together,forever 271 | 嵐の勿忘草

嵐の勿忘草

忘れたくないけど忘れてしまうこと
忘れたいけど忘れられないことでも

11〜20日は本編をアップします。

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ぐるぐるぐるぐる。
自分の想像で、自分が苦しむなんて。
そして、以前ショウが怪我をしたときのこと、思い出した。

倒れたショウの下に真っ赤な水たまりが広がっていって・・・
あの時は、僕が溶けこませたソウルがあったから助かった。
でも、今は?そんなのはない。

広がった水たまりは止まることがなく、ショウの躰から温かみが消えて。
僕の前には冷たくなったショウの躰。

ヤダ・・・そんなの・・・
震えが止まらなくなった。
震えを止めようと、自分で自分を抱きしめるように腕を回す。

ショウのところに・・帰りたい。


陽の当たるリビングにいるのがいたたまれなくて。
薄暗いままの寝室に引きこもった。

毛布をかぶって、ベッドに丸まる。
震えが止まるわけじゃない。
想像が止められるわけじゃない。

でも、涙を流すことはできる。
思うだけ、ショウのことを呼べる。


「ショウ・・・」

僕はいつしか、泣きながら、眠ってしまっていた。




髪を撫でる優しい手。
ショウ・・?

「ショウ・・・?」

「あ・・目、覚めた?
ごめん・・ショウじゃないんだ。
あんまりにも、ツラそうな顔して寝てたから・・・」

マサキだった。