先般開催されました2月例会は、今年4月から施行される「障害者差別解消法」について、1月16日(土)のJFMAユニバーサルデザイン研究部会で開催された半日のダイバーシティセミナーのダイジェスト版として、WFMメンバーでもある日本郵政の似内様とご同僚の森山様にご講演頂きました。

「障害者差別解消法」は、ダイバーシティの観点から、オフィスづくり、オフィス運営において、大変に重要なテーマでありながら、いざ取り組むとなるとなかなか難しいテーマです。当日は、似内様から「障害者差別解消法」の法整備の背景に関して、森山様からはオフィスづくりに落とし込む際にどのような点を考慮すべきか、具体的な例を交えポイントをわかりやすくご説明いただきました。
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【人材の多様性が求められる背景】
日本の社会はこれから50年、100年にわたり人口減少・超高齢化が進むことは誰もが知るところです。2010年の1億2800万人をピークに、2050年には1億人を割ると予測されています。現在は、4人に一人が65歳以上、8人に一人が75歳以上、働き手の主力を15歳から64歳とするならば、この人口は6割程度しかなく、今後さらに減る傾向にあります。これは高度成長期を迎える前、戦後の日本と同じような状況です。ただ戦後は若年層人口が多く、その後人口も増加していきましたが、これからの日本はさらに高齢化と人口減少が進んでいきます。年齢・性別・健康状態に関わらず、長く社会参加を求められる時代になるのです。



社会構造が大きく変化しつつあるなか、企業が競争力を維持していくには、人材の多様性=ダイバーシティの考え方が重要であると言われています。はたして受け入れ側となる企業は、そしてオフィスは、近い将来にやってくるダイバーシティ社会を享受する準備はできているのでしょうか?


【障害とユニバーサルデザイン】
似内氏と森山氏が所属する日本郵政では、「心身障害者対策基本法」が施行された昭和45年から自動ドアの設置やスロープの設置など、車いす利用者などに配慮した施設の改良が進められ、局舎の設計には、早い段階から公共建築としてユニバーサルデザイン(特別なデザインでは無く、全ての人が利用できる目標に向って、可能な限り多くの人が利用(参加)出来る製品、環境のデザインの実現を目指す考え方=UD)の考えが取りいれられて来たそうです。そして森山氏も一級建築士として、UDに配慮した施設設計に取り組んで来ました。

森山氏 プレゼンテーション資料より


平成11年、森山氏は脳内出血で倒れ左半身付随となったことで、設計者の立場からだけでなく、利用者の立場でUDを考える機会を得ます。そしてすぐにUDに基づく施設整備(ハードによる対応)の限界を感じます。
障害は千差万別であり、例えば点字鋲は盲目の人にとっては道標となりますが、車いすや足の悪い人にとっては、そのわずかな段差が障害となってしまうという事実を、身をもって体験することとなったのです。

森山氏 プレゼンテーション資料より


そうした数々の経験から、森山氏は社会的障壁の排除には、手助け(ソフト)の充実こそが重要であると強調します。そしてまた、その社会的障壁の解消は、障害者個人が残された能力に感謝して一つでも多く乗り越えると共に、社会の側に合理的配慮(社会的障害の除去)を提供する体制が必要であると提言しています。

森山氏 プレゼンテーション資料より


今年4月1日に施行される「障害者差別解消法」。民間事業者においては努力義務ではありますが、日本社会の将来を考えた場合、今から取り組み始める事が重要でしょう。建築基準法などの法令に従うことでハード面の問題はある程度改善できます。しかし、合理的配慮にどう対応していくかという事は、多様性を受け止めて共創していくために、どれだけ相手の立場になり、どのような手助けが必要となるかを各々が考え行動する必要があります。この大きな課題にどう取り組むのか、企業の本質が問われるところではないでしょうか。

※文中のスライドは当日の講演で似内様・森山様が使用されたものを掲載させて頂きました。クリックすると拡大して見られます。

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当日、森山さんのプレゼンテーションを聴き、その取組の姿勢に感動したWFMメンバーも多くいらっしゃいました。後日、森山さんからWFM宛てにエッセーが届きました。自身の心境を綴ったエッセー「限りある人生をより快適に」を最後にご紹介させて頂きます。(WFM)

