Tell me why 9 | 嵐の勿忘草

嵐の勿忘草

忘れたくないけど忘れてしまうこと
忘れたいけど忘れられないことでも

誰も・・何も言わない。
シン・・と、部屋の中の温度が一気に下がった気がする。
緊張した空気を破ったのは・・


翔くんだった。

「智くん。何があったのか、俺たちは知らない。
何を思って、そういう結論に至ったのかも分からない。
ただ・・何も言わずに、結論だけ言われても・・
俺たちは納得できない。

俺たちは、運命共同体・・のはず。
一人いなくなったら、嵐じゃなくなる。

何があったのか・・話してはくれない?」



話せるわけなんてない。
理解してもらえるとは思えない。
話したって、この状況が変わるわけでもない。


それなのに、話を聞こうとする翔くんが・・おかしくって。
思わず笑い声が出た。


「んふふ・・・話したって・・・しょうがないよ・・・
もう・・・何もかも、終わったんだから」

「そうやって・・・リーダーはオレらのこと・・・
いないことにするの?」

相葉ちゃんの悲しそうな声がした。




いないことにされたのは、オレ。
そんな人間が、何を言えばいいんだ?