大ちゃんの話 | フィリオとショコラのちいさなおうち

大ちゃんの話

 

フィリオはこの頃、頑固爺さんになりました。

先日の入退院をきっかけに、初期の認知症が進んだのではないかと思われます。

若い頃は老人ホームで癒し犬もして、何をされても怒ったことのない、

優しく聞き分けの良い子でしたのに、毎日の皮下点滴に怒って騒ぐのです。

君、性格、変わった?

起きている時は、チッコをポタポタ漏らしながら、ウロウロ歩き回っていますが、

頑固、いいとも!認知症、いいとも!

彼はもう17歳5か月で人間なら90歳を超えているのですから、

大いばりで頑固爺さんで良いはずです。

 

今朝の子供達です。

    

 

     

 

 

 

毎年この時期になりますと思い出すエピソードがあります。

7年程前とうさんとかあさんは、フィリオの妹か弟を迎えたいと思い、お見合いを重ねていました。

老夫婦に見合った老犬なら、どんな子でも犬種も状態も条件なく受け入れるつもりでしたが、

条件が悪かったのは高齢で先住犬がいる私達の方だったらしく、先方から断られてばかりでした。

2020.1.26に書いた一文はこうです。

 

『 もう5年位前になりますが、近くの愛護団体さんがウエスティの里親募集をされているのを見つけて、

申し込んだことがあります。

その子は肝臓癌がわかって飼い主に捨てられ、

その愛護団体さんが引き出して手術をしてくれたのでした。

まだウエスティという犬種が珍しい頃で、いくつかの応募があった中でかあさん達は好運にも、

最終面接の2家族の一つに残りました。

始めてその子に会った時、かあさんは息を飲むほど驚きました。

生年月と出身地が同じで、大き目の体型がそっくりで、顔立ちも、なにより雰囲気が瓜二つでした。

その子とフィリオはとても気が合って、同じお皿から一緒にお水を飲み、仲良く並んで座りました。

 

フィリオは兄・姉・彼の三頭兄弟です。

ママは雪ちゃんという名の小柄で優しい雌犬で、

パパは骨格の大きな雄犬で元気に駆け回っていました。

ご自分のアパートで犬と一緒に住みながら、

一家族だけを繁殖させている良心的なブリーダーさんでしたが、

フィリオだけがシッポの長さが半分しかない商品価値のない子だった為、売れ残っていました。

そしてフィリオはうちの子になりました。

フィリオの穏やかな優しい性格はママ似で、10キロある大き目の体格はパパゆずりだと思います。

 

愛護団体さんは、若くて先住犬のいないご夫婦を、その子の里親に選ばれました。

勿論、それで良かったのです。

かあさん達は高齢の夫婦で、先住犬もいるのですから、

その方たちの方が条件が良いのは決まっています。

それでも母さんは今でも、その子が実はフィリオの同胎の兄さん犬で、

10年を経て奇跡の様に巡り合い、仲良く慈しみあって老後を過ごしている姿を、夢に見ます。

 

その後かあさん達は、アークさんでのお見合いでも相手の子にふられ、

やがてゆずを迎えてゆずを送り、今はショコラと暮らしています。

ごめんなさい、つい、長話を致しました。』

 

あの子は今どうしているだろうと、かあさんはよく思い出します。

癌を克服して、元気に幸せに暮らしているだろうかと。

今、フィリオはあの子と同じ肝臓癌になりました。

あの子のようにまだ10歳だったら、きっと手術を選択していたでしょうが、

私達家族は長く辛い熟慮の結果、手術も抗癌剤もしないことに決めました。

肝臓癌告知から1年、肺転移して余命1ヶ月の宣告から5か月が過ぎましたが、

入退院などもありながらも、彼は穏やかに生き続けています。

 

上の一文に出てくるゆずは、繁殖場レスキュー犬でしたが、助け出された時は末期癌で、

たった3ヶ月だけうちの娘でいてくれてから、天に召されました。

この子のお話は、また別の機会に、どうぞ聞いてください。

 

 

ヤフーニュースよりご紹介します。字は転載です。

 

ヤフーニュース

「虐待を受けていた柴犬ダイちゃんが救出され、

人間の愛を知り心おだやかになった実話」

https://news.yahoo.co.jp/byline/ishiimasumi/20200124-00159970/?fbclid=IwAR0VK9luHEFLuD90EQ4nCuCIPk0QeKGp6hI0cKmo2LS1BwVVf4fJLuxiwXk

石井万寿美 | まねき猫ホスピタル院長 獣医師 

 

手記は次の項目にそって記されています。

ダイちゃんの保護されたときの様子

ダイちゃんの治療

なぜ、ダイちゃんは過去に虐待受けたかわかるの

虐待を受けた子のケア

ダイちゃんの晩年

まとめ

 

虐待され、噛んで攻撃的で4本の犬歯を全て半分まで削られていたダイちゃんが、

再び人を信頼し穏やかになって、やがて亡くなるまでの実話です。

とても胸を打ち、説得力があります。ぜひリンクよりご覧ください。

「ダイちゃんの晩年」の項を転載させて頂きます。

 

田中さんの元でダイちゃんは、小さい頃から飼ってもらっていたように、

仲良く診察にやってくるようになりました。

目が優しくなり、診察中でも「噛む」という気配を見せることもなくなりました。

数年して、ダイちゃんは、腺がんを患いましたが、手術もして、そして、術後のがん治療もして

手厚い治療をされました。保護犬だから、お金をかけないということはなかったです。

最後は、脳の疾患で、寝たきりになりましたが、最期まで、看病をされて、

ダイちゃんは、人間の温かみを知って、天に召されました。

田中さんは、「最期ぐらい、安らかに温かいところで逝って欲しかったのでね」と

静かに話されていました。

 

石井万寿美 まねき猫ホスピタル院長  獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は栄養療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医師さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らす。

 

 

 

 

今日もお出で下さいまして、ありがとうございました。

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