「運転手、大いに張り切る」
突然の冷たい雪にたじろぎ、逃げ込むようにしてバスに乗り込んだところ、案の定、空席はなかった。
疲れ果てた身体をひきずって、乗客の間を縫うようにして進む。
今日は最後の最後までいいことがなかった。。。
まわりに聞こえないように舌打ちをしながら、鉄柱にもたれかかる。
よっしゃああああ
という声が聞こえてきたのはそのときだった。
突然の大声とともに外に駆け出したのは運転手だ。
彼は独特のリズムでフロントガラスを磨き始めた。
きゅっきゅきゅ~・きゅっきゅきゅ~・きゅっきゅっきゅっ~!
あぜんとして見ていると、彼はあっという間に車内に戻ってきてこう言った。
うっし!みなさんお待たせいたしましたあああ!
ワタクシ、タカギタカヒコと申します!最後まで安全運転につとめますっ!!
乗客全員の目が点になるのが手に取るように分かる。むろん、僕も。
暗く冷たい夜を、バスは威勢良く走り始めた。
よけいなものをすべてかなぐり捨てて。何かを無視するように。
走る走る。
タカヒコのバスが、夜を切り裂くように。
タカヒコのバスは走る。
僕のバスも、いつの間にか夜を切り裂く。
となりにいたおじさんのバスも、夜を切り裂く。
みんな、途中下車するのも忘れて。
走る走る。
タカヒコと僕たちのバスが、夜の暗闇を走る。
よけいなものをすべてかなぐり捨てて。何かを無視するように。
疲れ果てた身体をひきずって、乗客の間を縫うようにして進む。
今日は最後の最後までいいことがなかった。。。
まわりに聞こえないように舌打ちをしながら、鉄柱にもたれかかる。
よっしゃああああ
という声が聞こえてきたのはそのときだった。
突然の大声とともに外に駆け出したのは運転手だ。
彼は独特のリズムでフロントガラスを磨き始めた。
きゅっきゅきゅ~・きゅっきゅきゅ~・きゅっきゅっきゅっ~!
あぜんとして見ていると、彼はあっという間に車内に戻ってきてこう言った。
うっし!みなさんお待たせいたしましたあああ!
ワタクシ、タカギタカヒコと申します!最後まで安全運転につとめますっ!!
乗客全員の目が点になるのが手に取るように分かる。むろん、僕も。
暗く冷たい夜を、バスは威勢良く走り始めた。
よけいなものをすべてかなぐり捨てて。何かを無視するように。
走る走る。
タカヒコのバスが、夜を切り裂くように。
タカヒコのバスは走る。
僕のバスも、いつの間にか夜を切り裂く。
となりにいたおじさんのバスも、夜を切り裂く。
みんな、途中下車するのも忘れて。
走る走る。
タカヒコと僕たちのバスが、夜の暗闇を走る。
よけいなものをすべてかなぐり捨てて。何かを無視するように。