無言のC先生を傍らに、私と教頭先生の話し合い続行中。
「私と太郎が取れる手段としては、これが1番かと思っています。」
「また、太郎が皆と同じスピードで安全に歩けるようになったら、班に戻ります。」
「ふむ……ですが、やはり、集団登校から外れて欲しくはありません。」
「集団登校に限らず、太郎君がいることは、皆にとってマイナスでは決してありません。むしろ、プラスになると私は思っています。」
「太郎君のこと、理解を深めるよう、教職員はもちろん、児童たちにも指導していきます。」
「ありがとうございます。今回の登校時の件にしても、私としては、太郎がスピードを上げるのではなく、周りが2秒待てば済むのではないかと。でも、そこに子ども達の登校班の競争ゲームみたいなのがあったので、先生に競争を止めさせて欲しいとお願いしたのです。」
「ですね。太郎君が…という話ではなく、1年生が上級生に合わせないといけないなんて、おかしいですね。その辺りも含めて、児童全体に指導をします。」
「それでですね、提案なのですが、明日から太郎君の補助と子ども達の実態の把握を兼ねて、私が太郎君の集団登校班に入って一緒に登校します。もちろん、私が無理な時は別の者が代理でつきます。」
「もう大丈夫だと判断するまで続けますので、集団登校の事は、もう一度学校に預けて頂けませんか。」
「……。」
すごいね、教頭先生。
さすがです。
もう、何の反論もありません。
「ありがとうございます。よろしくお願いします。…とても嬉しいです。」
私、鼻がツーンてしてました。
「C先生、何かありますか?」
傍らで聞いていたC先生に話が振られます。