トコちゃん | ちいさな、おはなし。

トコちゃん

いつもひとりぼっちで遊んでいたトコちゃんは、ある夕暮れ時に、お空に雲を見つけました。

雲はコッペパンのような形をしていて、トコちゃんのことを見つめました。

トコちゃんもコッペパンの雲を見つめました。

雲を見つめながら、トコちゃんはかけあしを始めました。

するとコッペパンの雲もトコちゃんのあとを追ってきます。

「雲さんがついてくるわ!」


とトコちゃんは大喜びで声をあげました。

そこでためしにと、トコちゃんはかけあしをやめました。
雲もかけあしをやめました。

もう一度かけあしを始めると、なんということでしょう!
雲も同じようにかけあしを始めたではありませんか!



ちいさな、おはなし。


   え/mi-chan


トコちゃんはうれしくてたまりません。
うれしくてたまらなかったので、雲にたずねました。


「あたちといっしょに行きたいの?」


雲は黙ったまま、トコちゃんを見つめてニッコリ笑いました。


「そうなの!いっしょに行くんだね。雲さーん、あたちについといで!」

トコちゃんはとってもはりきって、もう一度かけあしを始めました。

雲もどんどんついていきます。

トコちゃんと雲はどこまでもいっしょにかけあしをして、そのうち夕焼けの中に、とけるようにして見えなくなりました。

(つづく)