうに笑って。
僕の手を取った。
指先にキスをしてきたから・・・
お返しするみたいに、ショウの口唇を撫でた。