コール・アンド・レスポンス
ある日のこと。
人と逢った後、少し思い立って、買い物のついでに難波から心斎橋へと歩いてみた。
アメリカ村周辺は、相変わらず、ちょっとした迷子になってしまう。
近くにあるレコード店や洋服屋を、ふらつく頃には、
まるで、「はじめてのおつかい」に行ってどうしようもなく、いたたまれない状態になる、
そんな、子どものような心境になっていた。
近くにいる友人に電話をすると、快く迎えに来てくれた。
アメリカ村にある、24時間営業の素敵なカフェで、やっと落ちつく。
「さっき、珍しく楽器店で、機材を観ていろいろ店員と、話してたら、びっくりしちゃって。」
と、その友人は、そのやりとりを、話してくれた。
それから、「最近、どう?」といつもの他愛のない会話。音楽と、恋愛と、不景気について。
もちろん、今、何を聴いているか?とか、そんなところ。
打って響きあう、そういう時間は、やはり楽しい。
真夜中にDJがかける素敵な曲に、ここぞとばかりに、
お客さまや、照明さんも、的確に反応するダンス・フロアのように。
*
カーティス・メイフィールドの“CURTIS/LIVE!”というアルバム。
4曲目に、We're a Winnerというインプレッションズ時代の曲が、入っている。
カートムのレーヴェル・ロゴに入っている、フレーズと同じタイトルのこの曲。
ライヴ盤なので、とても気の効いた、観客の手拍子や歓声も一緒に、録音されていて。
これは、本当に格好良い。
『うた』の語源は、『打ち合う』と『訴う』だ。
という説を聴いたことがあるけれど、なるほど、そうかも知れない。と思う感じ。
ツーと云えば、カー。というか。
たとえば、誰かの、「つぶやき」に対して、的確な合いの手をいれたり、再送したり。
それとは、また違った楽しさ。
「つぅ~と、飛んで来て、る。と、留まるから、鶴って、いいますねん。」
それは、桂 枝雀さんの落語のネタ。
*
この前の土曜日。
小西さんに教えていただいたレコードが、吉祥寺から届いた。
ニック・ディカロの、A Quiet Sundayという
この良さをうまく、説明できないくらい、個人的には、大好きな曲。
それを、作曲者のMort Garsonが、別アレンジでカヴァーしている、
いわゆる、古き良きアメリカな、イージー・リスニングのアルバム。
今まで、見かけても、
きっとスルーしていたと思うレコード。
やはり歌詞のない、インストゥルメンタルの曲。
早速、針を落とす。
A面4曲目。3曲目の最後、鳥がさえずっているSEの後。
最初、まさかのチェンバロで始まる。
とても、繊細なストリングスとホーンの編曲。
サビの高くなるところが2回目に聴こえてきた時、
寒い部屋でひとり、少し泣いてしまった。
*
ニック・ディカロの、A Quiet Sundayが収められている
“Happy Heart”というアルバム。
ビートルズや、ビーチ・ボーイズのカヴァーも収録はされているけれど、
A&Mに、多大な貢献をしてきた彼に対して、いわば、ご褒美としてつくられたそう。
いわゆる、セールスどうこうではなかったらしい。
発売から4年ほど経ったある日、
このアルバムを製作したトミー・リプーマが、とあるパーティ会場のBGMとして
“Happy Heart”が、使われているのを耳にしたそう。
彼はなぜ、このアルバムの曲を使ったのか尋ねた。すると、
「これは、世界で最高の曲のひとつだから」
と、いうのが、選曲を担当した人の答えだった。
トミー・リプーマは、再びニック・ディカロのソロを作製する。
それが後にAORの出発点と評されることになる“Italian Graffiti”というアルバム。
という、話を、思い出した。
*
イタリアン・グラフィティというアルバム。
このアルバムの、リマスターCD盤は日本でしか、発売されていないそう。
元になる、マスター・テープを探し出したのが、最近、仲良くさせて頂いている、
LAに住む知人だった。
というのを、丁寧なメッセージを頂いて、初めて知った。
やはり、アメリカではまったく評価はされてなく、
ニック・デカロの弟さんや、ビクターが、MCAにマスターを探す様に交渉しても
誰も本気にならなかったそう。
たまたま、MCAでその知人が勤めてらしたので、
なんと、倉庫に埋もれてたマスターを探し出して
リリースできる事になったとのこと。
その方、曰く、
「まあ、僕がやらなくっても、誰かがそれをやったと思うのですが。 」
そんな、素敵なレスポンスを、夜遅くに頂いた。
とても、キュン。となる、お話。
*
そういえば、楽器店の店員とのやりとり。
ボクの友人が、「テクニクスのターン・テーブルが、生産中止なんですよね」
と、訊いたところ。
その店員は、なんと云ったか。
心の準備は、良いですか?
