Special Sunday | ちいさな、おはなし。

Special Sunday

思わぬところから僅かばかりの臨時収入を得たので、よれよれカサカサになった茶色の革靴に見切りをつけて、ABCマートにでも出かけて新しいやつを買おうか、なんて考え始めた日曜の昼下がり。

しかしこの日の午後は諸々の事情で急にせわしなくなり、図書館に行ったり生協に行ったり自宅で調べものをしたりご近所に書類を届けたり長男の試験勉強に付き合ったり転んで泣き出した近所の子どもをあやしたりで、それはもう息つく暇のないほどであった。


靴のことを思い出したのは、ようやく空き時間ができた16時過ぎ、YouTubeで見つけたユニークな呼吸法をPCで観ながら試していたときだった。

これが噂の『美○良○のロング・ブレス』かあ!などとのんきに真似していた自分の脳裏に、革靴がフラッシュバックしてきたのだった。

しかしもう外出する気にならない時間である。


僕は玄関に行き、茶色い革靴を見下ろしてみた。

なんかもう哀愁のたたずまいである。もうどうにでもしてくれといった感じの。

そのまま腰を下ろして、下駄箱からボロ雑巾とブラシと靴クリームを取り出し、僕は靴を磨くことにした。


ありがとう、ありがとうね。いつもありがとう。


それはもう、ホントにいろんなところに付き合ってもらったね。


ありがとうね。いつもありがとう。


これは現実なのであるから、見違えるようにピカピカテカテカになった。。。わけがない。


けれどこんな感じに見えたのは本当だ。


年代物のシブいやつ。

茶色いヴィンテージ靴。


ABCマートに行くのはもう少し先になりそうだ。