「サトシ!?ニノ!!来て!!サトシが・・!サトシが!!」
すぐ近くで・・マサキ?の声。
バタバタする音、ドアの開閉する音、わけの分からない叫び。
ごっちゃになって聞こえて。
「サトシ?分かりますか?
ここは、アナタの家です。
帰って来てるんですよ?
だから・・・意識開いてください」
ニノの落ち着いた声がした。
僕の・・家?
助けて・・・くれたの?
意識を躰とつないで・・・
目を開けた。
「ニ・・ノ・・・・マサキ・・ジュン・・・・・」
きっと、拐われた僕をニノが探してくれたんだろう。
ジュンが助けに来てくれたのかも。
3人には心配かけた。迷惑もかけた。
僕が3人の言うこと、聞かなかったから。
「ごめ・・ん・・・めいわく・・・かけて・・・」
少し話しているうちに、少しずつ、スムーズに声が出るようになってきた。
「サトシ~~よかった!目が覚めて。
助けに行った時も、全く意識がなくって。
もう・・目が覚めないかと、思った!!」
マサキがボロボロ涙を零して、僕の手を握ってきた。
その手の温かさを感じて・・・
僕は、帰ってこられた・・って心底思えて。
「うん・・・」
何も言えなくなって・・・
同じように、涙がボロボロ零れた。