together,forever 26 | 嵐の勿忘草

嵐の勿忘草

忘れたくないけど忘れてしまうこと
忘れたいけど忘れられないことでも

「サトシ!?ニノ!!来て!!サトシが・・!サトシが!!」

すぐ近くで・・マサキ?の声。
バタバタする音、ドアの開閉する音、わけの分からない叫び。
ごっちゃになって聞こえて。


「サトシ?分かりますか?
ここは、アナタの家です。
帰って来てるんですよ?
だから・・・意識開いてください」

ニノの落ち着いた声がした。
僕の・・家?
助けて・・・くれたの?


意識を躰とつないで・・・
目を開けた。


「ニ・・ノ・・・・マサキ・・ジュン・・・・・」

きっと、拐われた僕をニノが探してくれたんだろう。
ジュンが助けに来てくれたのかも。

3人には心配かけた。迷惑もかけた。
僕が3人の言うこと、聞かなかったから。


「ごめ・・ん・・・めいわく・・・かけて・・・」

少し話しているうちに、少しずつ、スムーズに声が出るようになってきた。



「サトシ~~よかった!目が覚めて。
助けに行った時も、全く意識がなくって。
もう・・目が覚めないかと、思った!!」


マサキがボロボロ涙を零して、僕の手を握ってきた。
その手の温かさを感じて・・・

僕は、帰ってこられた・・って心底思えて。


「うん・・・」


何も言えなくなって・・・
同じように、涙がボロボロ零れた。