①     

 

「スイマセン…ジンコウジュセイの応募で来ました…」

…「あの…子供産んだらおカネくれるって本当なんですか…」

…「お父さ…父が産んで来いって…」

…「え、七億…」

…「七千万…」

…「七百万…」

…「はい、これ謝礼金」

…「1…2…3…7枚…7,000…ありがとうございます!」

…「こんな大金…初めて見ました…」

 

 

 

…「キャーッ!」

…「いやーっ!」

…「?????」

…〔中略〕…

 

 

胎内の子が見せる、情報還流による予知夢

「(遠くない未来=軍管区連合時代。第7軍管区の同志大統領書記長閣下。電話の受話器に向かって)おお、どうだ、チョロいもんだろ!案ずるより産むが易しってな!」

…「sociology evolution万歳だ!(socialist revolutionと言いたいらしい)」

…「百万ドルなんざガキの小遣いみてーなもんよ」

…「何、進撃か撤退か、そんなもんルーレットで決めりゃいいんだヨ」

…「…オイ、ニューヨークのブタどもにな、ガタガタ抜かすと原爆ぶっこむって言っとけ」

…「法律ってのはな、パーティーに水差す奴をふんじばるためにあるのよ」

「パーティー…でやすか…」

「おおよ!パーティーってのは何だか分かるか!楽しくやる仲間だ!そういう仲間が集まってしこたま飲んでたらふく食って羽目を外して騒ぐ、そのために生きてんだ、そのために仕事するんだよ、それを何だおめえ…人がせっかく一緒にうまい酒を飲みませんかって下手に出てお誘いしてるってのに…何が『節義』だ…そんなに飢え死にしたきゃ、させてやるぜ…後悔しやがれ…」

「なにい、マニラの土人どもが『独立国』だとお!どいつもこいつも…口で言ったってわからねえらしいな…。よし、核攻撃!」

…「馬鹿どもが。嘘でもいいからいい子にしてれば長生きできるものを」

…「おい、ヤンキーのギャングどもが逃げていくぞ」

「フィリピン共和国、バンザーイ!」

「頭でっかちの赤ブタども…人の皮をかぶった化け物から解放される…。これで、伝統に根ざした…人間らしい生活に戻れるんだ…」

「おい、なんか聞こえないか…」

「(ギーン…!)」

「何だ」

「おい、見ろ!」

「戦闘機だ!」

「違う!巡航ミサイルだ!」

「巡航って…あんなでかい…嘘だろ…」

「逃げ…!」

「(カッ!ドーン…)」

 

「キャーッ!」

 

…「うん…済んだよ…ご苦労様」

…「…見せて」

…「んん?ああ…いや…」

…「見せて…ください…」

…「ヤクソク…しますから…お願い…」

…「…かわいい」

「え?」

「この子に…お乳あげたいです…」

「…」

「この子…いつ人間の格好になるんですか…」

 

「(宇宙空間。気象操作衛星アルゴース内。ドクトル)…た…たばかったな、アテナイ卿!」

「(アテナイ卿ヘレナ)ほっほっほ、おぬしと契ろうというおなごなどおるものか…ほんに幼子よ」「ぬ、ぬ、ぬ、ぬおああああああああああ」「もうこのおもちゃで人を害することはできぬ…。諦めよ…罪を重ねるでない…」「おおおおおお…おおのおおおおおおれええええええああああーっ!」

 

「(ハッ!)」

…「?」

 

「あの…この前のお話…」

「…」

「この子にお乳をあげられたら…私…一生この建物から出られなくても…いい…です…」

「そう言われても…困ったね…」

「娘が帰ってこないんです!もう…予定の期日はとっくに過ぎてるのに…!」

「ウーイー…ヒック―…ほっとけー…んなことよりカネはどうしたあ!銀行行ってカネ入ってるか見てこーい!」

「何言ってるの!」

 

「ウーイーヒック…オイこの野郎…うちのガキと大人の俺と…どっちが大事なんだあ!」

「もちろんどちらでもありません。大事なのは…国です」

 

「(ドクトル)…私を崇めているのではない…その振りをしてノアを崇めているのだ…」…「私に嘘をつくとは…よほど死にたいらしいな…ハッハッハ…」…「私を…無視するなああああっ!」

 

「(佐和山清太郎)明治の美代〔ママ〕の…五か条の御誓文に基づく憲法…それに基づく法と制度、政治だけが正しい…そのためには超然たる者による独裁が必要であり…現代においてそれを可能にするのはカール・マルクスの科学的社会主義しかない…。その頂点に今上陛下が立たれないなら…」…「正しき歴史のために!」…「人間が自らの意志を実現する…それのみが『歴史』の名に値する、それ以外のことを子々孫々語り継ぐことができようか!」

