ある日の夜、珍しく夫が早くに帰ってきました。
ところがただいまも言わずにそのまま寝室に引きこもり、いきなり号泣しだしたのです。
私は驚いて、何があったのか尋ねました。
その前年に夫の母(私にとっての姑)が倒れて入院していたこともあり、お義母さんに何かあったのか?
仕事で何か嫌なことがあったのか?
友達と喧嘩でもしたのか?
いろいろなことを尋ねましたが、理由は一切話してくれませんでした。
その時、思ったのです。
あぁ、何か私に関係があることなんだ。
私にとって、何か悪いことが起きるんだ。
予感は当たっていました。
号泣の夜から数日後、夫は唐突に離婚届を持ってきたのです。
「じつは、離婚してほしいんだ。」
私にとっては青天の霹靂で、何かの冗談かと思いました。
でも、夫の手には実際に離婚届がありました。
なぜなのか、私は何度も夫に尋ねました。
「とにかく一人になりたくなった。とにかく離婚してほしい。」
私には到底納得できる理由ではありませんでした。
これって、不倫して本気になって離婚する男性の定型文らしいですね。
しかし当時の私はそんなことは全く知らなかったため、ただひたすらになぜどうしてを繰り返していました。
後から分かった話ですが、夫が号泣して帰ってきた日、それは夫が不倫相手のAちゃんに振られた日だったそうです。
Aちゃんは、夫以外にも常に1人2人彼氏がいたそうで、その日は夫よりもほかの人のほうが好きだと言われた日だったそうです。
Aちゃんに本気になっていた夫は、それはそれはたいそうなショックを受けたそうで、号泣してしまったらしいです。
それでも、「一番じゃなくてもいいから君と一緒にいたい」と夫が言ったため、その後もAちゃんとの関係は続いていたのですが、「離婚をして本気を見せれば、彼女は俺のほうを向いてくれる」と思って、私に離婚届を持ってくる運びとなったのでした。
今となっては事実がわかっているため、夫の行動に何の疑問点もなく納得がいくのですが、当時の私は不倫の事実を知らなかったため、ただただ「理由がわからない、納得できる理由がなければはいそうですかと離婚なんてできない、私に何か落ち度があるなら直すように努力するから言ってほしい」を繰り返していました。
彼女に本気を見せるために早く離婚したかった夫は、私の態度にしびれを切らし、不倫の事実を自白したのでした。