梅雨入りと、ある一つの幸せと。
あまり若くはない男と女が、
ぎこちない手のつなぎ方をして向こうから歩いて来る。
これがまた本当にぎこちない。
なにしろ、手をつないでいるにもかかわらず、二人の距離が不自然にあいているのだ。
あんたたちいったい、仲がいいのかよ、それとも悪いのかよ。
そう思った。
けれど二人とすれ違う瞬間、僕は気づいた。
二人の間には、目には見えないけれど、子どもがいたんだ。
たしかにいた。
振り返って男と女をもう一度見た。
相変わらず二人の距離はあいていた。
しかしこれが親子三人となれば話は別だ。
僕の妄想の中では、温かな三つの影が、しっかりと夕陽に映し出されていた。
三人は、とても幸せそうだった。
この「親子」が傘をさしていなかったので、
僕も傘をしまった。
雨は、まだ強くはない。
東京が梅雨入りした今日、この日。
なんだか不思議な情念を感じ、なんだか不思議な光景を見た。
ぎこちない手のつなぎ方をして向こうから歩いて来る。
これがまた本当にぎこちない。
なにしろ、手をつないでいるにもかかわらず、二人の距離が不自然にあいているのだ。
あんたたちいったい、仲がいいのかよ、それとも悪いのかよ。
そう思った。
けれど二人とすれ違う瞬間、僕は気づいた。
二人の間には、目には見えないけれど、子どもがいたんだ。
たしかにいた。
振り返って男と女をもう一度見た。
相変わらず二人の距離はあいていた。
しかしこれが親子三人となれば話は別だ。
僕の妄想の中では、温かな三つの影が、しっかりと夕陽に映し出されていた。
三人は、とても幸せそうだった。
この「親子」が傘をさしていなかったので、
僕も傘をしまった。
雨は、まだ強くはない。
東京が梅雨入りした今日、この日。
なんだか不思議な情念を感じ、なんだか不思議な光景を見た。