together,forever 166 | 嵐の勿忘草

嵐の勿忘草

忘れたくないけど忘れてしまうこと
忘れたいけど忘れられないことでも

ショウは、服を着せた僕に点滴をした。
留置針を刺してテープで留める。

何本か大きい点滴用のボトルがテーブルに置いてあった。
他に抗生剤とかの治療薬。


点滴の速さを調節して。


僕の躰の横に一緒に横たわる。
僕が・・こうなる前。

ショウが・・部屋に来てくれた時と同じように。


「サトシ・・・良くなるまで・・俺が面倒見るからな」

いつもと同じように、僕の躰を抱きしめて・・・眠った。


ショウの・・腕の中のあったかさ・・感じたい。
抱きしめられて眠る心地よさ・・感じて・・眠りたい。

でも・・・



ウロウロと周りをうろついて。
眠ってしまったショウの頬に触れる。
目を覚ますことはなくって。
ショウが深い眠りに就いていることが分かる。


きっと・・疲れきったんだよね。
僕を捜して、砂漠に出て。
その後、僕の世話をやくなんて・・面倒なことしたから。
でも、ゆっくり・・眠れてるみたい。




ショウの中に入るか・・・
自分の躰の中に入るか・・・


ショウのためを思うなら・・・ショウの中。


でも・・・


僕は・・・・ショウの腕の中に・・・戻りたかった。
たとえ・・わずかな時間でも。