世は、あげて
「EV自動車社会の到来だ」と言います。
学者が「EV自動車は部品点数が少なくて、新しいベンチャー企業が既存の自動車会社を凌駕できる」と煽ります。
しかし、それは勘違いというものです。
問題点は、まずは充電周り。
充電に(急速でも)2時間以上かかるクルマを誰が気軽に乗りますか? ガソリンスタンドで、給油に2時間かかるとしたら、暴動が起きるでしょう。
実際、ある評論家は、EVの試乗に出かけて電池がギリギリになり、仕方なく系列のディーラーに飛び込んで、充電を依頼、30km走る分を入れる間に昼ご飯を食べに出かけたそうです(笑)
バッテリーの持続時間ほどあやふやなものはないのはノートパソコンを持っていればわかると思います。三菱の
iMiEVはフル充電で80kmといわれますが、乗った人のほとんどは40km以内で充電しているのだそうです。心理的に怖いからだということでしょう。また暖房の電気使用量は冷房の2倍以上だって、知ってますか?(しりませんでしたw)
(電池だけで200kgを超えるような重さやコストという本質的な問題はこの際置いておきましょう)
次に、安全性の問題。
クルマにとって重要なのはエンジン(動力)だけではありません。それよりずっと大事なのが安全性です。時速150kmからの急ブレーキでもハンドルで車体をコントロールできなければ、たいへんなことになります。サスペンションセッティングは、各社のノウハウの塊。ベンチャー企業にはあるのでしょうか? 衝突安全性はどうでしょうか?
カーブを苦もなくこなしていく、その時のクルマの挙動一つ一つが自動車の楽しみでもあったのです。ただ4つタイヤがついているだけじゃないんです。
EVは、例えば役所が巡回するクルマに使うとか、旅館の送迎に使うとか、使用時間と使用距離が決まっているものにはピッタリでしょう。でもクルマの最も大切な要素=いつでも、どこにでも行ける=自由が抜けていては、クルマとしての魅力に圧倒的に欠けないでしょうか。
そのアタリのことを考えて、環境や燃費を考えると、当面はハイブリッドや、プラグインハイブリッドでなければ、電気を動力に使ったクルマは成立しないでしょう。
かといってガソリンエンジンだけでもダメ。
日産はどうするのか……ミモノです。
しかし、考えてみれば、日本という国は自動車の個人ユーザーに対してものすごい重税をかけてきたわけです。
自動車取得税、重量税、強制保険(この保険金を集めているところが天下り先の一つ)、ガソリン税、高速道路…。結果として少なくとも大都市ではクルマを持つことがあまり魅力的ではなくなってきています。地方では下駄としての軽自動車の需要以外は、かなり減っているようです。
その結果、産業としての自動車の衰退を招いてしまったとしたら、角を矯めて牛を殺しているように思うんですが…