「『完全な人間』計画は失敗した…」「誰もが正しく…誰もが間違っていた…」…「今度はもとより『完全』など求めていない…」「奴を除去すれば用済みだ…」「洗濯の後は洗剤をすすがねば…」「『人』から最も遠い娘を…『理想の人』をかたどった我らが愛息のもとへ送ろう…」…「娘…あれは我々の娘なのか…?」「…蟲だ…。思えばやはり『日本人』こそそのかりそめの姿に相応しい…」「そう、彼らの神話にある『ヒルコ』だ…」「せめて『新しきもの』の硬いうろこの皮ごろもに護らせよう…身も心も…」

「(正徳)これが…皇軍のすることなんですかっ!」

「(少尉)皇軍?…ハッハッハ!若さかなあ…。しかし若いなら、今はもうそれじゃだめだよ。いいか、徳川の次は天皇。じゃあ『その次』は何だい。俺も『御一新』に立ち戻ると口では言ったさ。しかしそれは説得のための方便だ。天皇の次は…『ソビエト』だよ…。それは何だ?『ソ連』『ソ同盟』という国名のことじゃあないよ。ソビエトとは…『労農大衆』そのもののことだ。その無知な大衆の力を引き出すのは何だ。『恐怖』だよ!闘わなければ死ぬと思えば、誰でも普段できないことができるんだ!そう、恐怖に身を任せた者、『恐怖』という波に身も心も任せた者だけが歴史の嵐の中で生き残れる!その力を引き出すために、愛の鞭を下すのさ!お前はどっちだ!怖がらせるほうか!されるほうか!」「『お国のために』は…そうじゃないっ!」「…それはまた…インテリのお坊ちゃんは『賢くて』結構なことだな…。場末の居酒屋で今のを言ってみろ!今までのお勉強がどんなに時間の無駄だったかわかるだろうよ!いや、無理か…。今死ぬんだからな…。じゃあ地獄の鬼にでも聞かせて…どこが悪いか教えてもらえ!」

 

東京大虐殺

「店ごと焼いちまえ!」「そんな!」「馬鹿!」「死にてえのか!」

 

「…貴女が…『北の卑弥呼』…」「ええ、わたしはもう全身が(変身から)戻らなくて…。でも『わたしの』はこの辺りにはあまりいないのでね…。だからこの辺の人たちはわたしをあまり怖がらないの。あなただって…もしゴキブリがお米をかじったり病気を運んだりしなかったら、特に嫌だとは思わないでしょう?」「さあ…どうかしら…」

 

「(最終章。?????にて。香山)…50億年ってまさか…」「そうだ…。汝らの惑星ができるずっと前から我はここにいた…。そして汝のようなものが現れるのをずっと待ち望んでいたのだ…」「ふざけないでよ!」

「(同時刻?地上。優子、木村A(仮)に)…お母さん!ねえ、お母さん!…『(香山を含め)お母さんたち』が!」「(木村A(仮))泣かないで…」

「(同時刻、香山内。木村B (仮) )ねえ香山!するんでしょ、あいつと勝負!」「そうね…あんたがそんなんじゃもう何の勝負だかわかんないけど…」

?????

「やっぱり…ごめんね…美鈴」「だからもういいってレオ」「…!…レオって言うな!」「へへへ…ごめん…いっぺん言ってみたくて♪」「…ったく」

?????

「(ナーガ)我が『瞳』となってくれ…」「だから『先生』でもないってのに…。なにそれ、プロポーズ ⁉ 」「汝がこの願いを聞き届けてくれるのなら…我も汝の願いをかなえよう」「要らないわよ、あんたがくれるものなんか!…そうね…強いて言うなら…今生きてる人たちにあたしのことを忘れさせてくれるかしら。なんだか…いつまでも泣いてくれちゃいそうな知り合いがいるんでね…」「それはできん…。それができるのはお前たち『人間』だけだ…」「はあ ⁉ あんた神様なんでしょ ⁉ ホントに…あんた肝心なとこで役に立たないわねえ!」「すまん…」「残念…。じゃあね…あの壊れちゃった富士山、あれ元に戻せるかしら」「そんなことでよいのか…」「いや、『そんなこと』って…」「お安い御用だ…」

「(ポニー。カーチャに)いいわ…あなたに殺されるなら…」…「(ブリュンヒルデ。シグルドに)今更あんたを殺せるわけないじゃない!」

…『(?????)正しき歴史のために!』…「(大森一莽)…悲しいけど事情が変わってね…あんたの置き土産のせいで世界が崖っぷちになる時が来てね…そン時まであんたにゃあ死んでもらっちゃ困るんだよ」「何?何だと?」「だから助けてやるよ…。『物まねしか能のない二流民族』のこの俺が…あんたを…。優秀なアーリア民族のご子孫からな…」…「あんた、一つだけ正しいよ。ドイツ人はな、未来のユダヤ人の国に脅されてあんたを自分の手で殺すことにしたわけ。石油がらみでな。でも物まねでできてる日本はお手本を大事にするから、回りまわってそういうのは認めないのよ。どうよ、猿真似文化に助けられる気分は」

「…!…に、日本人ごときがドイツ人に勝てるものかっ!」

「勝てるよお…あんたが嫌でもね♪」

…「(?????)出てこい、アドルフ・ヒトラー!」

「ほーら、来ちゃった。どうする?どっちにする?死すべきか、はたまた永らうべきか…」

 

