「今、手に持っているロッドでは弾いてしまうバイトをプラマイ0に持って行くアワセ」
帳尻アワセ
について書きましたが、今回はそれについて書きたいと思います。
まずは
”何故に弾いてしまうのか?”
”弾いてしまう要因は何なのか?”
を僕なりの見解で話してみたいと思います。
喰わせ方(スピードやレンジ等)の概念は置いておいて、道具主体で考えて物理的に考えてみると
からズバリくると僕は考えております。
ルアーは巻いているもので常にアングラー側に移動しているものです。
従って魚が咥えた時点において、一時的にルアーがアングラー側へ移動しようとする力が妨げられます。

この咥えられた時にこの力を妨げられようとする事こそが重要な点です。
この時に、移動する力を妨げるモノこそがクッション率すなわち
・ロッドの曲がり
・ラインの伸度
そのものだと言う事です。
では、いわゆる腕を使ってロッドを煽るアワセとは何故に必要な動作なのか?
その結論は、この移動する力を妨げられる事がタイムラグに繋がり、ロッドのパワーポイントに到達する前にマスが口から離してしまう為、少しでもフックが口に刺さるまでのタイムラグをプラマイ0に持っていくのに必要な動作だと思います。
結論から言えば、この時に動作をする目的は
・移動する力が妨げられる事から来る、マイナス点をアワセる事により足し算をしプラマイ0に持って行くと言う事。
では、ここからが本題ですがマイナス点をアングラーが足し算し、プラマイ0にする事のみの”アワセ”が常に正しいのか?と言う事です。
例1、コップ(タックルと仮定)に半分しか入っていない水を満杯にする為に水を継ぎ足す
余分にはみ出してしまったプラス分をアングラー側が引き算し、プラマイ0に持って行くアワセ方も存在するのでは無いか?
例2、コップ(タックルと仮定)から溢れる分の水を自分が飲んでジャストにコップ並々にする事
この例1と例2のプロセスでは、全くの正反対なプロセスによって成り立ち、だがこの正反対の目指す方向はどちらもプラマイ0に持って行く事になります。
だとすると引き算をするアワセ方も存在していると言う結論にいたします。
これによって僕がやっている方法が、
帳尻アワセ
です。
つまり、バイトが強く出ている状況下でタックルセッティングの伸度がしっかりと確保されていないと、マスが咥える(ルアーの移動を妨げる力)分のクッションがなくなってしまう為に弾いてしまうという現象が出るわけですが、この時に意図的に移動しようとする力をアングラー自らが止める、あるいは魚側へ移動させる事によりマスが反転する分のクッションを確保すると言うアワセ方です。
すなわち具体的な動作から言うと
1.バイトと認識した時に巻くのを止める
2.ドラグを緩くし、マスに持って行かせる
3.ロッドを魚の方へ送り出す
4.ロッドグリップを握る手に、かなり遊びを持たせる
結果的に以上の4つはやり方は違いますが、一時的にルアーの移動力を抹消します。
これによってもう一つのアワセ”帳尻アワセ”が可能になります。また4つともクッションの確保率はそれぞれ値が違います。
一概には言えませんが、僕が分析する限りでは大きく2種類のアングラータイプが存在している様にも思います。
type1
常にロッドの曲がりを微調整し、ロッドポジションを変えて巻き合わせでジャストにプラマイ0にする事を理想とするタイプ。スーっとティップが入って行く事を好む
type2
魚のバイトよりは(活性レベルで)強めのタックルシステムを組み、感覚的にロッドを軽く握ったりハンドルが止まる様に軽巻きを好んだり、ロッドは固くともドラグは緩めにし、反射的にプラス分を引き算して弾かない様にしていくタイプ。
感度を情報とし、体の神経を使うの事でアワセていく
この2つに言える事は、100点のバイトがあると仮定した場合に
強め→100点←弱め
type2 type1
だとすると、根本にあるのは100点にしようとするプロセスは正反対ですが結論は同じで100点を目指して行くことには変わりません。
と、考えた場合に魚の活性レベルや時間軸で考えた場合にはどちらのプロセスからでも1つの点
「すなわち100点バイト」
を両方こなせる事が最も強みがある事であり、それは何よりも良質なタックルセッティングを自らが生みだせるのではないか?と考えています。
どんな竿であれ、どんな魚であれ何よりも万能なのは自らが微調整出来る能力だと思います。