智くんが、俺が出ている対戦型バラエティ番組を観たい、と言うので。
一緒に観ていた。
観ていた、と言っても、俺は来るべきオリンピックに備えて、勉強をしつつ。
智くんも、ソファーで中途半端な格好で寛いで。
晩酌・・というか・・・アルコールをちびちびと嗜みつつ。
まあ・・休日の夜っぽい・・時間。
後輩たちと共演してて。
それが智くんには羨ましいみたい。
「いいなぁ。なんか・・翔くん、すごい・・センパイっぽい」
「そりゃぁ・・センパイっすよ。
この中では、一番、歳食って、事務所歴も長くって」
「んふふ・・そうなんだけど。
でもさ・・きっと、僕が入っても、センパイっぽくならないんだよ」
「そんなこと、ないっしょ。
一番歳食ってて、事務所歴も長いし」
「そうなんだけどさぁ。
嵐でいても、センパイっぽくないじゃん」
「あ・・・確かにね・・・それは・・
智くんがカワイイからじゃない」
だってさ。
智くんったら・・・すっごい・・カワイイし!
え?とか言って、上目遣いしたりすると・・もうね?
一番年上って、忘れちゃうよね?
「んふふ・・翔くん、僕のことカワイイって思ってくれてるんだ?」
もちろんです!
世間様では、後輩のAとかIとかYとかCがカワイイってことになってますが!
俺には、智くんが一番!
番組は、砂の上でのレスリング。
ガチ勝負で、結構、後輩たちも芸人さんたちも、真剣。
「翔くん、今度、僕も出たいなぁ」
「智くんが?そうだなぁ・・出るとしたら・・何がいいかなぁ・・?」
「僕ねぇ、レスリング出てみたい」
「え?何、考えてんの!?」
裸!!智くん!レスリングは裸にならなきゃいけないんですよ!!
全国のみなさまに・・いや!
智くんを狙っている後輩たちがいる中で、裸だなんて!!
いや、もしかして、芸人さんたちの中にも、虎視眈々と狙っている輩がいるかもしれない!
「だめ~~~~~!!」
「だって、格闘技始めたからさ、ちょっと、やってみたくって。
道場では、下っ端だから、誰にも勝てないんだよね。
今度までに、寝技とかも覚えて、鍛えとくからさぁ。
ね??ダメ?」
「だめ~~~~~!!」
だって・・・ガチ勝負してた後輩・・擦り傷できてたし。
智くんのこの肌に!
傷ができるなんて!!
だめ~~~~~!!
イヤ・・待て?
擦り傷・・痛々しいその傷・・・消毒してあげる、って。
舐め回すって・・アリ?
カメラの前では、無理があるとしても・・・
家でさ・・・そのぉ・・・本番までの導入として・・
取り入れるって・・アリ?
ちょっと染みて・・・智くんが、涙目になって・・・
嫌がって逃げようとするのを、消毒だから!
って・・・
口唇噛み締めて、ガマンしてる顔・・・そそられるかも・・・
「しょ~くん?ねぇ?しょーくんってば!」
泣き顔の智くんとの、その後を妄想してて・・かなりの時間が経っていたらしい。
目の前には、智くんの、訝しげな顔。
「何、元気にしてんの?」
って、智くんの指の先には・・・俺のオレ。
カーっと恥ずかしさに赤くなっただろう、俺を見て。
「んふふ・・しょーくんの方が、カワイイじゃん」
って・・ジャージに手を突っ込んできた。
あ・・そんな・・・・智くん・・いきなり?
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っていう、下らないこと、妄想した(笑)