ウエステックの販売品は、整列機と整列治具です。
セットで売るのが基本ですが、どちらか片方、
という場合も有ります。

整列機は最初に買った物が有るから、
整列治具だけ欲しい、というのは、ごく普通です。

違う部品を並べる、もしくは同じ部品でも、
生産量が増えて来たので、追加で整列治具が欲しい、
というご要望が出るのは、或る意味自然な流れです。

整列治具だけ交換すれば、違う部品を並べれられる、
というのが、ウエステックの売りでもあるからです。

ところが、整列治具は自分達で作るから、
整列機だけを買う、というお客様も、
たまにいます。

整列率の良い整列治具を作るのは難しいです。
以前のブログにも書いたように、最初に整列実験を
繰り返し、整列穴形状を確定した後、本番用治具を
作りますが、並べるのが難しい部品は特に、
その手間暇が半端ないです。

しかし、並べるのが簡単な部品用の整列治具ならば、
自分達で作ってしまう、というわけです。

とは言え、最初はそれも難しいです。
なので、最初だけはウエステックに頼み、
それと似た部品、例えば長さが少しだけ違う部品などを
並べたい時、本来であればウエステックに頼むのが
筋ですが、最初のウエステック製の治具を真似て、
自分達で作ってしまうのです。

日本国内では少ないですが、アジア系の国々のお客様では、
たまにいます。やはり人件費が安いため、ウエステック製の
治具が高い、と感じてしまうようです。

いろいろな部品を並べる治具の大半を自分達で作ると、
当然ですが整列機が足りなくなって来ます。
そこで整列機だけ追加で買うのです。

自分達で作った整列治具は、簡単な部品用とは言え、
ハッキリ言って整列率が悪いです。ウエステック製ならば
99%以上の整列率が出る物が、95%くらいしか並ばなかったり
します。しかし、自分達が作った物なので、
多少整列率が悪くても、文句を言わず使っています。

仮に、ウエステック製の整列治具が、それと同じ程度の
整列率だと、文句を言われるレベルであっても、です。
治具が安いので、黙認です。

ウエステックの整列治具は、日本製である事は
もちろんですが、非常に手間が掛かっています。
また、整列率を保証する物でもあります。

例えば3年前に納めた整列治具の
リピートオーダーが来たとします。
3年前の整列治具の整列率が99%越えだったのに、
リピートオーダー品が98%止まりだった場合は、
無償で作り直したりしています。

ウエステックの整列治具は、単に材料費+加工費、
だけではないのです。

何度も整列実験を繰り返し、それを反映させた
穴形状で作られています。出来上がりだけ見てしまうと、
何だ、こんな物、と思われるかも知れませんが、
穴の深さ一つ取っても、例えば2.4mmと2.5mmで、
整列率が天と地ほどの差が出る場合があります。

これは、整列実験で、2.3mmも2.4mmも2.5mmも2.6mmも
試した結果、初めて最適な深さが分かるわけです。
整列率を見るためには、何十ヶ所かは同じ深さの
整列穴を加工し、それに実際に部品を流して、
確認するしかありません。

それを、出来上がっている整列穴をデプスゲージで計り、
2.5mmで作れば良いのかあ、では、たまったものでは
ありません。

ただ、これはモラルというよりは、その国の国民性でも
あるので、一概に苦情を言えない場合もあります。

むしろ、同じ性能の物を、これだけ安く作れたと、
自慢する傾向すらあります。

さすがに最近は、売り先が仮に自国と言えども、
真似た製品を堂々と売ってはいけない、という
考え方が浸透して来ているようですが、
問題は、それを実際に真似て作った担当者以外は、
それを本当に自社のオリジナル製品だと思い込んで
いる人がいる、という事です。

整列機が世に出て来て、何十年か経っていますから、
最初の担当者は、もうそこにいなかったりします。
見た目は、ウエステック製でも、模造品でも、
区別が付かない物が多いですから、
前任者から、これは元々はウエステック製だけど、
あとのは模造品、という説明を受けない状態で
引き継ぎされると、後任者は自社の
オリジナル製品だと本気で思ってしまいます。

もしくは、全部ウエステック製だと(模造品は無いと)
思っている場合もあります。

以前、よく有ったのが、追加工の依頼を受けたので、
送られて来た治具を見てみると、ウエステック製と、
そうじゃない治具が混じっている事がありました。

ウエステックの人間が見れば、その治具が
ウエステック製か、そうでないかはすぐわかります。

酷い例だと、自社独自開発製品と称して、
ウエステック製の整列機のコピー品を売っている
会社も海外にはあります。