慌てて、支えた。
「ん、もう〜ショウが引っ張るからだよ!」
サトシは言ったけど・・
そんな感じじゃなかった。
両腕を掴んで、自分の方を向かせる。
「サトシ!ホントは・・・しんどいんでしょ?」
「平気・・・何も・・ないって」
昨日、医療棟から帰ってくる時も、かなりしんどそうだった。
俺の腕に縋って、なんとか歩いてる、って感じで。
じっと目を見ると、視線を外す。
「サトシ?」
「大丈夫だから。ちょっとふらついただけ。手・・離して」
「じゃ・・ちゃんと食事するって・・約束して?」
「約束?いつも、僕、ちゃんと食べてるよ」
「じゃ、もっと食べるって・・約束して」
「頑張るけど・・・ホントに・・食べられないんだよ」
困った顔して微笑んだ。
その顔が・・すごい儚く見えて。
サトシの両腕から、手を離して・・抱き寄せた。
すっかり細くなってしまった肩と腰。
俺が回した腕にすっぽりとおさまってしまう。
肩なんて・・骨が手に当たるくらい。
痛々しく感じるほどの・・躰。
哀しく感じて・・・それを誤魔化そうと冗談めかした。
「このままじゃ・・抱き心地悪いんだけど?」
「・・・・・いや?」
ちょっと心細そうな声。
「ん〜いや・・ってことじゃなくて・・・
骨ばってるのが、あんまり好きじゃないだけ」
「じゃあ・・今の僕の躰・・あんまり好きじゃないよね?」
「そうだね・・前の方が好きだね」
そうは言ったけど。
サトシなら、どんなでも、好きだよ。
細くても。太ってても。
サトシだから。