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有栖川有栖『女王国の城』(東京創元社2007)読了。
待ちに待った江神シリーズの新刊。私は『双頭の悪魔』を読んだのが、文庫になってしばらくしてからなので、待った時間は十年ほどですが(十分長いか)、本当に待望の新刊です。
EMCの面々に(長編で)再会できたことが何より嬉しいです。
読者への挑戦も健在ですが、ミステリとしてはちょっとこれまでと違ったアプローチのようにも思えます……が、語れるほどの「本格」ファンではないのでそのあたりは自重。
色々盛りだくさんで楽しかったです。
何となく次巻への伏線っぽいものもちらほら見えているような気がするのですが、どうなるのでしょうか。最終巻は、江神さんの物語とアリスの物語、両方語れるだけ語りきって欲しいです。できたら次巻は5年以内くらいで出してくれたらありがたいのですが…、ファンとしては色々欲張りに求めてしまいますし、時間をかけて良いものを書いてくださることを信じてゆっくり待ちたいと思います。
待ちに待った江神シリーズの新刊。私は『双頭の悪魔』を読んだのが、文庫になってしばらくしてからなので、待った時間は十年ほどですが(十分長いか)、本当に待望の新刊です。
EMCの面々に(長編で)再会できたことが何より嬉しいです。
読者への挑戦も健在ですが、ミステリとしてはちょっとこれまでと違ったアプローチのようにも思えます……が、語れるほどの「本格」ファンではないのでそのあたりは自重。
色々盛りだくさんで楽しかったです。
何となく次巻への伏線っぽいものもちらほら見えているような気がするのですが、どうなるのでしょうか。最終巻は、江神さんの物語とアリスの物語、両方語れるだけ語りきって欲しいです。できたら次巻は5年以内くらいで出してくれたらありがたいのですが…、ファンとしては色々欲張りに求めてしまいますし、時間をかけて良いものを書いてくださることを信じてゆっくり待ちたいと思います。
古橋秀之『冬の巨人』(徳間デュアル文庫2007)読了。
すごく好きなのですが、もうちょっとゆっくり長くこの異世界を味わいたかったような気が。
「千年の歩みの果て」は同時にこの物語の果てでもあるわけですが、ラストの「再生」のために千年分とは言わないまでも、もっともっと色々物語を積み重ねてくれていたらなあ、と思いました。
霧舎巧『十月は二人三脚の消去法推理』(講談社ノベルス2007)読了。
今回はラブコメ分…というかラブコメの甘い部分が少な目?。
久しぶりだったので、登場人物がメインの数人を除いて「誰だっけ、この人?」状態だったのが悔やまれます。
ミステリ部分は結構歯ごたえがあって楽しめました。
すごく好きなのですが、もうちょっとゆっくり長くこの異世界を味わいたかったような気が。
「千年の歩みの果て」は同時にこの物語の果てでもあるわけですが、ラストの「再生」のために千年分とは言わないまでも、もっともっと色々物語を積み重ねてくれていたらなあ、と思いました。
霧舎巧『十月は二人三脚の消去法推理』(講談社ノベルス2007)読了。
今回はラブコメ分…というかラブコメの甘い部分が少な目?。
久しぶりだったので、登場人物がメインの数人を除いて「誰だっけ、この人?」状態だったのが悔やまれます。
ミステリ部分は結構歯ごたえがあって楽しめました。
早見裕司『メイド刑事5』(GA文庫2007)読了。
熱く燃える(萌えるではなく)展開は相変わらずで良かったですし、昭和の香りと現代の香りが程良くマッチした部分もいつも通り楽しめました。
他方で本巻の二編目(第11話)のちょっと毛色の違う軽い感じもとても楽しかったですね。シリーズとして長く続くのならこういうのもちょこちょこ挟んでくれると嬉しく思います。
今回のイラストは個人的に今まででベストな印象。
熱く燃える(萌えるではなく)展開は相変わらずで良かったですし、昭和の香りと現代の香りが程良くマッチした部分もいつも通り楽しめました。
他方で本巻の二編目(第11話)のちょっと毛色の違う軽い感じもとても楽しかったですね。シリーズとして長く続くのならこういうのもちょこちょこ挟んでくれると嬉しく思います。
今回のイラストは個人的に今まででベストな印象。
野村美月『“文学少女”と慟哭の巡礼者』(ファミ通文庫2007)読了。
これまで綴られてきた物語のクライマックスですね。
このシリーズは「ビター&スイート学園ミステリー」と銘されていますが、どちらかといえば苦みの方が強い印象がありました。
