二宮正治が私にしみじみと言った。
「女は灰になるまでと言うが、いくつになっても素晴らしい恋が出来るような世の中になったらいいね」
私は、
「そうねえ、そうなればいいけれど」
と言葉を返した。
「孤独な中高年の女性が多すぎる」
彼が私にこう言った。
「相手をしてあげれば」
私がこう言うと、
「おれは中高年の女性には人気がない」
と言葉を返した。
私は腹の底で、
「人気がないんじゃなくて、中高年の女性にもてようとする気なんかさらさらないんじゃないの」
と思ったが口に出して言わなかった。
でも彼の苦悩を見ていると、
「男はつらいよ」
と思うなあ。