《プロフェッショナルなう》ではWFMメンバーの新たな取り組みや挑戦など、
さまざまな活動の様子をお届けします。
ご注意:本コラムはWFMメンバーの活動紹介を目的とするもので、特定の商品や企業の宣伝を意図するものではありません。
**********************************************************************
第四回 ハーマンミラージャパン 福田怜美(ふくださとみ)さん
今回は9月のWFM月例会で『【ハイパフォーマー】になるためのエルゴノミックスソリューション』と題して、早稲田大学 三家礼子先生とともにプレゼンテーションをして頂いた、ハーマンミラージャパン エルゴノミックソリューション担当の福田怜美さんに、快適なオフィス環境をつくりだすエルゴノミクス・デザインについてお話を伺いました。
ファミコンからオフィスチェアへ
[WFM] 今、インターネットの検索画面でエルゴノミクスと入力すると、たくさんの商品が検索され、多くの人が関心を寄せていることがわかります。また、エルゴノミクスに基づくもの作りも、自動車、家具、PC製品など、さまざまな分野で取り組まれていますね。福田さんが初めて出会ったエルゴノミクス・デザインはどんなものでしたか?
[福田] おっしゃる通り様々な分野でエルゴノミクスを取り入れたものがあふれているので、そもそも初めて触れたエルゴノミクス・デザインというのは私自身でははっきりと認識できるものというのは思い浮かばないくらいです。敢えてテクノロジーとの強い接点という視点から考えると、もしかしたらファミリーコンピューターのコントローラーかもしれません。
[WFM] ファミコンですか!
[福田] 軽量で持ちやすいデザインはもとより、主に親指だけを使って誰でも簡単に、あれだけのテクノロジーの操作をさせるデザインというのは当時あまりなかったのではないでしょうか。
[WFM] なるほど。今から20年以上前に最も身近なエルゴノミクス・デザインは、オフィス用品ではなく、遊び道具だったわけですね。
[福田] 「エルゴノミクス」の有用性を初めてはっきりと認識したのはハーマンミラーの製品に触れてからだと考えています。現代、どんなものにも適用されているエルゴノミクスですが、実際に一つの製品としての効果を追求すると、膨大なリサーチ量と、開発費がかかり、本当に良い物はまだまだ決して安くはないのが現状です。そしてそれに見合った価値を知り、体感するという事は、一般の方々にとってはまだ容易ではないと考えています。
私は以前外資のITメーカーに勤めており、今思えばそこの執務チェアは決して安い物では無く、まぎれもないエルゴノミックチェアではありましたが、私は一度もそのチェアを自分で調整をしたこともございませんでしたし、あろうことか長時間作業で身体が辛くて仕方のない時は、行儀が良くない事を認識していましたが、執務中に椅子の上で正座をすることもありました。自分の作業中の疲労感の原因を作業姿勢の問題であると考えたことすらなかったように思います。
今思えば、人がエルゴノミクスと本当の意味で出会う為には、その重要性を認識する事と、エルゴノミクスに纏わる最低限の知識(椅子でいえば調整方法)が必要であると考えています。その二つを知ることで人は初めてエルゴノミクス・デザインと出会ったといえるのかもしれません。ハーマンミラーで働いている今はこの2つを知っていただくお手伝いができればと考えています。
[WFM] 米国ではPC作業等による反復性ストレス障害(RIS)に係わるコストが、ある統計では年間150億~200億ドルに及ぶと言われているように、企業はリスクのひとつとしてとらえて、その解決策としてエルゴノミクスを導入している。こうした背景がエルゴノミクス・デザインによるオフィス環境の改善を推し進める原動力になっているのではないかと思うのですが、福田さんがエルゴノミクス・デザインの商品をご紹介されるなかで、日本企業のエルゴノミクスに対する関心度はいかがでしょうか?
日本企業のオフィス環境を快適にするのは女性社員の声から
[福田] やはりエルゴノミクスに関して、熱心に取り組みをされていらっしゃるのは外資の法人の方々の方が圧倒的に多い現状ではりますが、それでも最近お問い合わせのなかで、日系企業の、特にITの分野で徐々に関心が高まっていると感じています。
社員の方の拘束時間が長くなりがちな分野だからこそ、というのは勿論あると思いますが、意外にこういった企業様では女性社員の方々の意見を反映しているケースが増えているように感じます。男女の雇用が徐々に均等になっている現代ですが、それでもやはりデスクの前に座って長時間作業をされている方々は圧倒的に女性のほうが多い。身体の負担をより減らしてあげたいという、日本人ならではのお互いを思いやる気遣い、思いやりからではないでしょうか。男性の役員の方とお話すると、自分たちよりもまずデスク作業の多い女性社員達にいい椅子を使ってもらいたい、という意見なども耳にします。今回WFMでセミナーをさせて頂きましたが、是非これを機会に女性社員の皆様の声を改めて確認してみて頂きたいと考えています。
[WFM] 最近年をとったせいか、長時間のデスクワークが非常に堪えます(笑)。若い社員でも、マッサージやリフレクソロジーに定期的に通っていると聞きます。長時間のデスクワークが体に与える負荷は実はかなり深刻な状況なのではないかと感じますね。
[福田] 別のケースでは、快適な作業環境を企業の売りにされているケースも耳にします。ノートPCやスマートフォンでいつでもどこでも働けるようになった現代で、オフィスの意味を考えた時、「快適で働きやすい空間」というのは一つのキーになってきているのかもしれません。最近では会社概要にオフィスの内部の写真を掲載するケースも増えており、良いオフィスでいい人材に長く、高いパフォーマンスで働いてもらいたいと考える際に、快適な環境をアピールすることも重要と考えられているのではないでしょうか。
重要性の認識と使いこなすための知識が必要です
[WFM] そうですね。超高齢社会を迎え労働人口の減少する日本社会のなかでは、人こそが重要な経営資源であるととらえる企業が増えてきている。高齢者も女性も働きやすいオフィス環境がますます求められるようになりますね。福田さんが目指す(考える)10年後のオフィス環境、その時エルゴノミクス・デザインはどのような発展を遂げていますでしょうか。今後のお仕事の抱負とともにお聞かせ頂けますか?