本作で厚い雲の切れ間に青空が覗いたような印象。
今回のモチーフは宮沢賢治、とりわけ『銀河鉄道の夜』。
感想がうまく纏まらないのですが……大変良かったです。本当に。
さて、最後に残るのは、“文学少女”天野遠子自身の物語。間に番外編も入るそうですが、ゆっくり待ちたいと思います。

これまで綴られてきた物語のクライマックスですね。
このシリーズは「ビター&スイート学園ミステリー」と銘されていますが、どちらかといえば苦みの方が強い印象がありました。
本作で厚い雲の切れ間に青空が覗いたような印象。
今回のモチーフは宮沢賢治、とりわけ『銀河鉄道の夜』。
感想がうまく纏まらないのですが……大変良かったです。本当に。
さて、最後に残るのは、“文学少女”天野遠子自身の物語。間に番外編も入るそうですが、ゆっくり待ちたいと思います。
米澤穂信『インシテミル』(文藝春秋2007)読了。
久しぶりにいわゆる「新本格」を読んだような気分に。
もちろん、「新しい」作品であるのですが。
十分楽しみました。が、もっと「過剰」な何かが欲しいという気もしました。
もう一度丁寧に読み返してみたくなりました。
ミステリ好きならピンと来るものがたくさん。それらをどう使うのか、とわくわくしながら読みました。
おぉ、そうくるか、という感じで楽しかったです。
田中哲弥『さらば愛しき大久保町』(ハヤカワ文庫2007)読了。
何というか不思議な三部作ですね。
面白かったです(ぉ
過去作との微妙な絡み方が面白かったり、
相変わらずの変な語り口が面白かったり。
新三部作、とかやってくれないかなあ、と思いました。
森博嗣『キラレ×キラレ』(講談社ノベルス2007)読了。
会話がどんどん洗練されてきているなあ、と思います。
他シリーズとの関係も気になりますが、
何というか単独でも十分すっきりしたミステリィだったなあ、という感想。
講談社ノベルスの次作は『探偵伯爵と僕』なのですね。
久しぶりにいわゆる「新本格」を読んだような気分に。
もちろん、「新しい」作品であるのですが。
十分楽しみました。が、もっと「過剰」な何かが欲しいという気もしました。
もう一度丁寧に読み返してみたくなりました。
ミステリ好きならピンと来るものがたくさん。それらをどう使うのか、とわくわくしながら読みました。
おぉ、そうくるか、という感じで楽しかったです。
田中哲弥『さらば愛しき大久保町』(ハヤカワ文庫2007)読了。
何というか不思議な三部作ですね。
面白かったです(ぉ
過去作との微妙な絡み方が面白かったり、
相変わらずの変な語り口が面白かったり。
新三部作、とかやってくれないかなあ、と思いました。
森博嗣『キラレ×キラレ』(講談社ノベルス2007)読了。
会話がどんどん洗練されてきているなあ、と思います。
他シリーズとの関係も気になりますが、
何というか単独でも十分すっきりしたミステリィだったなあ、という感想。
講談社ノベルスの次作は『探偵伯爵と僕』なのですね。
劇場でも、DVDでも何回も見てしまいました。
サイン会で新海監督のサインも頂いてしまいました。
ようやくちょっとだけ感想が書けそうなので、メモ的に書いておこうかと思います。
とりあえず、絵の、というか背景/風景の美しさは本当に素晴らしかったのですが、自分にとってはやはり物語が主です。そして、その物語のために絵をどのように使っているか、というところに注目して見ていました。
あのセンチメンタリズムと映像と音楽の組み合わせは反則なくらいですよ。
以下、順を追って思いつくままに。
第一話「桜花抄」
この連作短編の中で一番長い作品ということになります。貴樹の「旅」を一緒に体験しているような気分になりました。
まだ子どもだからこその純粋さや、無力さ、不器用さといったものがひしひしと伝わってきて、何だかこう恥ずかしくなってしまうくらいですが、それはそれで。
貴樹のちょっと硬い言葉遣いが本好きな子どもらしい感じで良かったです。
余談ですが(このブログは全体的に余談っぽいですが)。
先日、ちょうど電車で出かけようとして、台風のため電車が止まってしまっていたことがありました。人と待ち合わせをしていたため、非常に焦りました。携帯メールで状況を伝えられたとはいえ。
結局、私は自家用車を使って電車の動いている駅まで行き、遅れを最小限にとどめることができました。大人になればある程度は自分の力で何とかできるということですね。
電車が止まって待ち合わせの駅に着けない、というのはこの作品みたいだと後になって思いましたが、台風が原因だと何となく風情に欠けるような気がするのは何故でしょうか。私だけ?
