不妊去勢手術の実習について | フィリオとショコラのちいさなおうち

不妊去勢手術の実習について

ショコラは実は何歳なのか、我が家やかかりつけ病院で、疑問符になっています。

パピーミルからレスキューされた直後の診立ては、7~10歳というものでしたが、

うちの子になってすぐ、健康診断して頂いた時のかかりつけ病院の診立ては、10歳もっと以上でした。

その健康診断で乳腺腫瘍が見つかり(手術の結果は良性でした♡)、

トライアル期間を待たずに保健所に登録しましたが、かあさんは7月7日産まれの7歳と届けました。

この子に、ラッキーセブンが3つ重なって欲しかったのです。

といわけで、登録上、彼女は今9歳6か月ですが、とてもそんなに若くないとの先生のお言葉に、

さもありなんと思う今日この頃です。

ま、何歳でも良いのです。9歳でも13歳でも、もっと上でもね。

穏やかに幸せに、仲良くいてくれさえすれば。

 

今朝の爺さんと婆さんです。何より嬉しいことに、仲良しです。

 

 

 

 

 

FBより、 西山 ゆう子  さんの投稿をシェアします。字は転載です。

 

アメリカ獣医師会の会報に、興味深い記事が載っていた。
全米の獣医大学で行われている、学生の行う、不妊去勢手術の実習についての報告。
全米で、この16か月間の間に行われた、学生による不妊去勢手術の練習は、合計10073匹。

すべて、近郊のシェルター(動物保護施設)からのもの。
指導教官の厳重な監視のもと、学生が不妊去勢手術を施行し、術前、術後の世話をし、

米国獣医師会や、米国動物病院協会のガイドラインに沿った、「ペインマネッジメント」すなわち、

痛みや苦痛のケアにも配慮を行い、回復後にシェルターにもどしたもの。
不妊去勢手術を終えて、無事にシェルターに戻った犬、猫たちは、

譲渡されて、新しい飼い主さんの家へ引き取られている。

 

獣医師会の調査は、「シェルター勤務の獣医師が行った場合の不妊去勢手術と、

学生が教官の監視のもとで行った不妊去勢手術を比べた場合、死亡率や合併症に、差があるか」というもの。
結果は、「同じ」。
すなわち、学生が、きちんとした教官の指導のもとで行った不妊去勢手術は、

シェルターで毎日多数執刀している、シェルター獣医師の行う不妊去勢手術と、

何ら違うことなく、きちんと安全に行える、という結果であったそうだ。
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日本の獣医大学では、未だに、獣医大学での不妊去勢手術の練習は、「実験動物」を使っている。

実験動物繁殖施設で、実験動物用に繁殖された、主にビーグル犬。

購入するのも高価なので、学生10人に1匹、などの割合で、手術が行われていると聞く。
学生10人に1匹の不妊去勢手術を、1時間だけ学ぶ、というのが今の日本の平均的な獣医大学。

当然、不妊去勢手術など、「やったことがないに等しい」という学生が、卒業して獣医師免許を手にする。

(日本はね)。
実際、日本の新卒の獣医師、複数の大学出身者に、「不妊去勢手術を、大学で学びましたか?」と質問すると、「全くないです」「グループでやりましたが、自分はやりませんでした」「なきに等しいです」という答えが返ってくる。(複数の大学)
これが、今の日本の獣医大学の現状なのだ。
これに関して、私は個人的に、大学関係者に質問したことがある。

どうして、行政のセンターの犬を借りて、学生実習に使えないのか。
「大学側としても、近くの愛護団体や、センターの犬猫をお預かりして、学生実習に使用したいが、

なにせ、行政側が、理解を示してくれない」という。(大学側の意見)
行政側は、「倫理的理由」。

センターにいる犬猫が、学生の実習の犠牲になるのは、倫理的に問題があるので、うけいれられない、

ということらしい。まるで、学生が虐待をするかのような意見。。。
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そういう意味で、このような、米国の統計報告は、希望がもてるものだと思う。
今、私の知る限り、イギリス、ドイツ、スエーデン、ノルウエイなどの多くのヨーロッパ諸国、

アメリカカナダ、オセアニア、それから、多くのアジア、お隣韓国や、台湾までも、

獣医大学の学生の不妊去勢手術に、「近くのシェルターの動物」を使い、お世話し、シェルターに返し、

その後、里親さんに無事に引き取られている。
今や、「不妊去勢手術の学生実習」に、愛護団体やセンターの動物を使うのは、

世界的に、当たり前の時代なのだ。
私の知る限り、「倫理的問題が」「前例がないので」と言っているのは、日本だけだ。
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一度も不妊去勢手術をしたことがない学生が、獣医師になる日本。
どこかの動物病院に就職し、そこで初めて、先輩から手術を学ぶことになる。
そこは、一般の動物病院。一般の飼い主様が来院し、大切に飼われている犬、猫が、

「どうか事故のないように、お願いいたします」と、祈りながら、

家族であるペットの不妊去勢手術をお願いする人である。
院長は、「そろそろお前も、やってみるか」と言って、新米の、一度も不妊去勢手術をしたことがない人に、

まず助手として入り、そして慣れてきたら執刀させるのが、今の日本のシステムである。
開業している動物病院にやってくる、飼い犬、飼い猫を利用して、外科技術を取得するのが日本なのだ。
それぞれの個人病院が、はたして、どれだけきちんと、新米獣医師に、

「不妊去勢手術」を、公平に教えることができるか。
飼い主様の大切な犬、猫を使って、不妊去勢手術の練習をすることは、倫理的に問題がないのか。
卵巣だけとる、オープン法の去勢しか指導しない、生後6か月未満の手術は否定する、など、

「何が標準的な手術方法なのか」さえも、はっきりしなくなるのは、日本独特の問題。

最新の医療を教えるべき獣医大学で、率先して、しっかりと学生に、指導するのが理想だと思う。
日本でも、世界でフツウに行われているように、

行政施設、愛護団体の動物を、獣医大学でも、受け入れるようになってほしいと願う。
不妊去勢手術という、すべての獣医師が取得するべき技術の指導を、一般開業医に、委ねないでほしい。

獣医大学という、教育のプロが揃っている施設で、プロが学生に、最新の技術をしっかり教えてほしい。
(写真 西山 犬の不妊手術中)

 

 

 

 

世界は実験動物を減らす方向ですのに、動物の命を救う人材を育成する獣医大学で、

実験用に繁殖され売買される実験動物を使うことは、矛盾していないでしょうか。

実験後の実験動物は、その後どうなるのでしょうか?

勿論、医療技術を磨くことは大切でしょうが、

日本の獣医大学では、生命倫理や生命哲学に関する単位があるのか知りたいです。

今日もお出で下さいまして、ありがとうございました。


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