Gimmick Game 4 | 嵐の勿忘草

嵐の勿忘草

忘れたくないけど忘れてしまうこと
忘れたいけど忘れられないことでも

帰宅して、パソコンでネット上を探した。
オレの知ってる大野さんの情報。

だけど、何時間かけても、ほんの一欠片もつかむことはできなかった。


もしかして・・・

大野智は・・オレの記憶の中だけにいる・・・
幻・・なのか?


ふと、浮かんでしまった、そんな疑問を振り切るようにして。
思いっきり、首を振った。

気分転換にシャワーでも浴びよう。


服を脱いで、洗面台に映った自分の顔を見る。
心細い。
迷子のような顔をしている。

そんな顔を見たくなくって。
バスルームへと体を返した。

視界のはしに映った それ。
脇腹に残った、朱い花びらのような痕。


やっぱり・・大野さんはいた。
その痕は・・昨夜、大野さんが・・付けた・・痕。


「死んでくれるか?」

そんな言葉を曖昧に笑い飛ばした後。
いつもよりも激しく愛されて。


「俺のこと・・・忘れんなよ」

そんな言葉とともに、付けられた痕だった。