「(少女時代の少佐)あんた…『怪盗ハコ』って言うの?」

「…誰から聞いた?」

「…お巡りさん」

「…『怪盗85号』…85だから日本語でハチゴーでハコだって…」

「違うね!」

「…え?だって…」

「違う違う絶対違う!そうさ、俺はハコだよ。しかし!だがしかーし!85だからじゃない!」

「だってお巡りさんが…」

「俺はどんな『箱』も傷つけないで中身だけ綺麗に頂戴する、だから『ハコ』!」

「…」

「俺を番号で呼ぶな!」

「わかった。じゃあ85じゃないね?」

「(拍子抜けしたように)え?」

「呼ばないよ、85号って」

「えーと…え?」

「何?」

「いや、なんていうか…調子狂うかな…」

「じゃあやっぱり番号がいいの?」

「や、そうじゃないけどね…お前さ…もしかしていいヤツ?」

「何よ、悪い子だと思ってたの?」

シベリア編

「(ボビー)ゲンブ…亀でも蛇でもなかったんだ…」

…「それでは改めましてリヴァイアサン玄武、いっきまーす!」

中国編

「(香山。孔龍に)名前を言えばいいの?それだけ?」

「(孔龍)うむ…」

「スフレ!」…(間)…〔後刻入力。エフェクトとともに体内獣スフレ出現〕「(香山。意表をつかれて)わあっ!」

「(スフレ)これに…。お呼びで」

「(驚きが収まらず、心中、息を荒げる。胸に動悸。深呼吸。はあっ、はあっ、…はあ、)はあ、はあ…ドキドキ…)…ほ…ほんとに…。自分が人間じゃなかったことより…こっちの方がびっくり…。あなた…ほんとにあたしの体の中に…?」

「『中の裏側に』…にございます」

「…いつから?」

「御身がまだ『卵の欠片』でいらした砌より…にございます」

「欠片…ね…。あの…どうして今まで一度も出てこなかったの?」

「お呼びになりませんでしたので」

「ああ、そう…。それは何か…悪いことをしたわね」

「おっしゃる意味がわかりかねますが、いずれにしてもそんなことはございません。御意のままに」

「その…『卵の』…『欠片』?というのは何なのかしら?」

〔後刻入力〕

「へえ、そう…それじゃ、あの、あたしのお母さんは何人いるの?」

「それは数え方によりますが…お父様についてはよろしいので?」

「…」

「この『菌』は猛毒であると同時に…」

「死人をも蘇らせるという訳か」

「その『神』と会話できる…。今のこの時代に生まれてよかったでしょう…。これはもちろん、単に北海道の特産品というだけじゃない…。日本の…史上かつてなかった輸出品ですよ」

…「(アレクサンドラ)…あなたのおねがいはなんですか…」

「なんだこれ…」

「うわ、くさっ!…人の店の前にこんなもん置いて行きやがって、何なんだ、このブヨブヨ…」

「おい、中になんか入ってんぞ」

「んー?」

「子供だ!子供が死んでる」

「げっ…ああもう…出せ出せ、とにかく!」

「おい、生きてるぞ!」

「坊や!おい!」

「お嬢ちゃん!しっかりしな!」

「ん…」

「んん…」

「(ブヨブヨ=アレクサンドラ母体の心中語)…ようございました…」

 

