「バロック音楽名曲鑑賞事典」にこだわっています。


●無伴奏チェロ組曲/J.S.バッハ

磯山さんは、「無伴奏ヴァイオリンと無伴奏チェロでどちらがいいかと問われれば、強いて言えば前者だ」と言っている。そのうえで、チェロ組曲の中でひときわ壮麗な3番を挙げている。私も磯山さんに同感であり、磯山さんの趣味の一端を垣間見る感じがしました。しかしながら、現時点の私の感じ(直ぐ変わるいような、いかげんなものですが)は、少し違います。

無伴奏ヴァイオリンは、どの組曲も全体として華麗であり、私にとっては「天使」をイメージします。一方、無伴奏チェロは、その音域が故に「(現世の)人間」をイメージします。その人間のさまざまな思いが6つの組曲に展開されているのではないだろうか。もちろんJ.S.バッハの作品なんだから「人間界から神を思う」といったものは入っているでしょう。

「天使-人間」という単純な構図で考えると、今の私は「人間」のほう、華麗ではないが人間的深みがある(と思われる)無伴奏チェロ組曲を取ります。その「人間」の音楽の中で、憂いを帯びた2番や情感がある5番(これはリュート組曲3番と同じ)が好きです。本の中で磯山さんは「鈴木宏美」の演奏を推している。私は、この方の演奏は聴いたことがないが、関心が出てきました(すぐ影響を受けます)。


●それで、ギターで練習しています。

それでですが、磯山さんの本をすこし読んだせいもあり、ギターでチェロ組曲3番(プレリュード)とリュート組曲3番(プレリュード)を練習しています。

なお、磯山さんは「チェロ組曲の中で美しい聞きものは、最後から2番目の舞曲だ」と言っています。最後から2番目の舞曲とは、1番、2番はメヌエット、3番、4番はブーレ、5番、6番はガヴォットです。う~ん。さすが磯山さんだ。組曲の「つぼ」を知っている。私なんかは、プレリュードとジーグに気を取られ、真ん中を良く見ていませんでした。チェロ組曲は、全て最初がプレリュードで最後はジーグです。その中にいろいろな舞曲が入っています。その中で、後ろから2番目を挙げるのはすごい(無知な私にとって)。改めてチェロ組曲を聞いてみよう。私が持っているチェロ組曲は、ポール・トリトルエとマイスキー(DVD、以前安かったので)。あと山下和仁のギター(実は、2枚組で1枚紛失しています)を持っています。チェロ組曲は、カザルスのを図書館で調べて聞いてみたい。また、最近の演奏家のをひとつ買ってみたいと思っています。

ただ、磯山さんは、定番からすこし外して曲を選んでいる気もします。たとえばブランデンブルグ協奏曲は3番以降ではなく1番を挙げています。定番ばかりではうんざりしているというのが伺えます。それでも磯山さんは、無伴奏ヴァイオリンの中からはシャコンヌを挙げています。私からすると、シャコンヌを外してこそ磯山さんと思います(わたしのほうがひねくれているかも・・・)。


今日の本題はここまでですが、すこし脱線してとりとめのないことをすこし。


今井信子のヴィオラ

今井信子はヴィオラの名手と聞いている(CD1枚持ってます)。ヴァイオリン(天使)-チェロ(人間)の間に、ヴィオラがある。ヴィオラはオーケストラでも目立たない。ギターと同じく、日陰の楽器ではないだろうか。そのヴィオラのソリストとして活躍しているのか今井信子さんです。HPで調べたら、ヴィオラの曲も多少あるようだ。ブランデンブルグ協奏曲6番はヴィオラの曲なんだ(済みません、知りませんでした)。ヒンデミットも無伴奏ヴィオラソナタを作曲している。ヴィオラにも光をあててやろうと思っている(というよりヴィオラの魅力を知っている)作曲家も結構いたのですね。でも、バッハは、無伴奏ヴィオラ組曲は作らなかった。


●チェリスト

チェロ組曲と聞いて、ロストロポービッチ、マイスキー、カザルスを思い出しました。みんな共産圏や独裁国を逃げてきたチェリストです。かれらはみんなチェロの名手であり、無伴奏チェロ組曲に傾倒しています。そこまで無伴奏チェロ組曲に魅せられるのは、なんなんだろうか。判るような気もしますが・・・。私の場合は、最近はバッハ以外のチェロソナタなんかを聞くようにしています。

ところで、音楽雑誌(名前は忘れた)で、ロストロポービッチの映画が今年の夏公開されるらしい。見逃すとなかなか見れないので、公開されたら見てみたい。なお、だいぶ前のフランス映画「めぐり逢う朝」もやっているとき興味がありましたが、見逃してしまた。見逃すと結局今まで見れていない。DVDが出ていれば借りて見てみたい。そういえば、宮尾登美子の小説に「一弦琴」というのがあった。そのTVを1~2回見たような・・・。これは、小説を捜して読んでみよう(かな)。


今日はここまでと。