ザ・コメディ・ムービー⑥~ザ・ジャイアント・ジャパニーズ
やはり予想通り、ブログの更新をマメにするなんて到底むりな芸当だったわけで、当然閉鎖の危機でしたが、ちょっと暇つぶしに書いて見ます。もう訪れるかたもないと思いますが、これを読んでいるあなたはさぞかし、ごく奇特な方で、変人と呼ばれているに違いありません。
今日は先週観た松本人志の「大日本人」について。あれは世紀の駄作、あるいは松本の勇気と言おうか。あれは映画ではなかった。テレビ芸人の頂点を極めた男の、果てしない孤独の戦いの記録なのだと思った。あまりにも「大佐藤」は松本人志そのものでありすぎる。
働くおっさん人形(劇場)はすばらしい。それを映画に持ち込んで、自らがおっさんとなって演じて見せた。その卓越なる演技力にまず驚く。端々にみられるテレビの臭い。おちょくるインタビュアー、真剣に応えようとする阿呆者。この不誠実な丹念さがたまらなくおかしい。
とここまで書くと、ただの松本の崇拝者じゃないか、と思われるかもしれない。が、正当に評価してみても、テレビ的な面白さと言う点ではなかなかない作品だと思う。しかし、私が関東の人間だからだろうか、中途からがっかりさせられる。最後はこてこてのお笑いは私の好みではない。
映画としては大失敗と断言できる。が、松本の意思表示としては最高である。芸人の映画監督といえば、北野武だが、彼の場合は、バイオレンスを武器にめきめきと力をつけていった。松本はそのデビュー作(もしかしたら遺作か)で関西の笑いを中心にすえて心中したのである。その勇気というか、固い意志は賞賛に値する。
「大日本人だよ!」 CMでもスポットでよく使われていたセリフ。あのシーンが松本のコメディアンとしての才能を感じさせ、惚れさせる一声であったろう、と思う。彼は顔、声、仕草、現代のコメディアンの見本のような男なのだろう。きっと若い芸人たちが憧れてやまず、なんどもこの映画を観るのだろう。そして詰まらないギャグの練習をするのである。