もっと、大勢の人がいると思っていた。
でも・・いたのは、二人だけ。
年配の男性と女性。
ショウのご両親?
僕を睨めつけた。
そして、すぐに視線を外す。
そこに僕はいないかのように。
僕は頭を下げた。
「オオノ サトシです。
ショウくんとエターナルツインの誓いを交わしたいと思ってます。
そのご挨拶に来ました」
僕の存在を無視してるから。
そのことばも聞かないつもりらしい。
なんの反応もない。
僕の後にショウがことばをつないだ。
「この人が・・俺の選んだ人です。
生涯を共にしようと思ってます。
あなたが俺に押し付けようとしていた人とは違いますが。
これから、俺は・・自分で選んだ道を歩いて行こうと思います。
それだけを・・言いに来ました」
ショウは僕の手を引いて、部屋を出ようとする。
「何が気に食わない?
家柄も容姿も学歴も・・・おまえと釣り合う娘を選んでやった。
社会的地位も人々の尊敬も得られる職も与えてやった」
その人はショウの顔を見た。
何の表情も見せない。
怒っていたり、悲しんでいたり。
そんな顔を見せてくれていたら・・
まだ、ましだったのに。