亜熱帯成層圏通信RETURNS-普天間基地


でもって普天間問題である。


明日、首相が沖縄に来るらしい。

何しに? 沖縄ソバでも食べに来るのかしらん?

名護の岸本ソバがお勧めだよぉ~ 鳩山さん。


当方、沖縄県宜野湾市の大謝名に住んでいる関係で、この問題は無視できない。


なにやら、最近昼間から空がゴーゴー騒がしいと思ったら、ハリヤーとかいうのが来ているらしく、それが原因だったのだね。


なにせ電話もできないような騒音をまきちらしながら、宜野湾の空を縦横無尽に飛び回る。

うるさいったら、ありゃしない。


宜野湾市というのは、ちょうどドーナツ型になっている。ちょうど滋賀県の琵琶湖を、普天間基地に置き換えるといいかもしれない。琵琶湖を渡るには琵琶湖大橋があるからいいのだが、普天間基地には琵琶湖大橋にあたるものなどない。


宜野湾市のど真ん中に基地があるものだから、その反対側に行こうとすると、物理的に大きく迂回する必要が出てくる。ガソリン代の無駄だ。つまり地球にやさしくない。エコなんかではないのである。


今日も「古書さりい」のオークション出品物が売れたので、土曜日もあいている宜野湾郵便局に発送しに行った。そのためには大きく基地を迂回していかないとたどり着けない。普段はなれてしまっているこの距離感に、最近は違和感を覚え始めている。


今日のニュースなどを見ていると、辺野古が条件つきで受け入れとか何とか。

でも宜野湾郵便局の帰りに通った普天間基地のフェンスには、こんなテープが残っていた。



亜熱帯成層圏通信RETURNS-普天間基地

私も反対である。


辺野古、行ったことがありますかってんだ。

ちょっと寂れていて、とても静かで、いい場所だ。なんたって黒木メイサの故郷らしい。


京都から沖縄に引っ越した十何年前には、アメリカ軍人の車であるYナンバーが怖かったものだ。

コザで殴り合いの喧嘩をする黒人と白人の兵士を見たこともある。

子供と何度か車を止めた北谷の付近で、少女がレイプされたというニュースもあった。

沖縄住民たちは口々に基地反対を叫ぶが、一向に事態は進展の兆しを見せない。


その反面、基地で儲けている人たちの姿も見てきた。

軍用地主、と呼ばれる人たちである。

彼らもまあピンからキリまでいるのだが、キリの人の中には、1ヘクタールくらいの軍用地をシャレで買って、毎年すずめの涙ほどのお金を貰って喜んでいる妙なマニアもいる。

またピンの人たちは、毎年何千万というお金が、何もしないで口座にぽんと振り込まれてくるのであるから、これはもう、ぼくのような「働けども働けども暮らし楽にならず」的な人から見れば、完全な不労所得である。

で、彼らがそのお金を現代の沖縄発展のために役立てているかといえば、残念ながらそうではない。


ぼくが出会った軍用地主の一族は、振り込まれるお金で毎週パーティを開いていた。それも一族だけを招いて、レストランからシェフを呼び、政治家なんかも訪れていた。

その家の子供は二十代前半にしてオープンカーの外車に乗り、意味もなく58号線を行ったり来たりしている。


それとは反対に、今日も職探しに翻弄されている高卒の若者が、沖縄中に溢れている。

職がない上に、格差がひどくて希望を失った若者は、パチンコやアルコールに走り、それしかない人生を送っている。


そりゃ、中には素晴らしい軍用地主さんも何人も知っている。しかし、悪い行いほど世間には知れ渡るものだ。


軍用地主ではないが、基地の中で働いている知り合いも何人かいる。


沖縄に引っ越してきた当時から、アメリカ軍基地が大嫌いだったぼくは、基地の中で働いている知り合いに、基地問題について聞いてみたことがあった。


しかし彼の答えは「アメリカは素晴らしい」の一点張りであった。

アメリカは規律正しい。アメリカの商品は素敵だ。アメリカ人は考えがはっきりしているから凄い。日本はアメリカにはかなわない。アメリカは神様の作った国だ。アメリカの女性はスタイルいいよね等等。。。


ぼくは笑うしかなかった。なぜなら沖縄に来てから世話をしてくれた方なので、当時の気弱なぼくには言い返す言葉もなかった。


普天間が返還されたら、大量の失業者がでるだろう。


同時に、活気を呈する仕事も現れるだろう。それはつまり、解体業である。

基地を解体して、何かを立てるために、一時的な仕事が増えるだろう。


でもこれは、あくまで一時的である。テンポラリーな仕事なわけで、永続的にそれが沖縄の経済を支えてくれるわけでもない。


普天間がなくなったら、跡地は何をしようと考えたが、ぼく個人としてはオキナワ・ディズニー・ランドを希望している(ODLですね)。ぼくが首相だったら、オバマに頼み込んでもODLを招致するのだけれど。


現在のオキナワには夢がない。アメリカのせいで現在の沖縄のホープレスな状態が形成されたとぼくは考えるので、それだったら今までのオキナワの苦労をかんがみ、せめて作り物でもいいから夢ぐらい残していったっていいじゃん、というわけである。


ODLができたら、基地とは逆の、いろんな効果が期待できると思う。


できたらいいな、ODL。



亜熱帯成層圏通信RETURNS-普天間基地

ODL建設予定地。


フェンスの向こうは、もう、オズの国。