- 上部消化管穿孔
−原因としては、胃潰瘍、十二指腸潰瘍が多い
−腹痛は、穿孔を起こしたあと2時間以内に一過性に改善することがある
- 下部消化管穿孔
−小腸穿孔の原因は、潰瘍よりも外傷や絞扼性イレウスが多い
−大腸穿孔の原因は、悪性腫瘍と特発性が多い。
−便秘症の高齢者の突然の下腹部痛+腹膜炎症状では大腸穿孔を考える
−悪性腫瘍による大腸穿孔は、経過が急性でないことも多く、骨盤内炎症による頻便も診断を困難にすることがある。
−特発性大腸穿孔は、69%で慢性便秘症の既往があり、S状結腸に穿孔することが多い
−悪性腫瘍による大腸穿孔は、平均7.6週間の経過があり、特異的症状が乏しいことから、疑わないと初診で診断することは難しい
- 上部内視鏡検査後、胸腔疾患(陽圧換気)、婦人科疾患(性交渉を含む)、腸管壁内気腫では、消化管穿孔がなくてもfree airは出現しうる
- free air≠消化管穿孔
- 消化管穿孔の85%でfree airがあり、一方、free airが見られても5〜14%では穿孔を認めない。
- 開腹手術では、長い場合は一ヶ月近くfree airは残存しうる