「タンテ無くなったら、CDJがありますよ!」
いやいや、そういう、コト。では、なく。
もしくは。
世界は、45回転のスピードで、廻っているハズ。
なのですが。
人と逢った後、少し思い立って、買い物のついでに難波から心斎橋へと歩いてみた。
アメリカ村周辺は、相変わらず、ちょっとした迷子になってしまう。
近くにあるレコード店や洋服屋を、ふらつく頃には、
まるで、「はじめてのおつかい」に行ってどうしようもなく、いたたまれない状態になる、
そんな、子どものような心境になっていた。
近くにいる友人に電話をすると、快く迎えに来てくれた。
アメリカ村にある、24時間営業の素敵なカフェで、やっと落ちつく。
「さっき、珍しく楽器店で、機材を観ていろいろ店員と、話してたら、びっくりしちゃって。」
と、その友人は、そのやりとりを、話してくれた。
それから、「最近、どう?」といつもの他愛のない会話。音楽と、恋愛と、不景気について。
もちろん、今、何を聴いているか?とか、そんなところ。
打って響きあう、そういう時間は、やはり楽しい。
真夜中にDJがかける素敵な曲に、ここぞとばかりに、
お客さまや、照明さんも、的確に反応するダンス・フロアのように。
*
カーティス・メイフィールドの“CURTIS/LIVE!”というアルバム。
4曲目に、We're a Winnerというインプレッションズ時代の曲が、入っている。
カートムのレーヴェル・ロゴに入っている、フレーズと同じタイトルのこの曲。
ライヴ盤なので、とても気の効いた、観客の手拍子や歓声も一緒に、録音されていて。
これは、本当に格好良い。
『うた』の語源は、『打ち合う』と『訴う』だ。
という説を聴いたことがあるけれど、なるほど、そうかも知れない。と思う感じ。
ツーと云えば、カー。というか。
たとえば、誰かの、「つぶやき」に対して、的確な合いの手をいれたり、再送したり。
それとは、また違った楽しさ。
「つぅ~と、飛んで来て、る。と、留まるから、鶴って、いいますねん。」
それは、桂 枝雀さんの落語のネタ。
*
この前の土曜日。
小西さんに教えていただいたレコードが、吉祥寺から届いた。
ニック・ディカロの、A Quiet Sundayという
この良さをうまく、説明できないくらい、個人的には、大好きな曲。
それを、作曲者のMort Garsonが、別アレンジでカヴァーしている、
いわゆる、古き良きアメリカな、イージー・リスニングのアルバム。
今まで、見かけても、
きっとスルーしていたと思うレコード。
やはり歌詞のない、インストゥルメンタルの曲。
早速、針を落とす。
A面4曲目。3曲目の最後、鳥がさえずっているSEの後。
最初、まさかのチェンバロで始まる。
とても、繊細なストリングスとホーンの編曲。
サビの高くなるところが2回目に聴こえてきた時、
寒い部屋でひとり、少し泣いてしまった。
*
ニック・ディカロの、A Quiet Sundayが収められている
“Happy Heart”というアルバム。
ビートルズや、ビーチ・ボーイズのカヴァーも収録はされているけれど、
A&Mに、多大な貢献をしてきた彼に対して、いわば、ご褒美としてつくられたそう。
いわゆる、セールスどうこうではなかったらしい。
発売から4年ほど経ったある日、
このアルバムを製作したトミー・リプーマが、とあるパーティ会場のBGMとして
“Happy Heart”が、使われているのを耳にしたそう。
彼はなぜ、このアルバムの曲を使ったのか尋ねた。すると、
「これは、世界で最高の曲のひとつだから」
と、いうのが、選曲を担当した人の答えだった。
トミー・リプーマは、再びニック・ディカロのソロを作製する。
それが後にAORの出発点と評されることになる“Italian Graffiti”というアルバム。
という、話を、思い出した。
*
イタリアン・グラフィティというアルバム。
このアルバムの、リマスターCD盤は日本でしか、発売されていないそう。
元になる、マスター・テープを探し出したのが、最近、仲良くさせて頂いている、
LAに住む知人だった。
というのを、丁寧なメッセージを頂いて、初めて知った。
やはり、アメリカではまったく評価はされてなく、
ニック・デカロの弟さんや、ビクターが、MCAにマスターを探す様に交渉しても
誰も本気にならなかったそう。
たまたま、MCAでその知人が勤めてらしたので、
なんと、倉庫に埋もれてたマスターを探し出して
リリースできる事になったとのこと。
その方、曰く、
「まあ、僕がやらなくっても、誰かがそれをやったと思うのですが。 」
そんな、素敵なレスポンスを、夜遅くに頂いた。
とても、キュン。となる、お話。
*
そういえば、楽器店の店員とのやりとり。
ボクの友人が、「テクニクスのターン・テーブルが、生産中止なんですよね」
と、訊いたところ。
その店員は、なんと云ったか。
心の準備は、良いですか?
「タンテ無くなったら、CDJがありますよ!」
いやいや、そういう、コト。では、なく。
もしくは。
世界は、45回転のスピードで、廻っているハズ。
なのですが。