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夢のあとさき

いつまでも恋をしていたい心とままならない時の流れ

一度身体をかわすようになるとそれが当たり前のようになる。頻繁には会えなかったが、彼女が僕の近くにやってこれる機会がある時は何時も時間が取れますか?と連絡があり、都合がつく限りデートを重ねた。お酒を飲みながら食事をしてその後ホテルで身体を交わした。

 
いつも彼女の身体はしなやかで、髪の毛の感触は短く切った後も柔らかで、抱き心地が良かった。彼女の内部はとても狭くてあまり長く持たない事が多かった。だから少しでも長くベッドにいたくて抱き心地の良い彼女の全てを唇と舌で愛おしむ。尽くす行為には同じように尽くされたいという願望が込められている。口でして欲しいと幾度か懇願したけれど、彼女は出来ないの、、、と一度もお返しをしてくれなかった。お互いを与え、与えられること。お互いを交換し合うことが性愛の喜びなのだけれど、、、。
 
彼女はそこまで積極的な性愛観の持ち主ではなかったのかもしれない。あるいは二人が積み重ねる愛情のステップがそこまでは発展しなかったなかもしれない。彼女はいつも僕の愛撫と欲望の受け手だけだった。もう妊娠の心配はいらない年齢になっていたとはいえ、最後はいつも内部に精を受け止めてくれた。ある時、こちらに元気がなくて中に入る事が出来ずいた時、射精の願望を伝えるとその美しい指を貸してはくれた。
 
 
そんなお付合いが暫く続いたが、彼女が無理なく僕との時間を持てる環境が大きく変わった。僕の近くに来て滞在し数時間の秘密の時間を持つ前提がなくなってしまったのだ。こちらから出向いてもいいので時間を作る努力をしょうと幾度か気持ちを伝えたが、彼女からの時間は取れますか?という連絡は絶えた。
 
お付合いの頃、ある晩、シュハスコリアで食事をした時の事だ。肉の美味しさも相俟って二人とも強いカイピリーニャを幾杯も飲んだ。テーブルで会計をした時、カードで支払う僕を見て、「カードで支払って拙くないの?」と言う。「どうして? あなたはカードは使わないの?」と返すと、「私、払ったことなんて無いもの、、、」と言った。この会話にはものすごい引っ掛かりを感じたが、僕はそれを大きく呑み込んだ。
 
今となっては最後の逢瀬の夜、誕生日のプレゼントにピアスを贈った。そのピアスを着けた彼女の姿をまだ見ていない。
 
彼女にとって僕は何だったのだろう...
それを問うてもしかたがない。
愛は惜しみなく奪うのだから。