彼とは大学生の頃からのお付き合い。
それぞれ社会人になり、
結婚適齢期をむかえたころ、
父親から、
『お前もそろそろ、結婚しないんだったら、付き合ってる人と別れて見合いでもしたらどうか?』
と言われた。
結婚して身を固めたい自分と、
まだまだ自由でいたい自分。
今考えたら、彼と別れられなかったのは、
ひとりぼっちになる怖さだったのかもしれない。
この頃は、卒業後、キャリアを積みたくて、
5年働き、転職していた。
その3年後、本社に転勤の話が出ていて、
移動を決めればキャリアも収入もUPする。
行ってみたいな、新しい世界を見てみたいな、と思っていた頃、
時折様子を見にくる義父母より、
子供を考えなさいと言われていた。
わたしの実家も同じように初孫を楽しみにしていて、実父からは、こどもができないんだったら、相手の後継ぎもできないんだから、離婚しなさいとまで言われた始末。
まだ子供が欲しいかどうかわからない、でもできなかったら、というおそれもあって、定期的に婦人科にかかって、毎朝の体温、排卵、検査もしていた。
夫婦2人の生活がとても楽で、
マンションに帰れば彼が待ってくれているし、
友達と旅行したり、自由な感じがとても心地が良かった。
そんなとき、旦那さまは、わたしにこう言った。
『そろそろ、子どものこと考えようか。すぐできるか分からないし、意識してもいいんじゃない?』
コンドームをつけてくれていたこれまで。
避妊しないで仲良しをすることになった。
花火大会で、なんとなく気分が悪い、太り気味、体調の異変に気づき、妊娠していた。
このまま育休をとって、仕事を続けるか迷っていたら、夫からは、2人とも仕事を辞めて、田舎の実家に帰るという選択一本だった。
あれよ、あれよ、と二世帯へ進んでゆく。