ウォレス線 | ジャカルタごはん

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2023年9月~約2年間の、ジャカルタ生活の記録です。

ウォレス線とは、インドネシアのバリ島、ロンボク島間のロンボク海峡からスラウェシ島の西側、マカッサル海峡を通りフィリピンのミンダナオ島の南に至る東に走る生物の分布境界線のことです。

 

 

ウォレス線より西の生物相は生物地理区のうちの東洋区に、東はオーストラリア区に属します。

 


氷期には海面が下降し、東南アジア半島部からボルネオ島、バリ島までの一帯がスンダランドと呼ばれる陸続きに、パプアニューギニアとオーストラリアはサフルランドと呼ばれる陸続きであったため、現代でも生物相が異なるとのこと。

 

オーストラリアは長期間孤立した大陸であり、特に特異な生物グループが生息しています。

有名なところで、オーストラリア区に生息する哺乳類は、コウモリやネズミを除き、カンガルーやコアラ等の有袋類(母親が袋の中で子どもを育てる)とカモノハシ等の単孔類(卵を産むほ乳類)です。

また、インコを含むオウム類はオーストラリア区に分布しますが、東洋区には見られないそうです。

バリ島とロンボク島とでそんなに生物相が異なるとは面白いです。

 

先日訪れたフローレス島もオーストラリア区に属しますが、厳密には、フローレス島を含むヌサ・トゥンガラ諸島とその北にあるスラウェシ島はサフルランドとも陸続きにはならなかったことからオーストラリア区とも生物相が異なるそうです。

両地域の境界線はライデッカー線と呼ばれています。