バーサーカー計画編

「じいちゃん!ばあちゃん!いねえのかな…上がるよ!」

…「ばあちゃん」…「なんだ、人形かよ…。しゅみわりーな…。ばあちゃん?じいちゃん!いたずらやめてよ…どこだよ、もう…どこ⁉」…「わあっ!」

…「臨・兵・闘・者・皆・陳・列・在・前!」

「いいああああああああっ!(ドウーン!)」

…「乗ってください!早く!ぐずぐずするな!…危ないっ!(ドンッ!ドンッ!)」

…「行きますっ!」

…「邪魔だ、人形どもっ!」

…「お前…そんな拳銃なんかぶっ放して…トシいくつだよ」

「9歳ですが、あなたみたいな愚図に子ども扱いされたくありません」

「はっはっは!こりゃ一本取られましたな!」…「その子はね…忍者ですよ」

「に…忍者⁉忍者が何で…!」

「もともと忍者とはそうしたものです…。戦争やスパイは副業でね…。化け物退治の専門家ですよ」

…「そろそろいいかな(カチッ、ドーン!)」

「え…じ…じいちゃあん!ばあちゃあん!」

「あとはプロがきれいに掃除してくれます」

「今の…爆弾…?お前がやったのかよ!なんてことすんだ…!」

「ご心配なさらずとも、あそこにはもう生きた人間は一人もいませんよ。それは確認済みです」

「違う、違うって!」

「(香山養父初代9歳)…残念ですが…」

〔略。後刻入力〕

「いつの間にか全員引っ越していた…それで済みますよ…こう言っても信じられないかもしれないけどね…なくなっても誰も気づかない村なんか今日日いくらでもあるんだよ?」

「お前…死んだ人のこと何とも思わないのかよ!」

「…おや、本当だ」

「何だよ!」

「アクションものであるでしょう、護衛対象があんまりわがままなんでぶん殴りたくなるっていうね…。人が命がけで戦ってるっていうのに…誰のためだって…」

「てめえ…」

「いや、ちょっと違うな。殴ったら手が汚れそうだ。代わりに唾を吐きかけたい」

「…(しばし絶句)ンだとこの野郎!」

「やめてください、どっちも!大人のくせに!」

「戦争してる時に君みたいなこと言われるとね…ぶん殴りたくなるって言うんだよ…。君ね…まあ知らないのは無理ないけどね、これは戦争なんですよ…。個人的な泣き言はね…戦争が終わってから言ってくれよ。士気が下がるからね…。それか死ぬか」

「…!…何だとこの!」

「君のその愚痴がね、戦争では人を殺すんだよ。死ななくてもいい人をね。士気ってわかる?わからんか。やる気。ただのやる気じゃない。生きる気力ってこと」

「知ってるよ、そんなこと!」

「…わかってないってこともわかってない…。ちっ。あのね…戦争というのは『国民を守るため』では困るんだ。気構えがね。『国を守る』。そういうつもりで初めて『国民を守れる』んだよ。違いわかる?わからないだろう…。ふんっ…」

「お前…マジで言ってんのかよ!」

「もちろんだよ。それで結果として『ほとんどの国民』は守られるんだからね」

「このっ…!」

「いい加減にしてください!」

「君はアレだね、明治時代にコレラ患者のご遺体を役人が勝手に焼いたと言って暴動を起こした人たちとおんなじだ。役人も好きでやったわけないんだよ。恨まれないようにやりたいさ。その暇がないから強制執行した。ゆるゆるやって感染拡大したらどうなる?今度はそれが役所の怠慢だと言って暴動だ。いいねえ、官を悪者にしてればいいんだから…気楽なもんだ」

「そ…それとこれとは違うだろ!」

「違わないよ。ほら…それもわからないんだろ…。自分のことになるとね、違う、特別だってみんな言うんだよ。言っちゃなんだけどね、ああいう無知蒙昧な迷信家が理解できもしないことに口を挟んで…。見かけは違うかもしれないけど、今君が言ってることはそれと同じなんだよ」

「あ…あんなことありえないだろ」

「そんなことないんだよ、本当はね。物理学をもっと深めれば、あっておかしくないことなんだ。僕もこの担当になるまでは知らなかったけどね。でも知らない人、モノのわからない人に気を遣ってたら間に合わないんだよ。間に合わなくていい?」

「言わせておけば…」

「おけば何だ。もう一度言わせてもらうよ?『国』を守る。もっと言えば『国家』を守ることが即ち『国民』を守ることなんだよ!単に『国民を守る』じゃあ実際には国は守れず!したがって国民も守れない!」

「その『国民』って誰だよ!」

「その人たちは自分でわかってるさ。本当の『国民』ならねえ…。まあ、勘違いしてる人もいるかもわからないけれども…。もう一度言わせてもらうよ。『国を守る』ことが即ち『国民を守る』ことなんだよ。単に『国民を守る』では『国』は守れず!したがって実際には国民も守れない!君みたいな詭弁にはかからないよ?慣れっこだからね」

「じゃあ…国民以外って何だよ」

「ゾンビだ」

「ゾ…何だって?」

「生きた死体に限らない。いや、生きてるのに死んでる人だな。怠惰な人を守ってたら、真に守るべき生きた活力ある人間は守れないんだよ。君もね…覇気ってものが感じられないんだよ…。さっきからただねちねち絡んで上げ足取って泣き言垂れ流して…自分で何かするって話が何もないよね」

「…!」

「私に言わせればね、さっき火葬にして差し上げた方々と変わらないですよ。ねえ、あなたね実は『奴ら』に操られてるんじゃないの⁉」

「な…何だとこの!」

「それでこっちのやる気を挫くようなことをおっしゃるんじゃないですか?って言ってるんですよ!いや、それは失礼…言い過ぎかもしれませんけどね。自分の意志が感じられないってことを言ってるんですよ。わかるかい」

「…」

「あなた、私があの人たちを『お焼き』にしたのを人殺しみたいにおっしゃるけれども、ゾンビを撃ったら人殺し?お笑いだね。お門違いもいいところだ」

「…」

「君みたいなのまで面倒見てあげなきゃいけないんだから…宮仕えの一番つらいところだよ、はっははは…」

 

 

