太郎を落ち着かせ、ゆっくりと話を聞きます。

どうやら、男の子しかいない登校班AとB、どちらの班が先に学校に到着するかを毎朝競っていた様です。
男の子は本当にくだらない事で競うものです。

そして、歩くのが遅い子は「急げ」「走れ」と上級生から急かされると。

我が家のある住宅地は山の中。学校まではひたすら下り坂で500mほど。
下り坂で急がされた太郎、前のめりに転び、さらに背中のランドセルの重さも手伝って顔面を強打するはめに。
ジーンズを履いていたのに、両膝とも穴が空き、膝からは血が出ていました。半ズボンだったらと思うとゾッとします。

…その時、C先生から電話がかかってきました。
血はたくさん出たけど怪我自体は大した事なかったので、処置して落ち着かせたら連れて行きますと伝え、手短かに太郎の言い分も伝えた上で、登校班の競争をやめさせて欲しい旨をお願いしました。

太郎にも競争する必要、走る必要は無い事、太郎が怪我をしてとても悲しい事を伝え、学校に連れて行きました。

これで大丈夫。
きっと太郎が怪我をした事で、皆にも気付いたり考えさせられる事があったはず。
良い方に変わる事ができる。


…って思った私はとことん甘いのでしょうか。