【日記】突然、殿下はやってくる
近くのコンビニへ牛乳を買いに行こうとした私。いつものように、マンションを下りて、自転車にのり坂道を下ってゆく。今日も暑い。夏の最後の輝きなのだろうか、躰中で感じられる。「よう!」いきなり私は肩を叩かれた。誰かと思いきや、、、、、殿下。「は!」私は叫びながらも、自転車で、逃げる逃げるそして逃げる『なぜ殿下がここにいる!!』この糞暑い中、まさか張っていたというのか。嘘だろ?とにかく私は夢中で逃げた。「待て待て待て~い!!」殿下が叫びながら追っかけてくる。私は、再び坂道を登り始める。私のチャリは、バッテリーがついている電動自転車。急な坂など、ものともしない。後ろを振り返ると、殿下が、体力がないせいかひーひー言いながら坂を登ってくるじゃないですか。けれども、体力が尽きたのか、チャリから降り、そしてヘトヘトになって坂をゆっくりと登ってくる。「へへ、ラッキー!」私は登り切った坂から他の道へそれ、再び買い物へ向かう。数分後、なんと殿下が私の後ろに再び追いかけてくるじゃないですか!「な、何なんだこの男は!!」そして、とうとう私はコンビニで彼に掴まってしまう。でも、掴まる前に私はコンビニへ入り、牛乳を買う。彼は、外にいるみたいだ。牛乳を買い、コンビニの外へ出ると、殿下が疲れながらもニコニコしながら、私の自転車に乗っているじゃないですか。「ちょっと、そこどきなさいよ!帰るのよ!」「とにかく、そう怒るなって。俺が悪かった。悪かったから、俺のところ戻ってきてくれよはるひ」「やだ、ぜ~ったいやだ!」「どうして?悪かったって言ってるじゃん。俺の器が小さかったよはるひ。スマン!」「やだ!」結局、それから30分以上、殿下と話をする羽目に。ここぞとばかりに、言ってやりましたよ、頭にきたことを!!意外にも素直に耳を傾ける殿下。こんな素直であれば、きっと裏になにかあるに違いない。「俺は、はるひが必要であると実感したんだよ。頼む、戻ってきてくれ!」「・・・・・」売り言葉に買い言葉とならず、この日は終始ゴメンナサイをしている殿下が、珍しく感じられた。