先に老いる犬たち 最期まで飼う喜びと覚悟、考えさせる2冊・シッポさんより | フィリオとショコラのちいさなおうち

先に老いる犬たち 最期まで飼う喜びと覚悟、考えさせる2冊・シッポさんより

朝散歩でよくお会いするトイプードルちゃんとそのママがおられます。

私たちを見つけるといつも、吠え癖があるからと口を押えつけ、固く抱いて走って通り過ぎられます。

うちの子たちが吠え返すのは相手に害意がある時だけで、滅多にそんなことはありませんから、

吠えても大丈夫だから自由にさせてみて下さいとお願いしてみました。

トイプーちゃんは初めだけ吠えましたが、すぐに慣れて、子供達どうし臭いを嗅ぎあって、シッポを振って、

まだ時々あとずさりしながらも仲良く遊べました。

経験を重ねることで段々友好的になれるから、いつでも気楽になさってくださいと申し上げました。

 

そのトイプーちゃんのママが、ショコラの舌がチョロリと出て可愛いねと仰ったので、

彼女が元繁殖犬で、舌を押える歯がないことをお伝えしますと、とてもびっくりされました。

ママは、保護犬の存在もペットショップ以外からペットを迎える選択肢があることも、

全く何もご存じなかったのです。

これが一般的な大多数の方の反応なのだろうと、改めてかあさんは思い知りました。

 

急にあまりに酷い実態を言うのは引かれてしまいますから、柔らかな言葉を選んで、

少し動物愛護の入口部分や、お願いしたいことなど、お伝えすることが出来ました。

トイプーちゃんが、あきらかに、ごく幼齢で離された社会化不足で、これからでも修復できることなど、

お困り事のご相談にも乗れました。

又遊ぼうねとお別れして、今朝は元気をもらったかあさんでした。

 

 

 

 

 

朝日新聞社・「シッポ」さんよりご紹介します。字は転載です。

sippo

[ シッポ ] 犬や猫ともっと幸せに

先に老いる犬たち 最期まで飼う喜びと覚悟、考えさせる2冊

太田匡彦

https://sippo.asahi.com/article/12911703?fbclid=IwAR3nGSG91G_0RWFwW77BEXdYk-hZQUfn491sCYd6FH6DUsg7lz28Vm7psQs

 

今年に入って「老犬」をテーマにした本が相次いで出版されました。

5月に出た『おじいわんソーヤ』(講談社)と

9月に出た『老犬たちの涙 〝いのち〟と〝こころ〟を守る14の方法』(KADOKAWA)の2冊です。

両書とも老犬の写真を表紙にあしらっているのですが、その表情があまりに対照的で、

人と犬との関係の両極性をまざまざと見せつけられます。

 

    

 

『おじいわんソーヤ』は、著者の東雲鈴音さんと16歳の老犬ソーヤ(本名は颯也)の日常を描いています。

ソーヤは10歳の時、動物愛護団体から東雲さんのもとにやってきました。

東雲さんは「最初に会ったとき、せつない雰囲気の犬だなあと思いました」と記します。

 老いていくソーヤの日々は、とてもいとおしいものです。

ある電柱に残された「手紙」(ほかの犬のおしっこのにおい)を熱心に読む。

強風にあおられて、尻餅をつく。

畳の上でべったりと横たわって寝る姿を、東雲さんは「平泳ぎっぽく寝ている」と表現したかと思えば、

よく眠っている様子に「最近は微動だにしないと不安になって少し揺すってみたりする」とつづります。

 この本を手がけた編集者の堀沢加奈さんは 「味のあるかわいさ、一緒に暮らす楽しさとせつなさを通して、

いろいろ伝えられることがあるのでは、と編集しました」といいます。

 

一方の『老犬たちの涙』。この本でフォトジャーナリストの児玉小枝さんが取り上げたのは、

自治体の収容施設で「命の期限」を待つ老犬たちの姿です。

ソーヤの身の上にも起きたかもしれない、飼い主に捨てられた老犬たちがたどりうる、

もう一つの過酷な運命が丹念に描かれています。

 たとえば、関東地方の自治体に収容された15歳の柴犬。

高齢の飼い主が老人ホームに入るため飼い続けられなくなり、持ち込まれたといいます。

犬舎のなかをヨタヨタと歩き回り、段差に足を取られる。

自力で動けなくなるたびに、遠ぼえのような鳴き声をあげる。

 老いるまでの長い時間を飼い主のもとで過ごしながら、

最期の時を鉄柵に囲まれた薄暗い収容施設で迎える犬たちを、児玉さんは文章と写真で伝えます。

自治体や動物愛護団体から新たな飼い主に譲渡される犬たちのほとんどが子犬、そして若犬。

老犬には、引き取り手が現れにくい残酷な現実があるのです。

 

 東雲さんは、「ソーヤ」が「終(つい)の名前になりました」と書きます。

一方で児玉さんが出会った老犬たちは飼い主に捨てられ、名前を失ったまま、収容施設で殺されていきます。犬は人に、有形無形たくさんのものをくれます。でも人は、時に与え、時に奪うこともするのです。

 

犬も猫もペットたちは、いつしか飼い主の年齢を追い抜き、先に老いていく存在です。

その姿を見守るのは、ほほえましくもあり、うら悲しくもあります。

最期まで飼う喜びと覚悟を、両書を通じて改めて確かめることができます。

 

1976年生まれ。98年、東京大学文学部卒。読売新聞東京本社を経て2001年、朝日新聞社入社。

経済部記者として流通業界などの取材を担当。

AERA編集部記者やメディアラボ主査を経て、文化くらし報道部記者。

著書に『犬を殺すのは誰か ペット流通の闇』(朝日新聞出版)などがある。

 

 
原文の通りですが、読み易いよう段落をつけさせていただきました。

転載させて頂きまして、感謝申し上げます。

今日もお出で下さいまして、ありがとうございました。

 

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