アルゴース撃墜ミッション編 

作戦会議

「何が見える?」

「(姫=少女時代の長)蟻…?いえ、蜂かしら…。3匹、三角形に並んでる。1匹ずつ出たり消えたり…あ、3匹とも消えた…また出てきた…何かしら」

…「(ラビ)先々奪い返せればと思っておった…。しかし最早その猶予はないようじゃな」

…「(イオーニア)おかしくない?そんなに重要な施設なら、なんで警備が(ゴーレム)三体しかいないの?」

…「(ラインハルト)ああ?三千体だ?何言ってんだ、じいさん」

…「(ヴォルト)待て、もう一度説明してくれ、三体が三千体に?」

…「(イオーニア)バカはほっといて続けて」

…「(ラビ)…無限ではない…一つひとつ…着実に潰していけ…」

…「(アルゴース)キョカナクセッキンスルモノアリ…ハイジョセヨ」

「ハイジョセヨ」

「ハイジョセヨ」

「ハイジョセヨ」

『ハイジョ、ハイジョ、ハイジョ…』

トマの接近に

「(ドクトル)くっくっくて…来たか、ギルガメッシュ」

アクシデント。旅客機タイムマシン、コクピット

…「な…!何だ!」

「蟻⁉」

「メイデイ!メイデイ!こちらULT071!時空回廊282号線にて所属不明機に襲われている!時空の狭間からの出口が塞がれて…」

「機長、客室が!」

「わーっ!」

「きゃーっ!」

「あ…あ…あーん!うわーん!」

「アーム展開!反撃する!」

「駄目です!相手のパワーが…!」

「もう…もちません!」

「(ドクトル)何をしている、メガイラ2・45!早く持ち場に戻れ!」

「ギギッ!」

「休憩は終わりだ!さっさとギルガメッシュを仕留めろ!」

「ギギーッ!」

「…消え…た?」

…「トマ!右上…左…下…前と後ろ!」

…「え…うそ…十!もっと!いっぺんに来る!」

「任せろ!」

『ギギィーッ!』

バーサーカー計画編

「(主人公、末期)…これが俺の…『人生のリング』…だっ…た…」

「(マリアンネ)馬鹿っ、違うでしょ!」

キャラクターコメンタリー 鈴木&吉田編

「え…えと、みなさんこ(ンッ)にちは!(あ、噛んじゃった!)あ、いえ、ごめんなさい、おはようございます!す…鈴木光比歌里です!…すぃません……あ、いえ、なんかいえ、私なんかでごめんなさい!」

…「え?友達…友達は…あ、います、大丈夫です!友達…います!友達…だと思うんですけど」

「(吉田=弁天)何よー、あたしたち友達でっショー、ヒルコー…ウイー、ヒック…」

「(うわ、お酒くさ…)そうなんです、友達は『ヒルコ』って呼んでます。あ、あの、私が友達をじゃなくて友達が私を、ですね…。皆さんもよかったら…」

「そーよー、ヒルコいいわよねー…あんた高校んときなんて呼ばれてたか、教えてあげなよー」

「…『心霊写真』…です」

「そうでしょー、ヒルコに昇格よー、誰のおかげ―?」

「…弁天さんです(ぺしっ!)あたっ!」

「人前じゃ吉田って呼べって言ってるだろうがあ!」

「はい、ごめんなさい!(この前は人前じゃ弁天って呼べって言ってたのに…)」

「…そうよー、ニッポン人のみなさんは!ヒルコって言ったらいろいろ連想しちゃうだろうけど!深い意味はないんですー、いい意味っしょ、ねーヒルコ、あはははははははは」

「はい、そのとおりです!ヒルコでお願いします」

「うんうん、ヒルコかわいいよヒルコ…ウイ、ヒク…」

…「え、歳ですか?今31…ていうことになってま…ああ、いえ!31!31です!」

…「ええと今この瞬間お話してる時点で、あの、香山先輩は一コ上で、ドイツ?ソ連?ええ、どっかそっちの方にいるみたいで、私お留守番の警備兵…ああいや、なんでもありませんありません!」

…「ええ、ここ『楽屋』なんで今この私はその辺『わかってる私』なんですけど、お話のリアルって言うんですか?そこでは先輩行方不明ってことで、私、不出来な後輩で実質他人てタテマエでふーんて顔してますけど実はかなり気をもんでて『え?なに?このまま私が手の伸びる範囲で世界を守らなきゃいけないの?無理無理絶対無理、早く帰ってきてくださいよ、先輩、どこで道草食ってるんですか~』…」

…「先輩が高校生の頃から時間旅行してるのは世間一般には秘密なんですけど、それがなくても先輩頭いいってことで有名人でなんたって歴史で三十前で博士になるってすごい珍しいって…。別の意味で頭よくて有名な…スーパー交渉人って言うんですか?その島田先輩がテレビでよく囲み取材受けてます」

…「まあでも私は関係ないっていうか…あ、いや、すいません、すいません、すいません!あの、そういう意味じゃなくてすいません!

