実は、今日は他の話を書くつもりでしたが、昨日12時頃、FMで首記の曲を初めて聴いたので、それを記録として書くことにしました。

●(実は)ステレオ・アンプを買いました。
昨年の2月に単身赴任から東京に戻ったとき、アンプが壊れ、その後はPCか車で、9月からはiPodでCDを聴いていました。先の5月の連休でやっとステレオアンプを買った(一生ものとして10万円のやつ)。店の人は、新製品のこれより、図体はでかいが音がいい旧型を勧められましたが(確かに音は良かった)、コンパクトの方を買いました。最近の音楽雑誌をみるとどれにも載っている、知っている人は知っているデンオンのやつです。なかなか気に入っています。

●アランフェス/スケッチ・オブ・スペイン/マイルス・デイビス、ギル・エヴァンズ
一昨日、アランフェスとコパカバーナが入っているCDを買って、昨日の朝10年ぶりにアランフェスを聴いたら、夜はラジオからこの"歴史的名盤(らしい)"を聴くことができ、ある種の"シンクロ"を感じています。10年前はラジオで荘村清志と熊本マリのピアノのやつで、正村の衰えと熊本の凛々しさが際だった演奏だったのを覚えています。さて、この曲ですが、HPで見るとクール・ジャズの名盤として有名らしい。私は、「カインド・オブ・ブルー」を持っているが、それとかなり近いスタンスで弾いている。ラジオの解説者も、オーケストラジャズの金字塔と言っていた。感想は「ジャズの世界は何でも有りだな~。よくここまでやるな~、一度聴いてしまったら、いいもわるいも、すり込まれてしまうな~。でもすごいな・・・」というもので、アランフェスのリズムはまったく引き継がれていなくて、なんかいい加減にやっているようで、それでもアランフェスで、また、ジャズのスィングもなく(クールだから)、チャンネルを回そうにもまわせなく(というのは、どのように終わるのだろうか・・・という好奇心のため、逃げられなくなった)、結局、最初の感じのまま最後まで行ったというものでした。解説者は「(さいごまで同じ調子でやってしまうのは)すごい集中力」と言っていた。聴衆や演奏仲間に15分、この緊張を強いる自信は、確かにすごい。聴いてみて、「なんか不思議な物を聴いた」という感じが残りました。数年以内には、この"呪い"のためCDを買うかも知れません。

●菊池成孔さんの解説
ギターの世界は、興味と偶然で歩むことができる(と思っている)が、ジャズの世界は、ある程度道しるべがあった方が役に立つ。この方の話では、1950~60年代は、かれがもっとも堂々としていた時期らしい。スケッチ・オブ・スペインはその絶頂期の名盤らしい。なお、クールジャズを、"こんなのジャズではない"と(はっきり)言う人もいるかも知れない。ただ、"正しい"弾き方に反逆して、こういう弾き方を、自分の思うがままにやってみたいという衝動はなんとなく判る。それを、ジャス史の流れの一つにしてしまう強引さはさすがだ。私も、やれるならバッハやタレガをこういうふうに弾いてみたい。

●「ギター-ルネッサンスから現代まで」を図書館に返却
ずっと図書館で借りていた「ギター-ルネッサンスから現代まで」/濱田滋郎訳を図書館に返した。長く借りていると愛着がわきます。この本を(一応)熟読した効果は、同様な他の本を読むときに、横糸が繋がるというか、「ここんところは、はあの本ではこう言っていた・・・」というのが出てくるので、本を読む面白さが増してきます。これは、CDを聴く場合も同じ。人生限りがあるので、つねに新しい曲を聴くというアプローチもあるが、"好きな曲をいろいろな人の演奏で比較して聴いてみる"楽しみに通じるものがあります。前記の、デイビス・マイルスのアランフェスとギターのアランフェスの比較は、(とても)極端な例です。

●「バッハから広がる世界」/樋口隆一
この本を図書館で借り換えてきました。今度はこれを読んでいます。これは、そこそこ早く読めそうです。借りた本なので、やはりブログに書き留めておこうかと考えています(今度は、ざっくりと)。この本は、ある種の意図のもと計画的に書いたものではなく、15年間で書き留めた論文を編集したものらしい。そう言う意味では、まとまりは無いが、最新の知見を知ることができると思っています。