境界線などないもの | フィリオとショコラのちいさなおうち

境界線などないもの

 

かあさんの独り言(以前、必要があって書き溜めていたものから)

 

「ある犬の一生」

ボクの名前は、タロといいます。

ノラのかあさんと兄弟達とはぐれて、お腹がすいて喉が渇いて、寒くて哀しくて怖くて、

ひとりぼっちで震えていたんだよ。

ある日知らないおばさんが、膝をつき両手を大きく広げて、さあおいで、って呼んだの。

とても優しくて、静かな温かな声だったよ。

だからボクは見つめられても、ちっとも怖くなんかなかったさ。

そしてね・・・

その日からボクに、暖かな居場所と家族ができたんだ。

 

 ボクのおうちには、パパとママと幼稚園のお姉ちゃんがいたの。

お姉ちゃんはいたずらで、ボクのシッポを引っ張ったり、

ぎゅーっと苦しいほど抱きしめたり、いつも一緒に遊んだんだよ。

ママに隠れて、ロールパンを一口かじらせてくれたっけ。

ボク達はすぐに、一番の親友になったんだ。

 

ボクの耳が立って、大人の歯に生え変わり、

ボクはころころの仔犬から、スマートな青年犬になったよ。

お姉ちゃんは小学生になって忙しくなったけれど、

帰ってきたらやっぱりボク達は、いつも一緒だった。

毎日お姉ちゃんと、夕間暮れの空の下を、お散歩に行ったっけ。

後になったり先になったり、立ち止まったり走ったり、大声で笑いながらね。

 

ある日、中学校から帰ってきたお姉ちゃんは、

悲しそうな顔で自分の部屋に入ってしまったの。

ボクに「ただいま」も言わないでね。

被った布団から、お姉ちゃんのすすり泣く声が聞こえたよ。

ボクはなんにもしてあげられない。

ただ、いつまでも傍に寄り添って、黙って舐め続けていただけだった。

やがてお姉ちゃんは起き上がって、ボクを抱き上げたのさ。

瞳に涙がうるんでいたけど、でも、いつものお姉ちゃんの笑顔だったよ。

 

 ボクはもう、すっかり老犬さ。

陽だまりの縁側で、終日ウトウトしているのは、とっても気持ちが良いんだ。

お姉ちゃんを想いながらね。

そうそう、お姉ちゃんは、この春、花嫁さんになったんだよ。

それはきれいな、幸せそうな花嫁さんだった。

タロ、いつまでも元気でいてねって言って、大好きだったよって言って、

ボクの頭を何度も何度も撫でてから、さようならをしたの。

 

ボクは今、虹の橋のたもとにある、緑の草原に住んでいます。

ここは、愛されて天に召された動物達が暮らす、平和で豊かな場所なんだよ。

明るい陽射しが降り注ぎ、病気だった子は元気になり、老いた子は若さを取り戻して、

皆、仲良く楽しく暮らしているのさ。

地上に遺してきた、大切なあの人を思い出す時以外はね。

ある時仲間の一頭が、突然立ち止まり耳をピーンと立てると、跳ね乍ら走って行ったよ。

そう、待っていたあの人がやってきたんだ。

 

お姉ちゃん、

ボクも待っているよ、50年でも100年でも、それ以上でも。

懐かしいお姉ちゃんに再び会える、幸せなその日まで。

 

 

 

今日の子供達です。

日溜まりに寝転んで、ゆるゆると時間が流れます。

 

 

 

 

 

 

 

 

「弥生、スコットランドはエジンバラ発」さんのブログよりご紹介します。

いつも転載させて頂きまして、ありがとうございます。緑・青字は転載です。

 

境界線などないもの

https://scotyakko.exblog.jp/31057329/

 

 

犬たちは、境界線を知らない

 
保護をするとき、私も境界線は知らない
 
通りの向こう側であろうが
 
国を越えようが
 
世界をまたごうが
 
すべての命のために私は戦う
 
そして、できる限り助ける
 
その命が何処にいようとも
 
 
はい、何処にいようとも …
 
やっこなりに訳させて頂きました。

 

 

今日もお出で下さいまして、ありがとうございました。

にほんブログ村 犬ブログ ウエスティへ

にほんブログ村

 

 にほんブログ村 その他ペットブログ 動物愛護(アニマルライツ)へ
にほんブログ村