愛の讃歌
休日のきょう、野球部の練習がある息子を送り出したあと、
自宅から20分ほどの通称”ICU”に行ってみることにした。
ここでいうICUとは病院のあれではなくて、国際基督教大学のことである。
想像をはるかに超える広大な敷地は、とにかく緑にあふれていて、散策しているだけで楽しい。
大袈裟な言い方をすれば、まるで避暑地に来たかのようだ。
すれ違う学生は表情豊かで、この学校らしく外国語も飛び交っていたりする。
ふと昔の同僚でここ出身のコがいたことを思い出す。あきれるほど自由でとにかくオープンなコだったが、キャンパスを見て妙に納得。
正門を入ってしばらく行くと大きなチャペルがあり、結婚式をあげたばかりの花嫁・花婿が友人たちから撮影攻めにあっていた。娘二人はこれを見て大喜び。こういう光景はいいもんだよね。
チャペルをちょっと進んだところに、目的の学食があった。
学生たちに混じって堂々と食事をするファミリーが我々以外にもちらほらいたので一安心(笑)
天井が高くて快適なオープンスペースのこの学食、ふと横に目をやると、だだっ広い広間の窓辺にテーブルが並べられ、ど真ん中にグランドピアノが。
ほどなくして先程のカップルがうやうやしくやってきて、さっきの広間に入ってゆくではないか。
学食からもそれがよく見えるので、あたりから一斉に拍手の嵐が起こる。
学生もファミリーも、僕たちも。
そう、披露宴なのだ。
さっきまで、いわゆる学食のスタッフとしか思えなかったおにいさんおねえさんが、背筋をピンと伸ばし、ホテルのスタッフと何ら変わることのない、すばらしい身のこなしで広間と学食を出入りする。
真っ白な出で立ちがまぶしいぜ!
さっき僕にハヤシライスをよそってくれたオッチャンたちも、奥のほうで何かのスペシャル料理をよそってるのだろうか、なんだかバタバタしはじめた。
腕をふるってくれ、オッチャン!
やるな、ICU。キャンパス披露宴。この手作り感が最高ではないか!
新郎新婦のどちらか、もしくは両方がここの出身なのだろう。実にいい企画である。
食事を終えた僕たちも、いよいよ本格的にこの披露宴を見学したくなってきた。
というのも、さっきまで何だかやぼったい感じに見えていた新婦が、明らかにすその長すぎるドレスを引きずりながら、部屋のど真ん中のグランドピアノに向かって歩き始めたからである。お!弾くのか!
彼女はマイクで何かしゃべった後、よくあるクラシックの名曲を弾き始めた。
うーむ悪くない。しかし、ありがちだ。ご親族のおじいちゃんおばあちゃんが眠そうにしているぞ。
しかし彼女、時間が経つにつれてどんどん演奏に凄みを増していく。
おや?この人単に「ピアノが得意です」というレベルじゃないな。。。超がつくほどうまいぞ。
曲終了。割れんばかりの拍手。
僕たちも、窓の外から拍手。
すると彼女、お次はあのミュージカル曲「マイ・フェイバリット・シングス」を弾き始めた。
この曲はジャズでもよくとりあげられる名曲だ。そして彼女も、演奏がどんどんジャジーになってゆく。徐々に背中がスイングし始めた。おお!この人何でもござれの人だ!
すごい。ていうかこの人もしかしてプロか??
あとはもう弾きまくりの彼女、完全に自分が新婦だということを忘れてる。
この2曲目が終わったときにはもうヤンヤヤンヤの会場。
窓の外の僕たちも大拍手。
するとあるスタッフが気を利かせたのだろう。明らかに窓の外で目立っていた僕たち家族のほうを見ながら新婦に耳打ち。
そして新婦、こちらを振り返りながらペコッとお辞儀をしてくれた。
なんかすんませんお嫁さん。だってあんまりよかったからつい興奮してしまって(笑)
帰ろうとしたそのとき、顔を真赤にしたおじいちゃんがテーブルから立ち上がり、演奏を終えて席に戻ろうとした新婦に何かをリクエストした模様。恐縮する新婦。しかし断ってる様子はない。
新婦、この曲を弾き始める。僕たち、大感動。テーブルのご親族一同、大感動。
そして、リクエストしたおじいちゃん、感動で涙目。
本当にこの瞬間は感動で鳥肌がたった。これをとっさに弾く新婦はやはりすごいが、
なによりすごいのは「ここまで場にぴったりなこの名曲」をリクエストしたこのおじいちゃんであろう。
大満足した僕たち家族、帰り道で考えた。
あのあと、「新郎のほうは何かいいとこを見せられたんだろうか」と。
いや、彼は彼で、あのあと壮大なマジックショーでも披露したに違いない。
あのピアノ新婦をもしのぐマジックを。鳩の10匹や20匹くらい出す勢いで。
きっとそうだ、間違いない。
◇◇越路吹雪 愛の讃歌
http://www.youtube.com/watch?v=m5jwRBQHPes