…「え?お仕事…何だろ…フリーター…?かな…。いや、違うかな…その、コネで…いや、そうじゃなくて!…や、しゅいません…(また噛んだ!)…香山先輩も『あたしもそうだよ』って…いや違う、全然違いますから、いやいやいやいやいや、ゆゆゆそうゆう意味じゃなくて。そうゆう意味ってどういう意味かっていやもう、私なんかもうゴミでもうゴミで…」

…「冒険…そうですね…なんかもう生きてるだけで冒険で…お話の都合でもっと広いところに出ることもあるかも…。いや、香山先輩のお話みたく面白くはならないと思いますけど…別な意味で面白いて…かも…」

…「え、十八のときですか…。いや、あんまり思い出したくないっていうか…予備校の先生に告白するとか…あ、その頃一人でラーメン屋さんに入るようになりました…それと駅のお蕎麦屋さんとか…」

㉑「(佐和山清太郎。裁判にて)大久保も西郷も岩倉も…日本の未来を拓くために、勿論間接的にだが、数え切れないほどの人間の命を奪った…。私を裁くというのは彼らを殺人罪で訴えるのと同じことだ」

「(検事、仰天して不規則発言)…なっ⁉何を言ってるんだ、あなたは!」

「何度でも言おう。お前たちが『ヴァルキューレ』と呼んでアイドル扱いしているあの連中は伝染病を媒介するゴキブリと同じだ。私の実験による死亡者は殺虫剤の開発に伴う犠牲である!あのゴキブリを後生大事に囲っている若造どもこそ、人類への反逆者として極刑に処されるべきなのだっ!」

「あなたは…本当に医者なんですか…」

「そうとも!私以上に医者の本分を忠実に果たしている医者などいない!人生のフィナーレに!人類全体を、未来を!治療してやる!」

㉒「(幼女時代のポニー〔女王アレクサンドラ?〕。忍び込んできたカーチャに自分の寝室の暗闇の中で)…あなた、わたしの目と同じものでできてるのね…。絵のようなこの世界の中で…あなただけ生きた写真を切り抜いて貼り付けたみたい…。でも他の人にはきっと逆に見えているでしょうね…。自分たちは生きていて…あなただけつくりもののように…」

「…」

「わたしは死んでいるからそれがわかるの…。生きているものと死んでいるもの、両方から見られるから…。生きてるあなたに死んでるわたし。わたしたちから見てどちらでもない世界の中で。そうね…あなたになら殺されてもいいわ」

対異種存在戦争、講和・同盟交渉の一コマ

「背後にいる何か…。そいつは…生物なのか?」

「いるとすればだが…いや、わからん…。そもそも何をもって生物と言う?」

「…生物は生物だ」

「おいおい、だからさ…」

「たとえ炭素でできていようといまいと、子供を作ろうが作るまいが…意志を持っていれば『生物』だ…。そしてそいつが人間を手にかけたり…かけようとするなら…」

「…」

「…敵だ。そいつが『神』だろうとな…」

(略)「(仮称軍人A)…待て…我々だけが死者を甦らせられる…とはどういう意味だ…。それはお前たちの専売特許じゃないのか!」

「(仮称異種存在A)わたしたちは“存在”のない抜け殻を動かすことはできますが、消失した存在を復元することはできません」

「何を…」

「反対にあなた方は、“存在”の抜け殻には意のままに影響を与えることすらできませんが、存在の復元は、日々常に行っていますね。存在の抜け殻…例えばあなた方が言う『死者』の一部分の模造品を作ることのできる種族はこの宇宙に数多います。『“存在”の模造』さえ。しかし死者自身の“存在自体”を再生させる技術…いえ、あえてあなた方の言葉で『わざ』と言いましょう。わたしたちがこれを編み出した種族に出会ったのは、あなた方が初めてです」

「…念のために訊いてやる…。お前たちが言う“存在”とは一体なんだ!答えによっては容赦せんぞ!」

「そう、もう一つの驚きは、あなた方が我々から見た“存在自体”を直接認識していないのに、その再生という離れ業は半ば無自覚にできているということです。少なくともわたしは、そのようなことができる者を、あなた方以外に知りません」

「よもや…お前が言っているのは…」

「(仮称科学者A)あの!それは、もしかして…死者が私たちの心の中に生きている…ということですか?」

「その“存在自体”がです。あなた方がその高度な欲求を既に満たしているのに、その自覚がなく、『抜け殻を動かす』という低級な方法を身につけることで、それを目につまり肉眼に見えるように実現しようとしている…。見ていてとても哀しく、また残念です」

「…ふっ…ふふっふっふっふ…ふざけるなあっ!俺が言ってるのはそんなことじゃないっ!」

「…?…すると…どういうことでしょうか」

「お前が言ってるのは…人間は心の痛みをやわらげるためにそういう空想に逃避できる、だからそれで我慢しておけ、そういうことだろうっ!俺が言ってるのは、お前が責任を取る気があるなら、お前に殺された者を生かして返して見せろということだ!」

「肉体も心もということですか?」

「そうだっ!」

「…それはあなた方にもできないでしょう。死者を生き返らせることについてあなた方にできないことはわたしたちにもできません。わたしたちには心を生き返らせることだけでさえできないのですから」

「それ見ろ!肉体も何も…お前の言う我々の…『あなた方のやり方』じゃ何も返ってこないんだよ!お前たちが死体を手ゴマにしたように…今度は心も元通りにして返して見せろと言ってるんだ!」

