ひとに幽霊を信じるかと聞くと、信じない人は(或いは信じたくない人は)「そんな質問自体がおかしい」と言わんばかりの反論が来る。 信じると言う人は逆に「あたし見たの!」とまで飛躍(いや本当にそうだろう、否定はしない)する。
今から7、8年前に家族揃ってとある先輩の家「以下ホスト家」にバーベキューパーティで呼ばれた事がある。 その家はペット好きで、ラブラドール1匹に猫が3匹いる。 みんなおとなしく良い子なので、子供たちともすぐ仲良しになった。
お腹も膨れ、ビールから始まった酒宴が焼酎でピークを迎える頃は、場所を庭からリビングとダイニングにそれぞれ男性陣と女性陣に分かれて陣地を持って盛り上がっていた。
その時7歳になる娘がトイレに行きたがった、しかし生憎1階のトイレは虎を通り越して、牛からナマコ状態になった人に占領されていた。 仕方なく、別のおうちの5歳くらいの男の子と一緒に2階のトイレを借りることに。
しばらくして、2人が降りてきたとき「お2階にキレイな猫ちゃんがいたよ」「なんだか目が青できれいに光ってるの」とうれしそうに報告する。 あ、そう、とホスト家の人が言いながら1階にいる猫の数を数えると、3匹ちゃんと居るではないか。 その時ホスト家の長女の顔が真顔になり「え、ブルーの目? どんな猫だった?」 娘は「んーっと、あのね、頭とお尻しか見えないの。 とってもキレイで体が透明みたいでぇ、二段になってるベッドのお二階に上っていったよ、ねえ。」と男の子に同意を求める。 男の子も「うん、そうだよ、2人で追いかけたんだよ」と。
ホスト家の人たちは○×ちゃんだ! と2階へ駆け上がった、、、が勿論2階のどこを探してもそんな猫は居なかった。
ホスト家のこの家の前の持ち主も猫が大好きで、5、6匹の猫を飼っていたそうだ、しかし引っ越すときどうしても一匹だけその家を動かない猫がいた。連れて行ってもどうしても帰ってきてしまうのだ。 元の持ち主は諦めて、ホスト家に「この子はこの家から離れられないようです、どうかよろしく」と言うことでそのキレイなブルーの瞳の猫○×ちゃんはホスト家の一員として仲間入りした。
数年が経ち、ある日○×ちゃんは散歩の途中に車に轢かれてしまい、命を落とした。体を轢かれたが頭と腰から下だけが無傷だったそうだ。「あの子帰ってきてたのかなぁ、あの子だけが2段ベッドの上に登れたんだよ、他の猫も高いところに登れるのに絶対に二段ベッドの上だけには登らなかったのよ」と娘さんは涙ながらに話した。
幽霊なんか信じなくても良いけど、でもこんな一件があると、子供にしか見えないものってやっぱり有る、そのひとつが幽霊なのかも知れないと今は思えるようになった。 つまりだから、目には見えなくともいるってことだよね。今聞くと、なぜか娘はそんな事件覚えていないようだけど。



