1年ほど前にFBにサインアップした。
最初はアメリカ時代の友達とやり取りしていたが、すぐに意外な人からも連絡がきた。
むかしむかしのBF。もうかれこれ20年近くも前の。
FBは実名で写真を載せているので、昔の友人でもすぐわかる。
「本当にxxちゃん?久しぶり!!どうしてる?」
まあ、こんな感じで会話は始まった。
近況の報告。それぞれ、結婚して子どもがいる。あっちは男の子がふたり。
おもしろいことに、私の夫も彼の奥さんも同業者。
彼は日本の地方都市で先生をしており、単身赴任。
奥さんと子どもは奥さんの実家のある地方都市で住んでいる。
はなればなれで、大変だね。奥さんが子どもかかえて大変でしょう、と言うとちょっと反論めいた言葉が戻ってきた。
彼は仕事にとても満足しているようだった。生徒たちにも好かれているし、学校の評価も良い。
毎年生徒を引きつれて、海外短期留学に同行しているようだ。
先生って大変な仕事だと思うよ。それができるあなたはやっぱり才能があるんだよ、と私は書いた。
実際にそう思う。人の前に立ってみんなを教えるってものすごい責任を感じる。私にはできそうにない。
生徒は常に先生が100%正しいことを期待しているから。
彼はFBのヘビーユーザーなので、ほとんど毎日のようにエントリーしている。
ほとんど日記に近いかも。おかげで、彼の息子たちや奥さんの写真はよく目にする。
奥さんは、意外な感じの線の細い女性。彼より4,5歳年上だったと思う。
私も彼も同じアメリカの大学に留学経験があり、かぶってはいないが、東京で同窓生が集まった時に、知り合った。
奥さんと彼も同じ大学に留学していた、その時はおつきあいに至らず、帰国後私とつきあって別れた後に、再度同じ大学に留学し、まだ留学していた奥さんと正式に付き合い始めて、結婚に至った。
私はつきあっていた時に何度かこの奥さんの話を聞いたことがある。嫉妬心を感じたりしたことはなかった。
彼とつきあいはじめたきっかけは、私が彼のことをおもしろいと思って、何度かグループ以外で会おうとモーションをかけた。
本当に心の中のこととかいろんなことをすべてさらけ出してつきあった相手だったと思う。とても自然だった。
出会った頃、彼はまだ大学4年生、私は社会人1年目、ふたりともお金はなかったけれども、休日は家で彼がギターを弾いて昔のフォークソングを歌ったりした思い出がある。
彼はとにかく英語の勉強をしたかったので、時々英語だけで話していたことがあった。それが彼にはとても新鮮だったようだ。
最終的に、私の長期海外出張など、いろんなすれ違いですきま風が吹きはじめ、最終的に私に好きな人ができて、私からお別れしてもらった。最後の修羅場については私の恋愛暦としてまた後日書くことがあるかも。
彼が最後のほうに言ったことが今でも印象にのこっている「。xxちゃんといると、本当に居心地がいいんだよ、だからこっちがだんだんわがままになってしまった。」
この彼から最初のFBのメッセージが来た時、とてもうれしかった。本当に昔なくしてしまった親友を見つけたような気がした。
でも、何度かメッセージをやりとりしているうちに、やっぱりもう20年前とは違うという実感がわいた。
やっぱり私の「失われた十数年」を彼は知らないから。
彼と別れた後、アメリカに来て、どんどんキャリアを伸ばしたこと、大学院に行ったこと、その間の恋愛、今の夫のことなども彼は全く知らない。
昔のような素直な気持ちで彼と向き合えないので、昔のように純粋に盛り上がることができない。
あと、何気ない私の言葉に反応されている気がして、神経を使わなければならない。
人にはいろいろと押してはいけないボタンがあるのだと思う。
もちろん、彼の先生としての十数年間も私は知らない。
そんなわけで、何度かやりとりしていて、話は子どものことが多い。
お互いに配偶者のことはほとんど話さない。私も夫と別居していることなどは話さない。
誘惑するつもりもいっさいないし、そういう苦しい恋愛には私には全く興味がない。
でもなんとなく、お互いに、夫婦関係がうまくいっていないというのは感じているはずだ。
時々妙に彼がなつかしくなって、ただハグしてもらって、「xxちゃん、よくがんばってるよ」と言って肩をぽんぽんとたたいてもらいたい気持ちになることがある。
そういう気持ちになるのは、過去のBFの中では彼だけだと思う。
いつか、彼と再会する日もあるのかな。
もし、東京に行くから会おうよって言われたら、どう答えるのだろうか。