トコちゃん(その2) | ちいさな、おはなし。

トコちゃん(その2)

コッペパンの雲とトコちゃんは、オレンジ色の光を浴びながら、夕焼けの中をかけぬけました。
夕焼けの中をかけぬけると、あたりは少しずつ暗くなってきました。

そのことに気づいたトコちゃんがふりかえると、
いつの間にか、コッペパンの雲の姿がありません。

トコちゃんは、目をパチクリさせながら大きな声でさけびました。


「雲さあん!どこにいったの?あたち、いるのよ。ここにいるのよお!」

返事があるはずもありません。
そう、しずかな、しずかな夜が、やってきたのです。


「どうしてなにも言わずにさよならしちゃうの?」

ふたたびひとりぼっちになってしまったトコちゃんは、
肩を落としてその場にしゃがみこみました。


力なくしゃがんだ女の子の愛くるしい目から、

雨のしずくのようにポタリポタリと涙が落ち始めます。


ちいさな、おはなし。

                                 え:mi-chan

みちばたに咲いていたタンポポは、そのようすを見て、

この名前も知らないちいさな女の子が、
かわいそうに思えてなりませんでした。

(つづく)