私が住む札幌市手稲区に、土功川という直線的で川幅20mほどの人工河川が流れています。この水路は道路を掘削して造られたので、水路の両脇は高さ5mほどのコンクリート壁で固められています。川の片側には幅が2mほど、高さ1mほどの歩行路が設置されています。川が大雨で増水すると歩行路は水没しますが、水が引いた後には泥土が溜まり、草が生えてきます。また、川底からはアシなどの背丈の高い水草が伸びてくるので、この水路は、この川筋に暮らすカモなどの水鳥には、格好の巣作りの場所にもなっているのです。

 

 既にお伝えしたように、今年の3月27日、私はこの土功川で、仲良く泳ぐ2羽のマガンに初めて出会いました。上の写真は、川の歩行路脇の水面を泳ぐ2羽で、先頭はメス、その後ろがオスです。オスはメスよりも体が大きく、メスを守るように、メスの後にぴたりとくっ付くようにして静かに泳いでいました。

 

  青草が生え始めた河岸で、草を探して食べるメスと、周りを警戒するオスのマガン。(4月  6日)

 

 

 5月に入り、河岸の野草は青々として、マガン夫婦は食事に余念がない状態です。食欲は旺盛です。

 この状態ならば、もしや、巣作りを始めるのではないか。期待が高まりました。しかし、なんとした事でしょうか。この日を最後に、マガンの姿は、この川筋から消えました。

 覚悟していたとはいえ、突然のお別れに意気消沈。今頃は、どこを飛んでいるのやら。

 来年、再び無事で戻って来てくれるよう、深く祈念しているところです。