[福田] 10年後として、まず現実的に考えると、海外では当たり前のDSE(Display Screen Equipment : 企業のVDT作業ガイドライン)等のレギュレーションに近い物が日本でも一般化していると思います。
[WFM] 今は厚生労働省がガイドラインレベルでVDT作業における労働環境管理の指針を出していますね。これがさらに進んで、法的強制力を持つようなところまで引き上げられる可能性があるという事ですね。
[福田] これにより、今後日本がグローバル化していくなかで、オフィスのVDT作業の内容に応じて、ワーカーに対して企業側が何らかの対応を求められる状況が当たり前になってくるのではないでしょうか。ヨーロッパではすでに普及してきている、高さ調整デスク(個々の体型にあわせて天板の高さが調整できるもの)の要望が2年前には全くなかったのにも関わらず、昨今徐々に増えていることからもこういった波が日本にも確実に来つつあることを実感しています。
10年というのは企業の節目としてはあっという間の出来事です。今の段階で移転や家具の買い替え等を考えている方は、こういった波を見越して今の段階からオフィスでのエルゴノミクス導入に目を向けて頂くのは決して無駄ではないと考えています。
[WFM] 高さ調整デスクとなると、日本企業で一般的な島型対向レイアウトはネックになりそうですね。組織の変革、働き方の変革、そしてそれをサポートするレギュレーションの整備など、企業は高い生産性を維持するためにも10年後の働き方を真剣に考える必要があるわけですね。
[福田] もう少し突飛な事を予想すると、いつか「寝ながら作業」をする未来になるかもしれません。そう思うのは最近ディスプレイモニターの売れ筋を確認したところヘッドマウントディスプレイがランキングの大半を占めており、通常のモニター以上の人気でした。ITの分野の進化は目覚ましく、もはや机があって、座って作業をする時代は徐々に無くなっていくのかもしれません。その時にはまた新しいエルゴノミクスのニーズが存在しているのだと思います。
オフィスの完璧なエルゴノミクスを目指すと現状ではお金と労力が非常にかかります。だからといって全くのゼロではなく、ほんの少しずつでもワークプレイスにエルゴノミクスの要素を入れて頂き改善する試みこそが重要ではないかと考えています。
ハーマンミラーでは、少額の予算からオフィスにエルゴノミクスを導入頂くご提案も考えていますし、正しい座り方、作業方法などをアドバイスする「エルゴノミクスセミナー」なども、無償で各企業様をご訪問して実施しており、大変好評を頂いております。直近の家具のご購入予定などにかかわらず、もしご関心のある方がいらっしゃいましたらいつでもご相談を頂けますと幸いです。
この度は貴重な機会を頂きまして、誠にありがとうございました。
[WFM] 優れた道具も賢く使いこなすための基本的な知識がなければ生かすことはできません。「エルゴノミクスセミナー」、この機会に是非活用して、正しい知識を身に着けたいものですね。有難うございました。
【ハーマンミラー社について】
1923年、米国ミシガン州ジーランドに設立。「デザインとは問題を解決するためにある」という考えのもと、優れたデザイナーたちとパートナーシップを築き、人々に愛用され続けている数々の名作を世に送り出しています。まわりの環境をより良くすることに努め、感動をもたらすデザイン、革新的な技術や戦略的なサービスを提供します。革新的なビジネス手法と社会的責任への深い関与によって、世界的企業としての地位を確立しています。スミソニアン・クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館より全米デザイン賞を受賞したハーマンミラー社は、米国の人権擁護団体ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)財団が毎年発表する企業内での公平な扱いへの取り組み評価指数でも最高点を獲得し、「Industry Week」誌の全米トップ製造業50企業にも選ばれています。
********************************
エルゴノミックソリューションセミナー開催希望法人様募集
会議室をお借りし、時間は30~1時間程度でご要望に応じ調整可能です。
エルゴノミクスとはなにか、
長時間座り続けて働く事で発生する、肩こり、腰痛等の主な原因等をお話し、
それを改善する正しい座り方、作業環境のセッティング方法等をレクチャーします。
HMの家具の購入履歴あり、なしにかかわらず、基本的に無料でのサービスとなります。
詳細は下記へお問い合わせください。
Satomi_fukuda@hermanmiller.com
営業部 福田怜美