自宅から20分ほどの通称”ICU”に行ってみることにした。
ここでいうICUとは病院のあれではなくて、国際基督教大学のことである。
想像をはるかに超える広大な敷地は、とにかく緑にあふれていて、散策しているだけで楽しい。
大袈裟な言い方をすれば、まるで避暑地に来たかのようだ。
すれ違う学生は表情豊かで、この学校らしく外国語も飛び交っていたりする。
ふと昔の同僚でここ出身のコがいたことを思い出す。あきれるほど自由でとにかくオープンなコだったが、キャンパスを見て妙に納得。
正門を入ってしばらく行くと大きなチャペルがあり、結婚式をあげたばかりの花嫁・花婿が友人たちから撮影攻めにあっていた。娘二人はこれを見て大喜び。こういう光景はいいもんだよね。
チャペルをちょっと進んだところに、目的の学食があった。
学生たちに混じって堂々と食事をするファミリーが我々以外にもちらほらいたので一安心(笑)
天井が高くて快適なオープンスペースのこの学食、ふと横に目をやると、だだっ広い広間の窓辺にテーブルが並べられ、ど真ん中にグランドピアノが。
ほどなくして先程のカップルがうやうやしくやってきて、さっきの広間に入ってゆくではないか。
学食からもそれがよく見えるので、あたりから一斉に拍手の嵐が起こる。
学生もファミリーも、僕たちも。
そう、披露宴なのだ。
さっきまで、いわゆる学食のスタッフとしか思えなかったおにいさんおねえさんが、背筋をピンと伸ばし、ホテルのスタッフと何ら変わることのない、すばらしい身のこなしで広間と学食を出入りする。
真っ白な出で立ちがまぶしいぜ!
さっき僕にハヤシライスをよそってくれたオッチャンたちも、奥のほうで何かのスペシャル料理をよそってるのだろうか、なんだかバタバタしはじめた。
腕をふるってくれ、オッチャン!
やるな、ICU。キャンパス披露宴。この手作り感が最高ではないか!
新郎新婦のどちらか、もしくは両方がここの出身なのだろう。実にいい企画である。
食事を終えた僕たちも、いよいよ本格的にこの披露宴を見学したくなってきた。
というのも、さっきまで何だかやぼったい感じに見えていた新婦が、明らかにすその長すぎるドレスを引きずりながら、部屋のど真ん中のグランドピアノに向かって歩き始めたからである。お!弾くのか!
彼女はマイクで何かしゃべった後、よくあるクラシックの名曲を弾き始めた。
うーむ悪くない。しかし、ありがちだ。ご親族のおじいちゃんおばあちゃんが眠そうにしているぞ。
しかし彼女、時間が経つにつれてどんどん演奏に凄みを増していく。
おや?この人単に「ピアノが得意です」というレベルじゃないな。。。超がつくほどうまいぞ。
曲終了。割れんばかりの拍手。
僕たちも、窓の外から拍手。
すると彼女、お次はあのミュージカル曲「マイ・フェイバリット・シングス」を弾き始めた。
この曲はジャズでもよくとりあげられる名曲だ。そして彼女も、演奏がどんどんジャジーになってゆく。徐々に背中がスイングし始めた。おお!この人何でもござれの人だ!
すごい。ていうかこの人もしかしてプロか??
あとはもう弾きまくりの彼女、完全に自分が新婦だということを忘れてる。
この2曲目が終わったときにはもうヤンヤヤンヤの会場。
窓の外の僕たちも大拍手。
するとあるスタッフが気を利かせたのだろう。明らかに窓の外で目立っていた僕たち家族のほうを見ながら新婦に耳打ち。
そして新婦、こちらを振り返りながらペコッとお辞儀をしてくれた。
なんかすんませんお嫁さん。だってあんまりよかったからつい興奮してしまって(笑)
帰ろうとしたそのとき、顔を真赤にしたおじいちゃんがテーブルから立ち上がり、演奏を終えて席に戻ろうとした新婦に何かをリクエストした模様。恐縮する新婦。しかし断ってる様子はない。
新婦、この曲を弾き始める。僕たち、大感動。テーブルのご親族一同、大感動。
そして、リクエストしたおじいちゃん、感動で涙目。
本当にこの瞬間は感動で鳥肌がたった。これをとっさに弾く新婦はやはりすごいが、
なによりすごいのは「ここまで場にぴったりなこの名曲」をリクエストしたこのおじいちゃんであろう。
大満足した僕たち家族、帰り道で考えた。
あのあと、「新郎のほうは何かいいとこを見せられたんだろうか」と。
いや、彼は彼で、あのあと壮大なマジックショーでも披露したに違いない。
あのピアノ新婦をもしのぐマジックを。鳩の10匹や20匹くらい出す勢いで。
きっとそうだ、間違いない。
◇◇越路吹雪 愛の讃歌
http://www.youtube.com/watch?v=m5jwRBQHPes