「あなた方は、あなた方の言う『死者』の“存在自体”を甦らせています。なぜそれでは不十分なのですか?」

「ごまかすな!何も返ってきてないと…言ってるだろうがあ!」

「(仮称科学者A)待ってください…。もしかして…あなたには…『魂』が見えるのですか?」

『それは何ですか〔『タマシイ』とは何ですか?〕』

「…あなたにはわからないのかもしれませんが…我々は自ら進んで他者の死を願うことはないのです…。だから…」

「わかりません」

「こんな奴に敬語など使うな!」

「少なくともほとんどの場合はそうです…。あなたは初めに、あなたたちが地球をこうしたのは私たち人類が望んだのでそれを叶えたと仰いましたね…。しかしこのままでは人類は…滅亡してしまいます。私たちは他者の死を願わないように…人類が滅びることも望まないのです!…」

『…』

「少なくともほとんどは…」

「(仮称異種存在A)…あなたの言っていることは事実ではありません」

「(仮称軍人A)何…この…何がだ!どこが嘘だ!」

「(仮称科学者A)…なぜ…そう思われるんですか…」

「(仮称異種存在A。質問に直接答えず、ただ以下のように繰り返す)明らかに事実に反しています、明らかに事実に反しています、明らかに事実に…」

「(仮称軍人A)やかましい!理由を言え!」

「(仮称異種存在A。あくまでフラットに真面目に)そちらこそ、そう仰る理由となる根拠、『わたしたち』が嘘をついているという証拠をお見せください」

「(仮称科学者A)…同じ質問を…させてください…」

「『わたしたち』には、あなた方の心の状態が見えています。それは、長い間不足していたものが補われて満たされているという『声』となっています」

「(仮称軍人A)…!」

「(仮称科学者A)それは…」

「これは確かにあなた方の種族維持には非合理です。しかしあらゆる生物はしばしば非合理な選択をすることがあります。例えばあなた方が『戦争』と呼んでいる闘争行動は長期的には種族維持にとって非常に危険でなおかつ他に選択肢があるにもかかわらず、『種族維持以上に重要なもの』を求めてそれを行い、これを選ばなかった場合に長く不満、不足感を抱くのは、私の認識が正しいことを示しています。そして現在の状況も同様に、種族維持にとって非合理ですが、それ以上の目的が達成されたのであなた方は充足感を…」

「(仮称軍人A)もういいっ…!貴様あ…言ってはならんことを言ったようだなあ……。誰が好き好んで戦争などするかっ!そんな狂人は…例外中の例外だ!」

「(仮称科学者A)…戦争は…非合理ですか?」

「…あなた方の『戦争』は論理的に種族の絶滅に必然的に帰結しますが、あなた方はそれと引き換えにしてもよい価値のためにそれをするのですね?」

「論理的に絶滅?ハッ!賢い方がおっしゃることは皆同じだな!よく聞け!それは、チンパンジーはそうだろう!猿に人間の武器と欲求を与えたら当然そうなる!人間は違う!我々は『ホモサピエンス』!『賢い人』だ!その賢さはどこからくる?お前のような屁理屈じゃあないぞ!見えないものを見る!聞こえないものを聞く!互いの心を言葉にならないところまで推し量る!したがってだからこそ、問題解決に『戦争』という方法を活用できるんだ、わかるか、わかるまい!」

「(仮称科学者A)そうです…。仰る通りなら、我々人類がまだ滅亡していないのはおかしなことではありませんか?」

「(仮称異種存在A。あくまでフラットに)…それを疑問とすることは理解できます」

「(仮称科学者A)…今、あなたと我々がしているのは、『戦争しても滅びない人類』が望まない戦争です。『戦争しても滅びない』のはそういう力以上に、知恵があるからです。つまりその方法を知っているからです。だとすれば、我々はこの戦争を、お互いにとって利益になる形で…少なくともどちらにとってもいやではない、悪くない形で終わらせることができるのではありませんか?」

「(仮称異種存在A。唐突に声に抑えがたい期待がにじむ。声が弾むのを抑えようとしても抑えられない、しかしまだ戸惑っている感じに)…それはあなた方の『新しいお願い』ですか?」

「(仮称科学者A)そうです。あなたは今の戦争を、我々が願ったことと仰いますが…誰かのそんな願いをかなえるよりも、そういう『戦争しても滅ばない知恵のある』…より高等な者としての我々の願いをかなえてください。それは…『この我々が望まない戦争を終わらせる戦争を我々とともに戦ってくれることです…』」