森山氏 エッセイ 第一回森山氏 エッセイ 第二回


【2月例会開催概要】
◆Date:2月9日(火)19:00~20:30
◆Venue:コンパスオフィス目黒センター2F セミナールーム
◆Topic:本年4月施行の「障害者差別解消法」について
 ・ユーザーと建築士の視点で考えるユニバーサルデザインと障害者差別解消法
 ・障害者差別解消法の論点
◆Presentator & Speaker:
JFMA ユニバーサルデザイン(UD)研究部会の皆さま
 ・似内志朗氏 (UD研究部会長、日本郵政)
 ・森山政与志氏(日本郵政)
◆Networking Dinner: 20:30-21:30
WFMメンバーの皆さま

3月に入り、本当に春らしくなってきました。
心華やぎながらも、花粉症にとってはハックション&ムズムズの毎日です。
さて、先にご案内の通り、17日(木)に、WFM3月例会を開催します。
待望の「文房具」の話です。ITツールの進化、働き方のモバイル化により、文房具の役割が大きく変わってきています。今後どうなっていくのかも含めて、お話をいただき、皆で考えましょう!

◆Date:3月17日(木) 18:30~(いつもより30分早いのでご注意を)
◆Venue:コクヨ品川本社 5F エコライブオフィス   
東京都港区港南1-8-35 JR品川駅港南口徒歩5分
(駅港南側ペデストリアンデッキから斜め左前方に見えるコクヨさんのビルです。)
◆Topic:『モバイルワーク時代の文房具』
◆Speaker:ワークスタイル研究の専門家:コクヨ ワークサイトラボ 齋藤敦子 氏
文具の専門家:コクヨ・ステーショナリー事業本部 白石良男 氏:
◆Networking:セミナー後同じ会場でケータリングby おいしいDean & Delucaで行いますので、できれば皆さまご参加ください。
◆Fee:
セミナー参加費 500円(セミナー開催にかかる経費&講師の方へのお礼等に充当)
ネットワーキング 3000円程度(予定)
参加ご希望の方は、ネットワーキングに参加・不参加、お名前、所属をご記入の上、
3月12日(土)までに、古阪 sachi.furusaka@gmail.com 宛てお申し込みください。


古阪幸代 
WFM主宰
2月24日(水)~26日(金)の3日間、”JFMA FORUM 2016”が、船堀のタワーホール船堀で開催されます。最終日26日(金)10:30~12:20、グローバルサミットで、WFM主宰の古阪さんがパネルディスカッションのコーディネータをつとめます。以下、古阪さんからのご案内です。
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海外から、米国IFMA会長のMichael Feldman氏、韓国KFMAからProf. Kim Yong-su氏、マカオMFMAからProf. Dr. Oscar Chan氏をお招きして、GlobalなFMの動きやISOとの関連、韓国のロッテなどの企業でのFM事情、マカオおよび中国本土ののFM事情などお話しいただきます。

プレゼン内容の要約は、私が日本語でお話ししますが、プレゼン本体は英語です。数あるフォーラムのセッションの中で、唯一グローバルな情報が得られる場です。最後の10分間は、各国のパネラーから、日本の企業にFMを浸透させるための、アドバイスとなるキーワードをあげていただき、ディスカッションしたいと思っています。昨年までの過去4回は、会場の片隅の小部屋でこのサミットをやっていたのですが、折角海外から時間もお金もかけてきていただくプレゼンテータの皆様に申し訳なく、JFMAに強くお願いして、ようやく今年から、小ホールでの開催になりました。会場のタワーホール船堀は、都営新宿線「船堀駅」駅前。都心から以外に近く、新宿3丁目から30分、神保町から20分です。

実際、この最終日の午前中は、JFMA優秀賞の発表など、魅力あるセッションが目白押しで、英語ONLYのこのセッションの集客には、中々苦戦を強いられておりますが、英語のヒアリング力の力試しもかねてぜひご参加ください。

途中でご退席、あるいは途中からのご参加でも構いません。なお、ご参加は、下記のJFMAのHPから事前登録いただければ、無料です!http://www.jfma.or.jp/どうぞよろしくお願いたします。

古阪幸代
WFM主宰