本日から富裕層のための相続対策の話をさせていただこうと考えています。
相続対策で大事なことは、(1)相続させる自分の財産をきちっと把握すること。(2)何を、どんな理由で、誰に相続させたいかを自分自身で理解することから始める必要があります。
テクニカルな方法論はその後から専門家のアドバイスを受けて決めていけば十分です。
先日あるお客様からご質問を頂きました。
Question:
ご自分がお住まいになる不動産の購入にあたり、親御様に買っていただいたマンション(親御様名義)を相続時精算課税を使って自分の名義にするべきか、それとも相続時までそのままにしておいた方が良いのかというものです。
Answer:
このご質問はよく頂く質問ですので、この場でお応えしたいと思います。
相続財産を相続時精算課税を使って、ご自分の名義にした場合は当然、その名義を移した時点での相続時価を使って、相続発生時に精算を行うことになります。つまり他財産は相続発生時時点の価格で評価されるのですが、相続時精算課税の対象財産の価格は、相続発生時ではなく相続時精算課税を適用して財産を移した時の相続時価を使うのです。ここで、一般的に、不動産の相続時価とは、土地についてはその時点の相続路線価(不整形地等は鑑定評価を使う場合がある)で、建物の評価は建てた時の固定資産税評価額に経年減価の影響とインフレを考えた評価で価格が決まります。従いまして、大きなインフレや土地価格の上昇がない限り、時間が経てば価格は減価していくのです。
ということはマンションの相続を考えた場合には、相続時精算課税を使ってマンションを移すと、大きなインフレや土地価格の上昇がない場合には、相続発生時まで親御様の名義にしておくよりも不利になります。
ではなぜ、相続時精算課税がもてはやされているのか、相続時精算課税制度の有益な使い方がありますが、それは次の機会にお話をしましょう。一般的なマンション等の相続に相続時精算課税を使う理由の多くは相続人間の争いを避けるために、事前に相続財産を決めておきたいからです。
うちの兄弟・姉妹は仲がいいから問題無いと思っている方も多いと思いますが、次の例を考えてください。
例:
ご兄弟お二人で、20年前に資産家のお父様が兄弟二人にそれぞれ1億2000万円ずつの予算で家を建てていいと言いました。ただ当時は相続時精算課税の制度も無く、ご兄弟はそれぞれ好きな場所に好きな家を1億2000万円の予算で建てましたが家の名義はお父様のままです。ここでお父様がお亡くなりになり相続が発生しました。(お母様は既にお亡くなりになっているとしましょう。)
相続財産を見てみると、お兄さんがお住まいの家の相続時価が6000万円、弟さんがお住まいの家の相続時価が4000万円、現金1億円の3つまでです。
兄さんが言いました。20年前にそれぞれ1億2000万円ずつで好きな土地を買い好きな家を建てたのだから、それぞれの家はそれぞれが相続し、現金も5000万円ずつ分けましょう。と。。。
弟さんの意見は違います。確かにそれぞれが好きな家を建てたのだからそれぞれの家を相続することには承知するが、相続発生まであくまでも家の名義は父親のもので、我々は子どもとして親所有の家を使用貸借していただけだから、相続発生時の相続財産の時価を半分ずつ分けるべき。従って、家は今住んでいる家をそのまま相続するのはいいけれども、現金は兄貴が4000万円で俺が6000万円相続する。それで二人共一億円ずつの相続になるから。。
どちらの意見が正しいと思われますか、因みに相続価格が兄さまの家は6000万円で弟さまの家が4000万円としましたが、もし売却をすると考えると時価の違いはもっと顕著で、9000万円と6000万円とします。
また、20年前に家を建てる時に、お父様から、この辺のエリアに建てろとか、この住宅メーカーを使えとかの指示か有ったか無かったかによりお二人の感情も変わりますよね。お母様がいらっしゃらない状況で、間に入る人もいらっしゃらない場合には、仲の良かったご兄弟も話を決めるには苦労されると思われます。
どのように思われますか。。。
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