by Vladislav Luchianov
special to icenetwork

サラ・ウルタドとアドリア・ディアスが氷の上で得る感覚は、彼らにとっては結果よりもはるかに大切なことなのだ -Getty Images
来シーズンのGPFはスペインの美しい都市、バルセロナで開催される。しかし、恐らくこの都市の住人は“スパニッシュ”という言葉に立腹するのではないだろうか。なぜならバルセロナはカタルーニャの中心地であるから。
GPイベントの様な大規模なフィギュアスケートイベントの開催地にこの地が選ばれたことは、決して軽々しく決められたことではない。近年、スペインはハビエル・フェルナンデスの成功によって、フィギュアスケート界にその名を知らしめていたからだ。アイスダンスのフィールドもまた、スペイン初のオリンピックアイスダンサーとなったリスクを恐れぬ2人組、サラ・ウルタド&アドリア・ディアスの活躍によって進化し続けている。
2013-14シーズンはウルタド&ディアスにとって最も成功したシーズンとなった。ニース杯で銀メダルを獲得したのを皮切りに、ザグレブのゴールデンスピンでは第5位、ネーベルホルン杯では第8位、ヨーロッパ選手権では第10位、そして初出場だったオリンピックでは第13位となったのだ。
icenetworkはこのスペインアイスダンス界のパイオニアに話を聞くことが出来、初めてのオリンピックの感想や独創性の重要性、そしてカナダ人のコーチ達とのトレーニングについてなど語ってもらった。
Icenetwork: サラ、アドリア、あなたたちはスペイン人アイスダンサーとして初めてオリンピックに出場しましたね。そのオリンピックについての印象や感想など、お聞かせ願いますか?
Hurtado and Diaz: オリンピックに出場する事が出来るということは、全てのアスリートにとって最高のことだと思います。スペインのアイスダンサーとして初めて出場する、ということは後で知りました。それが意味することについては考えず、私たちはただオリンピックに出場するためにしなければいけない練習にだけ集中していたんです。それは名誉なことですし、新たな歴史を刻むことができたことを光栄に思っています。これをきっかけに、みんながリスクを冒すことを恐れず、安心して情熱を注いでいくようになればと願います。他の人はクレイジーなアイディアだと思うかもしれませんが。
Icenetwork: ソチでは第13位でした。この結果はオリンピック初出場では素晴らしい結果だと思うのですが。そして2014ヨーロッパ選手権ではトップ10に手が届きました。このような結果はあなたたち個人にとって、そしてスペインにとってどれくらい重要なことだったでしょう?
Hurtado and Diaz: 個人的には、数字は意識していません。氷の上で感じる気持ちを大切にしているからです。オリンピックでもヨーロッパ選手権でも、とても良い感触で滑ることが出来ました。自分たちが最高の滑りが出来たという、一つ一つを楽しめたというあの感覚を感じるのが好きなんです。そういうのは数字には表れない部分のものなので。
スペインにとっても良かったと思います。来シーズンはユーロに2組出場できるのです。そうすることによって、スペインにもアイスダンサーがいて、しかも強くなってきてると解ってもらえることに繋がるので。私たちのオリンピックでの成績は、これまでスペイン人がオリンピックに初出場した時の成績の中では一番良い順位でした。そういった意味でもとても嬉しいですし、誇りにも思います。異常な興奮やフレッシャーなどがかかるオリンピックで最高の滑りをすることは、とても難しいことです。でも私たちにはそれが出来た。それこそが最高のご褒美です。
Icenetwork: あなた達の成功について、スペインのメディアやスポーツ界の反応はどうですか?サッカーに注いでいる注目を逸らせました?
Hurtado and Diaz: そうでもないかな・・・それはとても大変なことだから。スペインではサッカーは宗教みたいなもです。でも少しずつだけど、他のスポーツにも注目が集まるようにはなってきています。注目を集めるには、本当に良くならなきゃ。ハビ(ハビエル・フェルナンデス)はその点、とても良くやっています。そしてハビのお陰でフィギュアスケートが以前よりも認知されるようになってきました。願わくば、私たちも近い将来彼の様な成績を納めて、サッカーからメディアの注目を逸らすためにハビと一緒に戦いたいと思います。
Icenetwork: あなた達の活躍が、スペインの若者たちをサッカーやテニスの代わりにアイスダンスを選ぶ後押しになったと思いますか?
