オンライン講義の普及がなぜパンドラの箱か!? | 越境グローバルキャリア支援室|中央アジア支部

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昨日書いた記事で、オンライン講義をやって「パンドラの箱が開いた」などと思わせぶりに書いたくせに、そちらの方向でイマイチまとめられなかったので補足説明をしたい。

 

リンク:オンラインで講義をしてみて思ったこと

 

 

コロナ騒動が始まる前から、私は割と積極的に動画を使って講義をしていたが、特に、動画の作成を課題にすると実に色々な可能性を感じていた。

 

例えば、講義で学んだことで印象深かったことを3分の動画にまとめることを最終課題としたことがある。これがまた面白い。以前は、最終発表として普通にプレゼンをしていたのだが、みんなPPTで作ったスライドを読むだけなのでつまらないし、たまに制限時間を超えてしまう人もいて困った。これを上記の通り動画にしたところ、みんな、実にバリエーションに富む凝った作品を作ってくる。ある人は、10時間以上かけて200枚以上のイラストを手描きし、講義の内容をパラパラ漫画にしてくれた。また、講義の内容をラップや歌にして演奏動画を作った猛者もいた。

 

なにより、これらは次の年に、教材として活用することができるし、本人たちが了承すれば世界に公開すれば、新たな可能性も開かれるだろう。まさに、時間と場所を超越し得る最終課題である。

 

コロナ前までは、動画教材を活用しつつも、講義は、教室で、私の説明を聞いてもらい、グループディスカッション的なこと、つまり、割と伝統的な形式に近い形で講義やっていたのだが、昨日も書いた通り、ある日、チャットでいつでも発言できるようにしたときに、実はわざわざ時間と場所を共有する必要がかなり薄くなっていることに気がついた。

 

ウェブ会議を使わなくても、一方的に説明するような内容は動画で、それに対する質問はチャットでいつでも受け付ける。課題はレポートでもいいし、上記のような動画にしても良い。こういうのは、オンデマンド方式と呼ばれているらしい。これならば、学生もわかるまで動画を視聴できるし、講師としても質問に答えたり課題を添削するのに時間を割くことができで、双方にとってのメリットの方が高い。

 

きっと、今、オンライン講義に携わっている人は、誰もが多かれ少なかれ、このことを実感しているのではないだろうか。

 

動画の教材は、作っていると世界に公開したくなってくる。私も、その誘惑に勝てずに下記のようなチャンネルを作ってしまった。

 

https://www.youtube.com/channel/UCsiGt6eZA902dmJFcApxmuw/playlists?view_as=subscriber

 

別にこれは、大学の先生に限った話ではなく、既に誰もが動画を世界に向けて公開する環境はとっくの昔に整っている。よほどのお役立ち情報でない限り、情報自体にはそれほど価値がない。教科書になっていて大学の基礎科目で習うような内容であれば尚更だろう。

 

そして、将来、大学が全ての講義を動画として公開している世界が想像できる。それをみて、そこでじっくり学びたい人は入学すれば良いし、そうでない人は他にいくのでミスマッチも防げる。そのような状況で、教科書をひたすら解説するような講義をしているようでは、厳しいものがあるだろう。

 

これまで、大学の講義の主たる機能であった知識の伝達が、急速にその価値を失っていることを感じており、私自身その中で何をすべきかを試行錯誤していたが、いよいよ、その速さが、想定を遥かに超えて加速してしまった。これが、私の中ではパンドラの箱が開いたことを意味する。

 

そんな世界でも価値がある内容ということで考えたのが、下記の内容。興味のある人は是非ともご参照ください。

 

【まとめ】テキスト「研究マニュアル☆テーマの設定から成果の発信」の紹介