「サトシは・・・こんなに泣き虫だったんだね」
ショウが腕枕している腕を折って、僕を引き寄せた。
泣きすぎて、腫れてしまった目蓋にショウの熱い口唇が触れた。
「ショウのせい・・だよ。涙が出てくるの」
「俺と会えなかった3年間。
サトシはどれほどの涙をこぼしたのか・・って考えると・・
胸が苦しいよ。
もっと、早くサトシの元へ来るべきだったんじゃないか・・って」
ショウも泣きそうな顔をする。
僕はショウの頬に手を添えた。
「3年間・・僕は・・・一度も泣かなかったよ。
だから・・・そんな後悔しなくてもいい。
ショウのやるべきことがあった3年間なんだから・・・」
「信じられないよ。
昨日から、サトシの泣き顔ばっかり見てる」
二人きりになると、泣いてばっかりだもんね。
「ショウ・・僕はね・・弱いんだよ。
弱いから・・泣けなかった。
それに・・・ショウを信じてたから。
泣いたら・・・ショウのこと疑うことになっちゃうみたいで」
一度泣いたら・・自分が崩れてしまいそうな気がしてた。
崩れてしまったら、もう、立ち上がれない。
そんなふうに感じてた。
ショウともう一度、会うためには泣けない。
そんなことを自分に言い聞かせて。
誰にもショウのことを言わず。
唯一、ショウのことを知っている親とも話さず。
誰かに何かを言われて、自分が揺らぐのが怖かった。
ショウへの想いは、僕だけが分かっていればいい。
そうやって、過ごした3年間。
「でも・・今は泣いても、ショウが全部受け止めてくれる。
嬉しい涙だし・・・どうしようもない気持ちが涙で出てくる」
ショウが愛おしくてしょうがない。
って、キスをこめかみにしてくれるから・・
僕の目からは、また涙がこぼれた。