華やぐ季節 | ちいさな、おはなし。

華やぐ季節

枝からこぼれ落ちそうな花びらを両手いっぱいに受け止めたい衝動に、末娘はかられていたようだ。

長女はただただニコニコしながら、こちらが促すまでいつまでもその木を見上げていた。まるでホテルの支配人のように掌を重ねて。

部活で叱られて憮然とした表情で帰ってきた長男はその木には一瞥もくれずにガラス戸を開けて、夕飯なに?と聞く。

でもその肩口には、薄いピンクの可愛らしい花びらを乗っけていた。



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