音楽ではサントラ2曲目「想い出は遠くの日々」が本当に良くて、この曲が流れる場面では鳥肌がたちました。
さて、この第一話。明里の手紙から貴樹の語りへという流れになっております。そのため、描かれる明里の姿はほとんど貴樹の視点を通したものであり、貴樹の知り得ない明里の姿が描かれるのは、貴樹を見送ったあとのシーンだけということになります。心情を描く対象を主人公の側に限定するという点では、前作「雲のむこう~」よりも徹底しているなあ、という印象を受けました。
あくまでこれは貴樹の物語ですね。
(まだ続きます)
サイン会で新海監督のサインも頂いてしまいました。
ようやくちょっとだけ感想が書けそうなので、メモ的に書いておこうかと思います。
とりあえず、絵の、というか背景/風景の美しさは本当に素晴らしかったのですが、自分にとってはやはり物語が主です。そして、その物語のために絵をどのように使っているか、というところに注目して見ていました。
あのセンチメンタリズムと映像と音楽の組み合わせは反則なくらいですよ。
以下、順を追って思いつくままに。
第一話「桜花抄」
この連作短編の中で一番長い作品ということになります。貴樹の「旅」を一緒に体験しているような気分になりました。
まだ子どもだからこその純粋さや、無力さ、不器用さといったものがひしひしと伝わってきて、何だかこう恥ずかしくなってしまうくらいですが、それはそれで。
貴樹のちょっと硬い言葉遣いが本好きな子どもらしい感じで良かったです。
余談ですが(このブログは全体的に余談っぽいですが)。
先日、ちょうど電車で出かけようとして、台風のため電車が止まってしまっていたことがありました。人と待ち合わせをしていたため、非常に焦りました。携帯メールで状況を伝えられたとはいえ。
結局、私は自家用車を使って電車の動いている駅まで行き、遅れを最小限にとどめることができました。大人になればある程度は自分の力で何とかできるということですね。
電車が止まって待ち合わせの駅に着けない、というのはこの作品みたいだと後になって思いましたが、台風が原因だと何となく風情に欠けるような気がするのは何故でしょうか。私だけ?
音楽ではサントラ2曲目「想い出は遠くの日々」が本当に良くて、この曲が流れる場面では鳥肌がたちました。
さて、この第一話。明里の手紙から貴樹の語りへという流れになっております。そのため、描かれる明里の姿はほとんど貴樹の視点を通したものであり、貴樹の知り得ない明里の姿が描かれるのは、貴樹を見送ったあとのシーンだけということになります。心情を描く対象を主人公の側に限定するという点では、前作「雲のむこう~」よりも徹底しているなあ、という印象を受けました。
あくまでこれは貴樹の物語ですね。
(まだ続きます)
竜騎士07『ひぐらしのなく頃に 第一話~鬼隠し編~(上)』(講談社BOX2007)を読み、下巻に突入。ひぐらしはついでにアニメも見始めたりして、色々な角度から鬼隠し編ばかり楽しんでいる感じです。
米澤穂信『インシテミル』(文藝春秋2007)を購入。これは楽しみ。
積まれている本が溜まってきたので、週末に時間を作って色々読みたいところ。
有栖川有栖の新刊ももうすぐですし、時間がいくらあっても足りない感じ。
米澤穂信『インシテミル』(文藝春秋2007)を購入。これは楽しみ。
積まれている本が溜まってきたので、週末に時間を作って色々読みたいところ。
有栖川有栖の新刊ももうすぐですし、時間がいくらあっても足りない感じ。
他の本を読んでいる最中なのに、野村美月『“文学少女”と慟哭の巡礼者』(ファミ通文庫2007)も読み始める。
こう言ってはなんですが、この「文学少女」シリーズ、『うさ恋。』(ファミ通文庫2004~)とは、同じ作者が書いたとは思えないくらい雰囲気に差がありますね。
こう言ってはなんですが、この「文学少女」シリーズ、『うさ恋。』(ファミ通文庫2004~)とは、同じ作者が書いたとは思えないくらい雰囲気に差がありますね。







