いよいよ週末。
ちょっと早めに仕事を切り上げて帰宅。
天気もいいし気分もいいので幌を開けて帰る。
高速出口も心なし空いている。
初めて挑んだ裏道も気持ちよく抜けられた。
iPodから流れるTei Towa
すべてが幸せな調和を持って時と風景が流れて行く。
インターのちょっとした渋滞で彼女にメールを送っておいた。
帰宅して着替えようかなとしたときに携帯を車の中に忘れてきたことに気づく。
我が家の駐車場は玄関の目の前。リビングに居ながらにして愛車を眺められる。
それがこの家を借りる理由のうち、最も大きかった。
携帯はいつもドアのカップホルダーの中。
手に取ろうとすると、James BluntのYou're Beautifulが流れる。
彼女からの着信。
いま仕事が終わったところで、これから食事でもどう? と。
いいねと努めて冷静にお返事。
最初は近所まで迎えに来てもらって、それからどこかいこうと思っていたのだけれど、
ナビで検索すると仕事上がりの体にはちょっとキツいという。
ならば食事をする店の最寄り駅で待ち合わせしようということになる。
うちから一番近い駅までは歩いて10分。そこからは30分ほど電車に揺られる。
ここのところ読みふけっている司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読みながらやや混雑する車内で時を過ごす。
待ち合わせ場所の一つ前の駅でメールを送る。
駅についてまだ来ていないようなのでスタバで時間をつぶそうとマイカップでソイラテを頼む。
出てくるまでにずいぶん時間がかかった。
どうも普通の牛乳で作ってしまったらしい。
カウンター越しにバリスタと呼べない人々の慌てるさまを冷笑を浮かべながら眺めていると、彼女からの着信。
下にいるから早く来いと。
やっとできたカップにはふたが無い。
「こちらふたはお客様がお持ちですか?」 と。
もう一人のバリスタらしき人があわててエスプレッソマシーンの上に取り残されたふたを持ってくる。
飲み物を口にしながらロータリーに降りて行く。
タクシーでごった返す中、彼女の車を探す。一般車の列の中でも見慣れた車を見つけるのはたやすい。
久しぶりに見る彼女の車。スタッドレスから夏タイヤに履き替えて、やっと見慣れた姿。
運転席で待つ彼女の横にちょこんと座り、近くの駐車場に車を止めて店へ移動。
なかなか人気のある店らしく、レジ横にはwaitingの人が3人ほど。
お目当ての店だったので待つことに。
ちょうど歓迎会のシーズンだから混んでいるのかな。
すぐ後ろの席では「宴たけなわでございますが」と紋切り口調の〆めの言葉が聞こえる。
「宴、宴、円周率は3.14・・・」というネタがくすっと笑えた。
そうこうしているうちにカウンターへ通される。
メニューを見ているとホッピーがある。自分で濃さを調整できるところが好きなんですよ。
運転手の彼女はウーロン茶。
地鶏が有名なので適当に何品か頼んで乾杯。
主に彼女の愚痴、主に仕事上の愚痴の聞き役なんです。
焼き鳥もおいしいし、久々の黒ホッピーは僕を幸せにしてくれる。
彼女の横でゆっくり酒を飲む。
ひとしきり愚痴が終わればあとはお互いの近況報告。
といってもしょっちゅう電話していたから他愛無い話ばかり。
それでもこっそり耳打ちしてみたり(w
一通り飲み食いしてなめらかというにはちょっと固めのプリンで〆るはずが、セサミ串を食べた彼女が「ミスド食べたい」とデザートの追加のご要望。
駅周辺のミスドはもう閉まっている。そんなことをネタにしながら笑い合う。
結局、送ってもらう途中のガストでパフェを流し込む。
家の近所の公園に車を停めてゆっくりと時を過ごす。
同じ機種を使っているので、プリインストールされているゲームの話で盛り上がる。
一生懸命、携帯に向う彼女の姿はいつもよりちょっとだけ幼くて可愛かった。
ちょうど雨も降り出したので解散。
ただの飲み友達&愚痴の聞き役でしかないのかなと。
そんな不安定な気持ちなんだけれど、彼女に耳打ちしたりするときの距離の近さにぐらっとくる。
固体でも液体でも気体でもなく、ふわふわととりとめが無く、そのくせ心の一番大事なところを鷲掴みにしている。
いつも離れてから詰めが甘いなと反省するんだけれど、一緒にいるときは舞い上がってしまって2手先も読めなくなってしまう。
恋の灯は時として友情の灰を残す。
byアンリ・ド・レニエ