Hurtado and Diaz: そうであることを願っています。私たちが滑ることの理由の一つは、見ている人たちにも、私たちが氷の上で感じている気持ちよさを感じて欲しいということです。アイスダンスはスポーツという枠におさまらないと信じていますし、サッカーやテニスにはない芸術性を感じて欲しいですね。
子供は氷の上で滑るスピードや滑る時の感触が大好きです。大人は何か凝ったことをしたり、ブレードを使ってターンしたり・・・フィギュアスケートは滑る人それぞれに何かを与えてくれるんです。年齢など関係なく。フィギュアはまだまだこれからのスポーツで、スペインでフィギュアが重要視されるにはまだ長い時間がかかるでしょう。その主だった問題の一つにリンクの数があります。十分なリンクがあるとは言えないので、沢山の人がフィギュアに触れるというわけにはまだまだいかないのです。
Icenetwork: あなたたちのパフォーマンスにはユニークなハーモニーと“スペインの情熱”が溢れています。現在のアイスダンスのルールでは難しい技術が要求されますが、この先もこのような独創性を保ち続けていくのでしょうか?
Hurtado and Diaz: ええ、勿論です。私たちは常にルールを再発明する道を模索しています。独創的でありたいし、リスクを取ることを選び、他のチームが過去にやって来たように何か新しいことをやりたいと思います(例えばイザベル・デュシュネー&ポール・デュシュネーの様に)。挑戦はいつもエキサイティングなものです。そのチャレンジ精神と私たちのスパニッシュパッションが合わさった時こそ、私たちなのです。そういうのを氷の上で見せたい。それこそが私たちの本質であり、私たちの個性であると思っています。
やらなきゃいけない練習はとても大変ですが、私たちは自分たちの滑りを偽って見せる余裕などありません。いつも自然でクリアでいたいのです。私たちを見る人たちはいつもそれに気づくでしょう。
Icenetwork: チームメイトのハビエル・フェルナンデスと同じく、あなたたちもただスコアの為だけにプログラムを簡単なものにすることは決して無いようですね。
Hurtado and Diaz: 私たちにとって、シンプルというのは退屈なものです。見る人に何かを感じ取って欲しい。そう思っています。3年前と同じリフトや振付を見せられても興奮はしないでしょう?まず、自分たち自身がシーズン途中で飽きないようなものをやりたい。そして次に、氷の上に私たちのイメージを残したい。私たちは好奇心が溢れる創造的な人間なのです。ステップやターン、リフト、スピン、あらゆる動きや音楽・・・それらを楽しんで喜びを見出します。それこそフィギュアスケートの楽しみの一つではないでしょうか。
Icenetwork: あなた達は選曲に関して、とても真剣に取り組んでいるそうですね。曲についての考えをお聞かせ願えますか?
Hurtado and Diaz: ええ、音楽は私たちにとってとても重要です。物語や感情、振付を齎すプログラムの柱とも言えます。なので曲が大好きでなければなりませんし、それに乗せて滑る時は内側から何かを感じるようなものでなければなりません。私たちにとって、それが意味のあるものでなければならないのです。あまり気に入らない曲で毎日毎日練習を繰り返すことは大変なことです。やる気が起きませんし、結果的にプログラム自体も好きになることが出来なくなります。でももし曲そのものが好きだったら、苦労せずにピッタリとはまりますし、練習だって随分楽になるはずです。
Icenetwork: カナダの有名コーチ、マリー=フランス・デュブレイユとパトリス・ローゾンの下での練習はいかがですか?
Hurtado and Diaz: 私たちが現在あるのは彼女たちのお陰です。どん底から救い出してくれて、更に強く成長させてくれました---彼女たちには借りがあるんです。今、彼女たちは私たちがどの様に働くか、どう働かせるかを解っています。チームとして私たちを理解してくれているんです。
私たちの力だけで、今の成功を手にしたわけではありません。マリーやパトリス以外にも、他のコーチやスペインのスケート連盟、スペイン政府、マドリッドオリンンピックファンデーションやOHLといった財政的に支援して下さっている人たち、そして勿論私たちの家族、そういった沢山の人たちが私たちの為に尽力してくれているお陰なのです。そのお陰で、氷上の私たちがあるのです。
Icenetwork: 次のオリンピックまでの4年間、アイスダンスはどのようになっていくと思いますか?
Hurtado and Diaz: 毎シーズン、アイスダンスは強くなっていっています。振付やちょっとした動きもとても面白くなっていて、見るのが本当に楽しくなっていると思います。この先どうなっていくのか、ちょっと解らないですが---4年というのは大きく変化するには十分ですから---でも、アイスダンスの一員としてやっていけることに、とても興奮しています。