今回はナショナルの家電品の番外編。

かなりの珍品を偶然ながら入手できたので。

 

それがこれ、ナショナル製の懐中電灯。昭和35年(1960年)頃の商品。

珍しいピストル型となりますが、この懐中電灯、ある筋ではとても有名な逸品なのです。

 

それがこれ。東映制作の実写作品「ナショナルキッド」劇中にて

主人公ナショナルキッドが使用する銃「エロルヤ光線銃」なのです。

単独スポンサーだったナショナル(松下電器)がこの銃を懐中電灯として商品化

(もしくはありものの懐中電灯を流用?)した物で商品名は「キッド・ライト」。

ヒーロー物に登場するなりきりアイテムの商品化として初期の物(第一号との説もあり)

なんですが、現存する個体が少ないのか情報が殆どない、という幻の品。

 

かく言う自分も確か20年くらい前に朝日ソノラマ時代の「宇宙船」誌上で

紹介されていたのを読んだ程度で、その時はこんなのあるんだ〜くらいの認識だったのが

段々と気になり始めて、ヤフオクを覗く時についでに検索する程度だったんですが

あまりにも出てこないものですから、多分一生縁のない物だと半ば諦めていたんです。

いたんですがつい先日メルカリの方で…一瞬息を呑みました。

 

んで、無事取引成立、入手とあいなったんですが、ここにきて疑問がひとつ。

「これ、ホントにキッド・ライトなのか?」

いや、物は確かにナショナル製の懐中電灯そのものには間違いないんですが、

以前紹介された物とは成形色が違うし、何よりトリガーの造形も違う。

当時の状況が分からないので何とも言えないんですが、可能性として

・ナショナルキッド放送前に存在してた元ネタ的商品

・ナショナルキッド終了後にマイナーチェンジして販売継続された

と、いうのもあるのでは?と思い当時のナショナルのカタログ等がないか調べてみました。

結果ほぼ空振りだったんですが、辛うじて

 

当時漫画連載してた「ぼくら」誌昭和35年11月号の表紙に今回入手の個体に

よく似たブツが載っている、という事で(但し人工着色でなければ、ですが)

一応これも当時キッド・ライトとして売られていたものであろう、と結論。

その後ツイッターにて情報を募集したところ、元模型誌ライターの某氏から

「この形状でクリームイエローの個体を父が所有していた」との証言を頂きました。

と、いう事はこの二種の造形で色の組み合わせでバリエーションがある可能性が。

うーん、謎に包まれていたキッド・ライトの実像に迫った様なそうでない様な。

一応参考程度に今回入手した個体の簡単なデータ。

全長16センチ、全高10.5センチで単二電池二本使用。

電池の交換は本体を分解して行います。

中には予備の電球も残っていたのですが、流石に63年前の物と言う事で

残念ながら点灯はならず。

電池をセットしてみたところ。

簡単な構造なので復刻版なんかでてくれると嬉しいですが、流石にニッチすぎるかな〜。

 

と、いう訳でエロルヤ光線銃ことキッド・ライトでした。

新たな個体の出現に期待しつつ今回はおしまい、アヴィカ!!