「(仮称異種存在A)…『戦争しても滅ばない知恵のある』あなた方…。今ここにいるあなた方とは別に、そういうあなた方がいらっしゃるのですか?」

「(仮称科学者A)今ここにいるのがそういう我々です…」

「…わかりました。あなた方は、思考器官から自然発生する言葉ではなく、筋肉組織で周囲の大気を振動させる言葉が本当のお願いなのですね」

「(仮称軍人A。最初意味が分からず)…?…(やがていわゆる脳筋的な意味だと受け取り)何!何だとこの!」

「(仮称科学者A。かぶせて制するように)そうです!そうなんですっ!」

「(仮称軍人A)おいっ!」

「(仮称異種存在A)やはりそうでしたか。そういう生物は理論的にはありうると思っていましたが、実際に見るのは初めてです」

「(仮称軍人A)な…何⁉」

「(仮称異種存在A)それでは改めて伺います。ここに来てそのお口で仰ってください。私もこの耳で伺いましょう」

「待て!『ありうる』とはどういうことだ!そんな…脳で考えたより口で言った方が本気だなんてあり得な…」

「(仮称異種存在A)あなたのお願いは何ですか?」

㉔バーサーカー計画編

「(カラオケ店受付)…いらっしゃいませ。お友達がお待ちですよ…」

「(みなみ)え?」

「いったん外に出て脇の階段から地下にどうぞ」

「あの…」

(カウンターの電話)トゥルルルルル…

「(気づくといつの間にか出口のない廊下にいるみなみ)あれ?…あたしどっから入ったんだっけ…」

㉕朝鮮半島編 

防衛省地下、緊急事態指令室

「博多湾に浮上の“(バジリスクの)蛇(部分)”上陸!北九州コンビナートに…熱戦放射!」

…「コンビナートが一瞬のうちに…焼け野原です…。こんなことが…」

「(室司令=陸将補)避難は完了しているだろうなっ!」

「はい…すでに人っ子一人…しかし…こんな…」

「なら動じるなっ!攻撃に専念!敵現在地!」

「はっ!(高高度哨戒・早期警戒機)シーガル1!敵現在地!」

「…(ノイズ交じりに)こちらシーガル1…」

 

同 過去の某時代、朝鮮半島某所。航時空自衛隊派遣部隊とバジリスクの最終決戦の場に、朝鮮王朝=所謂李朝時代でバジリスクについての情報収集と対策を終えた香山、及び同部隊の赤城、榛名来援。

「(香山。隊長がバジリスクとの初戦で殉職=戦死したのを知らず、不在と予想以上の苦戦に驚いて)何してるの、あなたたち!隊長さんはっ⁉」

「(荒木田)てめえこそどこで何してやがった!赤城に榛名もっ!」

「 (赤城)おお、苦戦してるか。安心しな、もうそいつ一匹だけだ。大半始末したからな。さっさとカタつけようぜ」

「(副隊長=所謂先任海曹長。香山に)ごゆっくりですな、香山博士…」

「申し訳ありません…」

「まさかてぶらということはないでしょうね…」

「…もちろんです。荒木田3尉!」

「何だ!」

「(副隊長。荒木田のその言い草について香山に)あらためてご無礼をお詫びします」

「(香山)かまいません、時間がないわ!荒木田3尉!ちょっとここまで下がって!」

「うるせえ、馬鹿野郎!」

「そいつの攻略法を教えるわ!」

「なにい⁉」

「(副隊長)ほお…」

…「(荒木田操縦の人型タイムマシン=ゴーレム蒼天、後退して香山のシュトルムに並ぶ。荒木田)何だ!早く言え!早く!」

「(バジリスクパイロット回想)娘と息子は日本に奪われ…穢され…!妻も欲にまみれて家を顧みない…。どうしてこんな運命に生まれてしまったんだ…!」

「(女性士官…の姿をした謎の女。突然背後に現れる)…だったらやめておしまいになったら?トンム(同務。北朝鮮で軽い敬称の所謂「同志」の意)」

「何だ、お前は!」

「悪魔をお信じになるかしら?」

「何だと…」

「ねえ、お仲間が連れてきた日本人を一人下さらない?誰でもいいけれど…若い…いえ、ちょっと幼いくらいがいいわ。そうしたらその子を使って運命を変えて差し上げますよ♪」

「運命を…?」

「大人でもいいけど、面倒くさくてね。生まれてから時がたつと心の中にいろいろ壁ができているから、なかなか思い通りにならないの。それから、私にくださるなら女の子がいいわ。やっぱり女は女同士…子供はよけいにね、ウフフフフ」

「しかし…そんなことは私の一存では…」

「“魔術”で支援しますわ?失敗しても損はなくてよ?」

…〔略〕「来いッ!」

「(少女)きゃ!(ややイントネーションのおかしい、日本なまりの朝鮮語で)な、ナンですっカ!」

「このウェノム…チョッパリめ(それぞれ『卑しく野蛮な日本人』の意)。(村のために自らいわゆる日本軍慰安婦となり、結果として日本兵と恋仲になって子をもうけ、その子を連れて帰国したがこの父親に拒まれた)娘と同じ苦しみをお前にも刻んでやる!」

キャラクターコメンタリー

ロキ&カーチャ編

「(ロキ)私はね、君らが言うギガンテス、つまり我々式に言う『人間』だから。『標準的な』。だからね?これを読んでいる君!特に君らが言う『民間人』の君!『ただの人』の君!君たち式に言う『普通の人』の君!君たち『蛮人』と違ってね、タバコを吸っても絶対病気しないし、依存症にもならないしね、我々『人間〔ギガンテス〕』は。ただ単に血の巡りがよくなって今以上に聡明になってしまうだけでね。ああ、うんまい、タバコうんまい。ぷはー」